作業療法士
- 小林 亜矢子さん
- 職歴:23年
日本に少ない看多機で働く常勤OTとして
多分野で必要とされる存在を目指しています。
現在の仕事内容
ケアピリカみさとは、看護小規模多機能型居宅介護事業所(利用者登録定員29名)です。訪問看護、訪問介護、通所、ショートステイを提供しています。比較的こぢんまりしており、目が行き届きやすい人数です。 私は作業療法士として、主に訪問リハビリや通所時間内の個別リハビリを担当しています。在宅医療はご本人と同じかそれ以上にご家族との交流、情報交換が大切ですが、作業療法士ならではの視点で信頼関係を築きたいと思っています。
その道に進もうと思った理由
従兄弟が筋ジストロフィーで歩行困難となり、車椅子を使って移動していました。また、祖父が脳出血による右片麻痺で歩行時に介助が必要でした。幼少期から身の回りに介助を必要とする存在があったので、医療系の仕事を目指したのは自然の流れでした。母が看護師をやっており、一対一で患者さんとじっくり関わることのできる作業療法士が向いているのではないかと勧めもあり、進路を決めました。
キャリアパスのポイント
- 専門学生時代
- とても実習の多い学校で、身体障害分野、精神障害分野共にいろいろな経験を積むことができました。最後の臨床実習で、認知症の患者さんがいかに困っているかを目の当たりにして衝撃を受けたのがきっかけで、認知症病棟のある精神科病に就職しました。
- 精神科病院〜老健
- 精神科病院に2年勤務後、地元に帰りたいと思いIMSグループ内の老健へ異動。そこも認知症専門棟があり、13年勤務しました。現場の仕事だけでなく技士長としての管理職の役割も行うようになりました。グループ内の技士長が集まって話し合うリハビリテーション科長会では、病院、老健の技士長と情報交換をするなど知識を深める機会に恵まれました。
- 再び異動、技士長に
- 結婚を機に、自宅近くの老健に再び異動し技士長になりました。IMS以外の地域の医療施設との会議が増え、後輩の教育、マニュアル整備など新たな仕事も。子どもができ、産休に入る前に次席に技士長業務を引き継ぎました。時短終了後はフルタイムの仕事に戻るイメージだったので、自宅からより近く、なおかつ訪問リハビリを行える職場への異動を希望しました。
- 現在
- 病院や老健での環境下できた作業も、自宅では難しくなる・・・というケースがあります。限られた環境下でのリハビリを行うジレンマを抱え、できれば普段の生活の延長線上でリハビリに関わりたいと思っていました。それを実現できるのが訪問リハビリではないかと考えています。 現在は訪問リハ、デイサービスの個別リハ、計画書作成、新規利用者の受け入れ業務など多忙な日々ですが、作業療法士が得意とする「全体像を把握する能力」を存分に活かせているのではないかと思います。
これからのキャリアプラン
看多機で働く常勤の作業療法士は、日本では数少ないのが現状です。 「生活期リハビリ」において生活全般をコーディネートする役割を担う作業療法士は、現場に必要だと強く思っています。また、高次脳機能障害を評価できる視野の広さも強みです。チームスタッフと話していて、「どうしてできないのだろう?」となった時「高次脳機能障害の影響では?」と指摘することで「あっそうか!」と見方が変わることが少なくありません。新たな資格取得も目指しながら、どんな分野でも必要とされる作業療法士になりたいと考えています。
プロフィール
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作業療法士職歴:23年
小林 亜矢子さん
ケアピリカみさと
リハビリテーション科 係長