知っておきたい業界概要

インターネット・WEB業界を研究する

インターネット・WEB業界について

タブレットを使用している様子
(画像素材:PIXTA)

インターネット・WEB業界では、インターネットを使ってコンシューマー向けにサービスを提供しています。スマートデバイスのアプリやパソコンのWEBブラウザーから各種サービスを利用でき、多くの人にとって馴染みのある業種と言えるでしょう。
電子商取引を行うショッピングサイト、インターネット広告の制作、SNS、ヒトとヒトやモノを結びつけるマッチングサイト、ソーシャルゲーム、検索エンジンなどがあります。また、動画や書籍、記事などのコンテンツを配信するサービスもあります。

インターネット・WEB業界は、ビジネスの形態として、大きくBtoBとBtoCに分けられます。BtoBは、企業向けにWEBサイトの制作やネットワークの構築、インターネット広告などを手掛けます。また、BtoCは、コンシューマー向けにSNSやショッピングサイト、ゲームなどのサービスを提供します。また、インターネット・WEB技術を活用した、複数店舗の入るショッピングモール運営や消費者の購買行動の分析などのBtoBtoCの形態も伸びてきています。

この業界で働く上では、働く企業が事業会社なのかベンダーなのかも意識する必要があります。事業会社の場合、自らショッピングサイトなどを運営し収益を上げています。その中でIT部門に所属し、新たなサービスの企画や運営に関わることになります。また、ベンダーの場合、技術を駆使して、顧客のニーズに対応したサービスを開発し納品する形となります。

主な事業内容

・WEBサービスの企画、設計、開発 … SNSやショッピングサイトなどの企画や開発
・インターネット広告の企画、制作 … 企業広告や商品広告など、SNSを含むインターネット向け広告
・電子書籍などのコンテンツ制作 … コンテンツ販売している電子書籍や動画の企画、作成
・マッチングサイトの開発 … フリマや人材採用、婚活などマッチングビジネス向けサイトの開発
・ソーシャルゲームの企画、開発 … SNS上で提供されるインターネット活用型オンラインゲーム制作

「データで見る」インターネット・WEB業界

・市場規模は、約4.0兆円(総務省「令和2年度 ICTの経済分析に関する調査」2021年)
・雇用者数は、約14万7千人(総務省「情報通信白書」2020年度)

最新の業界動向

テレワークをする模様
(画像素材:PIXTA)

通販サイトは、私たちの生活に非常に浸透しており、インターネット・WEB業界で最も大きな事業形態といえます。単に自社や他社の商品を販売するだけではなく、多数の店に出店させ一元的に運営するモール型が増えています。スマートデバイスのアプリケーション市場は、コンシューマー向けのSNSやゲームが市場の拡大を牽引してきましたが、今後、健康管理や学習などのアプリケーションの成長も見込まれます。

動画や書籍などのコンテンツ配信サービスは、従来は利用の度に支払うダウンロード型の課金が主流でしたが、最近は月額の固定料金の支払いで視聴し放題となるサブスクリプション型へと移ってきています。
なお、顕著な伸びを見せているのが、WEB会議サービスです。2020年の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受けて、世界的に急速に拡大しています。場所や時間の制約を受けないサービスであり、今後の成長も期待できます。

求められる人材・スキル

WEB・インターネット業界の仕事には、WEBデザイナーやWEBディレクターなど多くの人が関わっています。WEBディレクターは、関係者を全体調整して制作を指揮する監督で、WEBデザイナーは、商品価値の訴求や集客アップなどを目指してWEBサイトをデザインし制作します。いずれもクリエーティブな能力と、関係者との円滑な協働作業を進めるためのコミュニケーションスキルが要求されます。
なお、WEB・インターネット業界では日々新しい技術が生まれています。スペシャリストであるためには、SEOやセキュリティ、ARなどの最新技術や業界動向を知っておくことが大切です。

覚えておきたい業界用語

・SNS … 「Social Network Service」の略。スマートデバイスの普及とともに、利用者が増えているインターネット上のサービス。同じ出身地や趣味や興味、仕事などをきっかけに、人と人のつながりをネットワーク化し、コミュニティーを形成することによって、インターネット上で人間関係を築くことができる。

・SEO … 「Search Engine Optimization」の略。「検索エンジン最適化」の意味で、検索エンジンを使ったマーケティング方法である。インターネットを使って情報を探している利用者は、検索結果の上位に表示されるWEBサイトをクリックする傾向にある。したがって、自社のWEBサイトに誘導するために、関連キーワードの検索結果の上位に表示されるように対策をする必要がある。

・BtoBtoC … 「Business to Business to Consumer」の略。従来からある、BtoB(Business to Business)は電子部品や材料など企業と企業の間の取引であり、BtoC(Business to Consumer)は車や食料品など企業と消費者の間の取引を指す。BtoBtoCは、企業と消費者の間の取引に新たな企業が介在し、企業に対するマーケティングや消費者に対する購買支援など、取引の成立を支援する形で収益を稼ぐ。インターネットやIoTの普及により、ショッピングモールや消費者の購買行動の分析など、BtoBtoCの形態が増えている。

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