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アミューズメント・レジャー業界

業界の現状と展望

多彩な発展の可能性を秘めた業界

アミューズメント業界は、余暇を楽しむための施設やサービスを提供。代表的なものには、ゲーム、玩具、映画、カラオケ、キャラクターグッズ、パチンコなどが挙げられる。レジャー業界は遊園地や博物館、動物園、水族館、大型テーマパークや旅行、ホテルなどが主な商品。中でも、独特のコンセプトを打ち出せるテーマパーク産業は、個性や特色を出しやすい。地域のイメージ向上や活性化につなげやすく、大きな経済効果が見込めることなどが特徴だ。

ただし、業界ごとのはっきりとした境界線はなく、構造は複合的。今後も、さまざまな産業と提携や融合を繰り返していく可能性が高い。ホスピタリティーあふれるサービスや施設、老若男女が楽しむことができる空間づくりがポイントだ。少子高齢化などで来場者数減少を不安視する声もあるが、各テーマパーク・遊園地は新設備の導入や期間限定イベントなどで来場者にアピールするなど工夫を凝らしている。

引き続き在宅でのレジャーが上位にあるが、ランキングに変化も

公益財団法人日本生産性本部の「レジャー白書2022」によれば、2021年の余暇関連市場は、前年比1.0%増の55兆7,600億円となった。全体としては増加となったが、2021年は、まだコロナ禍の影響を受けていたため、コロナ以前の2019年との比較では77.1%の水準となっている。
2020年同様に、動画鑑賞や読書などの在宅で楽しめるレジャーへの参加が多かった一方で、観光やドライブなど遠方への移動を伴う余暇は減少した。
余暇活動の参加人口は、「読書(仕事、勉強などを除く娯楽としての)」(3,700 万人)が初の首位となり、 「動画鑑賞(レンタル、配信を含む)」(3,690万人)、「音楽鑑賞(配信、CD、レコード、テープ、FM など)」(3,420万人)といった在宅レジャーが上位3位となった。一方で、4 位の「外食(日常的なものは除く)」、5 位の「ウォーキング」など、参加人口が減少したものの順位が上昇したものもある。上位 20 種目中 7 種目が前年の参加人口を上回ったが、いずれも、100 万人以下の増加となった。

業界や業態によって異なるが、2021年においては、多くの分野で復調傾向が見られた。コロナ禍で落ち込んだアミューズメント・レジャー業界も、徐々に営業活動を再開。今しばらくは、感染対策が求められる場面もあるだろうが、2023年以降はさらなる復調が期待できそうだ。

業界関連⽤語

フードテーマパーク

特定のジャンルの食べ物に特化して運営している施設で、全国や限定した地域などから有名店を集め、集客力アップを狙っている。統一感のあるコンセプトで、ラーメンや餃子、スイーツ、お好み焼きなど、そのジャンルはさまざま。新横浜ラーメン博物館や池袋餃子スタジアムなどは老舗のフードテーマパークとして知られている。なお、和洋中、エスニック、スイーツなどさまざまなジャンルの飲食店が一堂に会した施設は、フードコートフードコンプレックスと呼ぶのが一般的。

LEDシネマスクリーン

従来の液晶有機ELとは異なる表示方法で話題のマイクロLED。このマイクロLEDを使った映画館用のスクリーンが、LEDシネマスクリーン。いわば映画館用の超大型テレビで、従来の映像よりも画面が明るくコントラストも鮮明になる。

すでに、韓国、スイス、タイ、中国では導入されており、映画誕生以来採用されてきた投影システムからの移行を意味する全く異なるシステムとして注目を浴びている。

パワースポット

訪れることで「元気が出る」、「願いがかなう」などと信じられている場所のこと。日本でパワースポットと呼ばれる場所は神社仏閣や山が多い。パワースポットを訪ねるツアーなどが盛んに企画されている。

市民農園

安全な食べ物を自分でつくりたい、土と触れ合いたい、などのニーズに対応するのが、貸農園市民農園などと呼ばれる施設。

農林水産省の調査では2021年3月末時点で全国に4,211農園、186,378区画。広さは1,294ha(1haは、一辺が100mの正方形の広さで1万平方メートル)で、東京ドーム約276.76個分に相当する。郊外の広大な土地にあってピクニック気分で楽しめるものや、都会の私鉄電車が線路上のスペースを利用したものなどさまざま。 種まきから収穫まで専門家がサポートしてくれ、週末に家族で作業を楽しむというスタイルが多い。

ダイナミックプライシング

一定一律の固定価格ではなく、状況に応じて料金が変わる、変動価格制のこと。航空運賃やホテル料金ではお馴染みの価格設定方法だが、テーマパークでもダイナミックプライシングの採用が始まった。テーマパークでは時期や時間、平日か祝日かなどによって来場者数にばらつきがあるため、ダイナミックプライシングの採用で、混雑の緩和や繁閑差の平準化、収益性の改善につながるとの判断がある。

ドライブインシアター

商業施設の壁面や、大型の駐車場などに設置した巨大なスクリーンに映画を投影、観客は自分の車の中で、映画を鑑賞するシステム。音声は、カーステレオのFMラジオを通じて聞くことができる。国内でもかつてブームになった時期があったが、日が沈む夕方以降でないと上映できないことや、アイドリングストップの推進などの理由もあり閉鎖されていった。しかし、コロナ禍でも、他人と接触することなく映画を楽しめるなどの理由で、各国でドライブインシアターが復活。日本でもショッピングモールなどで上映されている。

どんな仕事があるの︖

アミューズメント業界の主な仕事

・接客スタッフ
施設の来場者に対応する。

・オペレーションスタッフ
施設や設備の管理、運営を行う。

・クリエーター
ゲームの場合なら、ゲームデザイナー・ゲームプランナーがソフトの企画・立案を行い、CGデザイナー・キャラクターデザイナーがグラフィックを作成、ゲームサウンドコンポーザーが音楽や効果音を作成、シナリオライターがストーリーを組み立てる。これらのスタッフを統括・管理するのがゲームプロデューサーである。

レジャー業界の主な仕事

・営業
メーカーに対して自社商品を供給するよう、提案・交渉を行うほか、消費者に向けて販売するため、プロモーションの戦略を企画し、実行する。

・広告・宣伝
自社商品を消費者やメーカー、量販店などに向けて、プロモーションするための戦略を企画する。

・営業
旅行会社の場合、法人や学校に対して社員旅行や修学旅行の企画・提案を行うものと、旅行代理店の窓口に訪れた個人客に対応するものがある。ホテルの場合は結婚披露宴などの相談に対応するカウンター営業などがある。

・接客
ホテルの場合は、フロントやベルボーイ、コンシェルジュなど、旅行業の場合はツアーコンダクターなど、テーマパークならアトラクションスタッフなどがある。

・飲料部門スタッフ
ホテルやテーマパークのレストラン、バー、ラウンジなどを運営する。

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アミューズメント・レジャー業界の企業情報

※原稿作成期間は2022年12⽉28⽇〜2023年2⽉28⽇です。

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