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広告・出版・マスコミ業界

広告・出版・マスコミ業界とは

インターネット、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などのメディアを通じて、多くの人にさまざまな情報を提供するのがマスコミ業界の企業。テレビ局には、全国に放送を配信するキー局や限定された地域で放送を配信する地方局、衛星による全国放送を行うBS・CS局がある。

新聞は大きく分けて一般紙と専門紙があり、一般紙には全国に販売網を持つ全国紙、県や一部地域など限られた地域で発行される地方紙、複数の都道府県で発行されるブロック紙がある。専門紙には、スポーツ新聞や株式新聞のような業界紙、英字紙、子供新聞などがある。

広告業界の企業(広告代理店)は、マスコミ業界の各メディアが持つ広告用スペースや時間枠を、企業や団体などに販売している。
また、出版業界の企業では、マンガやファッション、生活情報が掲載された雑誌や、生活情報やビジネス情報などをテーマにした書籍、学習参考書、文芸書などの発行を手がけている。

業界の仕組み

マスコミ業界の主な収益源は広告費。さまざまな企業や団体などがメディアの持つ広告スペース(新聞や雑誌の場合)や時間枠(テレビやラジオの場合)などを購入、企業や団体は自らのイメージアップを図ったり、自社商品の紹介や宣伝を行ったりしている。こうしたマスコミの広告スペースや時間枠を企業や団体などに販売するのが広告代理店で、販売手数料が収益となる。加えて、広告そのものの作成を請け負うことも多い。広告代理店の規模は多種多様で、大きな予算で有名企業のテレビやインターネット広告を取り扱う大手企業もあれば、地元の商店から折り込みチラシへの出稿を請け負う中小企業もある。
出版業界は、雑誌や書籍の販売売上に加えて、雑誌に掲載する広告費が収益となっている。多くの出版社は雑誌や書籍の編集作業のみを行い、販売は書店やネット通販会社が行うのが通常だ。その際、書店や通販会社への配送や出版社への返品、売上管理などの作業は、取次会社と呼ばれる出版業界独自の卸売企業が行っている。しかし、アマゾンなどの巨大な小売企業が書籍を取り扱っていることや、コミックを中心に電子出版市場が活況となっていることもあり、出版業界における流通のあり方も変化しつつある

また、人気アニメや小説などをベースにした作品では、広告・出版・マスコミ業界の企業を中心に共同出資で「〇〇製作委員会」などを設立、メディアミックス戦略をとるケースも増えている。

業界の現状と展望

2019年までの全体の広告費は増加の一途をたどり、順調に推移していた。ただし、増加の多くはインターネット広告費によるもので、テレビ・新聞・雑誌・ラジオのマスコミ四媒体広告費は決して好調といえる状況ではなかった。中でも、新聞・雑誌の紙媒体の発行部数自体が減少傾向にあるため、広告費自体も厳しい状況が続いている。

そうした環境下での、新型コロナウイルス感染症の拡大。経済活動も停滞する中で、広告への出稿は手控えられた。さらに、東京五輪の延期により、関連広告の出稿が消滅。広告・出版・マスコミ業界には逆風となった。 ただし、こうした環境下でもデジタル広告は堅調。以前から高い成長率を誇っており、各社はインターネットとの共存や融合を図るなど収益の改善を目指している。

どんな職種があるの︖

営業系

営業系の職種では、マスコミの収入源である広告を確保するため、さまざまな企業や団体に広告枠の紹介やセールスを行う。広告代理店では、顧客とマスコミの広告枠の調整、広告制作も請け負う場合は制作の進行管理も行う。

編集・制作

編集・制作は、企画を立て、取材や執筆の依頼、必要に応じてカメラマンやデザイナーなどと連携を取り、映像や紙面をスケジュールに基づいて仕上げる。最も重要な能力は企画力で、過去と同様のテーマであっても常に新しい切り口を見つけるなどの才覚が必要だ。

記者・ライター

記者・ライターのうち、記者は政治や経済に関わる事件や重大事故、社会現象や日常的な話題などを自ら現場に赴き取材し、記事を執筆する。ライターの場合は、編集担当者などの依頼に基づいて、テーマとなる内容がより効果的に伝わることを主眼に文章を書くことが多い。

広告デザイナー

広告デザイナーは、雑誌や新聞、ポスター、カタログ、チラシなどの紙媒体から、テレビやラジオ、店舗の看板やWEBサイトなどへのさまざまな広告をデザインし、制作する仕事。広告代理店や広告制作会社などに勤務する人もいれば、フリーランスで活躍する人も多い。

調査研究・マーケティング

調査研究・マーケティングの職種では、広告効果の測定や販売戦略策定のため、聞き取りやモニターへのアンケート、店頭での売れ行き動向など、より広い視点から市場動向の調査・検討を行う。

※原稿作成期間は2022年12⽉28⽇〜2023年2⽉28⽇です。

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