臨床工学技士
- 山城 翼さん
- 職歴:15年
病院や企業の数だけ働き方は多様。
勉強の先に新しい可能性が開ける。
現在の仕事内容
臨床工学技士は病棟で使われる医療機器の操作、保守点検、管理に携わっていますが、私はその中でも主に人工心肺業務と血液浄化業務を担当しています。
人工心肺業務は手術室に入り、始まりから終わりまで10以上のモニターに目を配るもので、術中は一瞬たりとも気が抜けません。血液浄化業務は透析室やICUなど急性期の患者さんの血液浄化を行います。どちらも責任者や中心的立場でかかわっています。
その道に進もうと思った理由
手に職を持ち、かつ医療に携わりたいと思い調べていく中で臨床工学技士という仕事を知り、なぜか最初から強く引かれました。当時は全国でも臨床工学を学べる大学がすごく少なくて、設立されて6年目くらいの新しい大学を選んでいます。
仕事の幅は広く、透析などでは患者さんと接することになりますし、手術室では機器に集中します。大学生の頃から人工心肺業務に興味があり、現在はそちらを専門の1つとして研究を続けています。
キャリアパスのポイント
- 高校3年生
- 専門学校ではなく大学に行きたかったので、全国で臨床工学を学べるところを探す。地元の沖縄から広島へ。
- 大学卒業後、最初の病院へ入職
- 就活では人工心肺業務を希望。症例数の多い病院を上から当たり、応募のあった千葉県松戸市の循環器系専門病院へ入職。人工心肺業務は狭き門で5、6年待つ病院も多い中、幸運にも1年目の冬から担当できた。
- 修行時代
- 担当となったはいいが、圧倒的な経験不足で非常にハードな日々だった。チーム医療であり、他メンバーの様子を見ながら一手二手先を読まなければならない。あうんの呼吸をつかむまでが難しく、6年間は必死でスキルを磨いた。
- 現在
- より研究に力を入れている現在の病院へ転職。こちらに入職してすぐに「武器は2つ以上持て」とのアドバイスを受け、血液浄化業務を専門に加える。責任者を任されるまでになったが、まだまだ勉強中。
これからのキャリアプラン
職場全体の話でいうと、まずは自分が不在でも仕事が滞らないように後進を育成するのが課題だと感じています。私が入職してからの4年間で、臨床工学技士の人数は2倍になりました。医療機器の進歩に伴い新しい業務が増え、1つひとつの業務が対応する範囲も広がってきています。今後もますます広がっていくでしょう。
自分の研究に関することだと、もっと知識を深めていきたいですね。大学院に進学するという選択肢もあります。専門に関連する統計学や工学を学んだり、認定試験を受けたり、できることはいろいろあります。
さらに今、勉強したいと思っているのが英語。世界が広がると思うので、希望としては論文を書けるくらいになりたいです。
プロフィール
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臨床工学技士職歴:15年
山城 翼さん
医療法人社団 誠馨会
千葉メディカルセンター 臨床工学部