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メーカー業界

メーカー業界とは

テレビや衣服、食品に住宅、自動車や医薬品など、身の周りには多種多様な製品があふれている。こうした、あらゆる製品の製造を担うのがメーカー業界で、製造業とも呼ばれる。製品によって、電気機器メーカー、衣料品メーカー、食品メーカー、住宅メーカー、自動車メーカー、医薬品メーカーなどに分類される。日本メーカーの「ものづくり」は、その品質や性能の高さ、安全性などが世界的に高い評価を得ており、「Made in Japan」は高品質製品の証として知られている

メーカーは関連企業が多くその裾野も広いため、経済規模が極めて大きく、GDPの約2割を占める日本の根幹産業となっている。多くの付加価値を生み出し、地域の雇用を支える産業としても重要な役割を担っている。中でも自動車を中心とする輸送用機器メーカーは、生産・販売・整備・輸送など広範な関連産業を持つ巨大な総合産業に成長している。

業界の仕組み

原材料を加工し、製品を製造、販売するのがメーカーの仕事。ただし、原材料から製品製造までのすべての工程を担う企業もあれば、加工や製造の一部だけを担う企業もあり、手がける製品によって、大きく以下の4種類のメーカーに分類される。

素材メーカー(上流工程)
原材料から製品の基となる素材を製造する。鉄鉱石から鉄を作る鉄鋼メーカーや、木材から紙を作る製紙メーカー、原油からナフサを作る化学メーカーなどがある。
部品メーカー(中流工程)
素材メーカーが作った素材を加工し、電子部品や金属製品など製品の一部を製造する。鉄や銅などの金属を加工し電子部品を作る金属部品メーカーや電子部品メーカーなどがある。
加工メーカー(下流工程)
素材や部品を加工したり組み立てたりして、最終製品を製造する。自動車メーカーや食品メーカー、医薬品メーカーなどがある。
総合メーカー
素材から最終製品製造までの全ての工程(複数の工程の場合もある)を自社で行うメーカー。大手の総合化学メーカーや大手製薬メーカーなどがある。

また、メーカー業界は、製品の販売相手が企業か一般消費者かによっても、BtoB(=Business to Business)型と、BtoC(=Business to Consumer)型の2種類に分類できる。BtoC型の企業は、CMなどの広告を出している企業が多い。BoB型の企業は、一般消費者にはなじみが少ないが、高度な技術により特定分野で大きなシェアを持っている優良企業も多い。

業界の現状と展望

メーカー業界は、「ものづくり」大国日本を支える根幹産業だが。世界的には、国際競争力が徐々に低下しつつあるのが現状だ。海外メーカーとの厳しいコスト競争の中、人件費や材料費の高騰、ベテラン技術者の退職による人材不足、設備の安定的な操業が課題とされている。そのため、海外市場の開拓と同時に製造コストや輸送コストの削減を狙った生産拠点の海外への移転、グローバルニッチや高付加価値の新製品の開発、AIやIoT の導入によるデジタル化(DX=デジタルトランスフォーメーションと言われることも多い)で効率化と収益性の向上を目指している。

AIやIoTの導入は低コストで安定した製品の製造を可能にするため、世界の多くのメーカーは積極的にAIやIoTを導入し、第四次産業革命と言われる工場の自動化のスピードを加速させている。これまで、メーカーによって差異はあるが、国内では必ずしもデジタル化への取組みに積極的とは言い切れなかった。しかし、新型コロナウイルス感染症の発生に伴う不確実性がニューノーマルとなりつつある現状では、メーカー業界にも不測の事態に対する柔軟性が求められており、デジタル化やオープンイノベーションの推進が期待される。

どんな仕事があるの︖

営業系

営業系の職種では、製造した製品を、取引先企業や、商社、小売店などに提案、販売する。同時に新たな営業先の開拓も行う。

資材調達/購買

資材調達/購買の職種では、製造計画に基づいて、各製造現場工場のニーズを取りまとめ、国内外から必要な原料や素材を仕入れる。

企画・商品開発

企画・商品開発の職種では、市場のニーズを調査・分析し、既存商品の内容を改善するほか、新商品の企画を立てて、試作や開発を行う。

基礎研究

基礎研究の職種では、次世代向け新製品に役立てるために技術研究を行う。将来的なメリットを期待して、どのような産業分野で役立つのかとビジョンを持ってプロジェクトチームを組んで行うのが通常。

品質・生産管理・メンテナンス

品質・生産管理・メンテナンスの職種では、設定した製品基準を下回らないように、製造の全工程を理解し、品質、コスト、時間などを管理・コントロールする。また、メンテナンスとは生産ラインに不具合が生じないよう行う点検・整備作業。

※原稿作成期間は2022年12⽉28⽇〜2023年2⽉28⽇です。

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