言語聴覚士
- 中西 俊二さん
- 職歴:21年
大都市でも地方都市でも需要が高く、
学ぶこともまた多いのが言語聴覚士です。
現在の仕事内容
せたな町は、人口約7,400人。私は町にある慢性期病院の唯一の言語聴覚士として、患者さんの言語、摂食・嚥下のリハビリを担当しています。患者さんは入院、訪問(在宅)、通所の方がいますが、基本的に慢性期なので長きにわたるお付き合いになることが多いです。リハビリテーションのスタッフ(セラピスト)は17人。
技士長として管理業務に携わる傍ら、近隣市町村からの依頼を受けての講演会や転倒予防教室等の地域活動にも携わっています。
その道に進もうと思った理由
27歳までは医療とは関係ない仕事をしていました。でも、「学びを感じられる仕事」「困っている人の役に立っていることが実感できる仕事」に就きたいと思い、患者さんと二人三脚で歩いて行けそうなイメージからリハビリ職を目指したんです。その中でも国家資格の歴史が新しく、人数も少ないことから、挑戦の余地が大いにありそうな言語聴覚士を選びました。
キャリアパスのポイント
- 首都圏へ就職
- 地元札幌の専門学校を卒業後、「情報が入りやすそう」「機会が多そう」というイメージで首都圏(神奈川県)のリハビリテーション病院に就職。スタッフ数は100人以上、言語聴覚士だけで20人の規模だった。約13年所属し、言語聴覚士の仕事、医療・リハビリの管理業務、そして言語聴覚士協会などを通じた地域活動を幅広く経験できた。言語聴覚士自体が少ないこともあって、1、2年目から声をかけられることが多く、さまざまな機会に恵まれたと思う。
- 札幌へUターン
- 両親の高齢化に伴い、札幌へUターン。規模や仕事の内容が近いIMSグループの病院に転職。同グループのリハビリテーション部門では専門職や管理職に特化した研修が充実しており、新たな発見や学びがあった。病院の仕事以外では、北海道言語聴覚士会の仲間と「失語症者向け意思疎通支援者養成事業」に取り組む。失語症のある方に外出先等で会話の支援を行う制度で支援者の養成や派遣業務を担っていた。
- せたな町へ
- 昨年IMSグループ内の、言語聴覚士がいないこの病院へ異動した。
- 現在
- これまで都市部の大きな病院で勤務してきたが、小さい町でセラピストの数が圧倒的に足りず慢性的な人不足の中で、なんとかやりくりをしている。新しいことに挑戦する日々が続く。
これからのキャリアプラン
現在、日本全国に言語聴覚士の有資格者は約38,000人います。
実際に働いている人の7割以上が成人の患者さんを対象にしていると言われており、小児領域(言語・認知の発達障がいや聴覚障がい)を担う言語聴覚士が不足しています。
私もこれまでは高齢者のリハビリが中心でしたが、現役で働けるのが後10年と考えると、小児のような自分自身にとって新しい領域でチャレンジをしてみることも考えています。
プロフィール
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言語聴覚士職歴:21年
中西 俊二さん
道南ロイヤル病院
リハビリテーション科 係長