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臨床工学技士

どんなに大変でも終わりは来る。
将来、必ずためになるので頑張って。
医療法人社団 誠馨会 千葉メディカルセンター
臨床工学部
鈴木 千尋さん
2013年入職。臨床工学技士として病棟で使われる医療機器の操作、保守点検、管理を行う。

実習前に準備しておくことは?

先輩たちに「どういうことをしたか」「どんなことがあったか」「レポートは大変か」などいろいろ聞いていましたが、行ってみないとわからない、というのが結論でした。授業と実際の現場は、やはり違います。触ったことのない医療機器もあるでしょうし、何よりも患者さんの存在が大きいですね。現場に行ってから学ぶことがほとんどですが、準備できることとして思い浮かぶことが2つあります。

1つは、機械の名称を復習しておくこと。「患者さんに接続する部分」「薬品をつける部分」を何と呼ぶのか、その名称がわからないと指示通りに動けません。実習では学生に学ぶ機会を与えるためにいろいろな質問をしますが、こうした名称に加え、もっと根本的なことを聞かれることもあります。例えば「透析は何のために行うのか」などです。単に機械を扱えるだけではなく、目的まで理解しておきましょう。 もう1つは、病院には滅菌した部分があると認識しておくこと。うっかり機材に触ってしまうと、それはもうそのまま患者さんに使うことができません。具体的な場所は指示があると思うので、「うかつに触れてはいけないスペースがある」ということだけ頭に入れておいてください。

チェックリスト

● 社会人・医療人としてのマナーや態度
□ 遅刻・欠席をしない(体調管理も自己責任)。もしもの場合は、必ず連絡を。
□ 職員・患者に対して、明るい笑顔と明朗な態度で挨拶を。
□ 課題の提出期限は厳守。
□ わからないところや困ったことは、まず自分で考えてから質問を。
□ 病院で知り得たことは、守秘義務として口外しない。
□ 空いている時間は机に向かうのではなく、見学や質問を。
□ 積極的な態度・向上心で望むこと。
□ 教科書でなく、患者さんから学ばせていただいていることを忘れずに。
□ 目上の人に対する言葉遣い・態度に注意。
● 専門的知識(認知領域)
□ レポートの文法は分かりやすく、簡潔に。
□ 課題は提出前に必ずもう一度、誤字・脱字などをチェック。
□ 基本的知識(解剖学・生理学・電気工学・安全管理学)を理解。
● 専門的技術(精神運動領域)
□ 患者さんに対する接し方(話し方や態度)。

実習中の注意点

現場ではいろいろなことを聞かれると思いますが、わからないことを引っ張るよりはすぐに「わかりません」「授業ではまだ習っていません」と言った方がいいですね。それでレポートが増えても、知識を得られるいい機会になったと考えましょう。書いたものはしっかり読んで説明してもらえるので、口頭で質問するよりもいいかもしれません。

実習は実際の仕事の流れで行われます。つまり、「今のタイミングでしか経験できない」ことがあるのです。例えばポンプの清掃を一緒にできる機会が、明日もあるとは限りません。「やってみる?」と聞かれたらチャンスを逃さず積極的に行動してください。遠慮は損です。私も実習生を受け入れる立場になりましたが、わからないことはどんどん質問してもらって構いません。忙しいときはそう言いますから。実習で初めて触った機械に興味が沸いて、専門性の高い病院やメーカーへの進路が決まることもあります。学校とは違った経験をすることが実習の意義なので、新しいことに挑戦する機会になればこちらも嬉しいのです。

実習に取り組む後輩へのメッセージ

とにかく限られた時間なので、大変なのは当たり前。実習をイヤだと思っている学生さんはきっと少なくないと思います。特に大変なのがレポートですね。一日中、慣れない病棟で先輩たちについて回って帰宅した後にレポートを書くのはきついでしょう。でも、現場で働いている先生たちに見てもらえるレポートは後々、とてもためになりますし、国家試験の参考にもなりますよ。大変だと感じる時間はあっという間に終わりますから、自分のためになると思って受け入れ、乗り切ってください。

患者さんとの接し方は、病院によっても違います。基本の挨拶はしっかりして、後は病院の指示に従いましょう。特に患者さんのいる場所では無駄話をしない、質問もタイミングを計るなどの気遣いが必要かと思います。実習が仕事を決めるきっかけになったという学生さんは毎年、たくさんいます。いろいろなことを吸収できる時間であることを願っています。

実習の目的と概要

臨床工学技士が活躍する校外の医療施設で、専門家として必要な知識・技術を習得するために臨床実習を行います。各養成校によってカリキュラムに違いはありますが、指導者の助言・監督の下で実施される主な臨床実習は次の2種類です。

■臨床実習I(見学実習):1日~1週間程度
医療施設で臨床工学技士や関連職種の仕事の様子を見学します。医療現場において臨床工学が果たす役割を把握し、臨床工学技士としての基本的姿勢を整えます。

■臨床実習II:最終学年に5~6週間程度
医療施設で、血液浄化業務や手術室業務、集中治療室業務、救命救急業務、医療機器管理業務など、臨床工学技士が担う主な業務を実施し、基本的技術を習得します。また、患者さんや他の医療従事者と接するなかで臨床工学技士としての接遇態度を身に付けます。さらに、スタッフの一員として実務や業務管理を経験することでチーム医療の実際を学び、臨床工学技士としての実践的な能力を身に付けます。

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