業界研究・職種研究徹底ガイド 業界研究

ソフトウエア・通信業界

ソフトウエア・通信業界とは

ソフトウエアとは、インターネットで検索したり、撮影した画像を加工するなど、何気なくやっている作業を、スマートフォンやパソコン内部で実際に処理するプログラムのこと。スマートフォンやパソコンなどを動かす基本のソフトであるOS(Operating System)と、表計算や画像加工など特定の作業を行うアプリケーションソフトがある。

ソフトウエア業界には、大規模なソフトウエアやシステムを開発する巨大な企業もあれば、大規模ソフトウエアの一部を受託・開発したり、少人数でスマートフォン用アプリ開発を行う企業もあるなど、その規模や業務内容はさまざまだ。なお、ゲームソフトの開発もソフトウエア業界の仕事の一つ。

通信業界には、固定通信(固定電話や光ファイバー通信など)や移動体通信(スマートフォンや携帯電話など)の巨大な通信インフラ(通信網設備)の維持・管理・運営を行う電話会社を中心に、インターネットやデータ処理などに関わるあらゆるサービスを提供している会社が存在する。

業界の仕組み

ソフトウエアの開発では、企業や政府機関などの要望に応じてオリジナルソフトやシステム開発を行う受託開発と、得意分野に特化してソフトウエア製品をパッケージ商品として開発・販売するパッケージ開発の2つがある。前者は、規模や内容に応じた金額となるが、後者はパッケージ商品として決まった金額で販売される。ゲームソフトもパッケージ商品の一つだ。

なお、無料で提供されるソフトウエアも多いが、そのビジネスモデルもさまざまで、人類共通の資産と考えて開発者があえて無料で公開する場合もあれば、寄付を募る場合もある。さらに、バナー広告やポップアップ広告による収益で運用する、機能の追加やバージョンアップ時に課金する、といったケースも多い。

通信業界各社の主な収益源は、通話料データ通信料。また、MVNO(仮想移動体サービス事業者)と呼ばれる自社で通信網を持たずに通信サービスを提供する企業に通信回線サービスを貸し出すことでも収益を上げている

業界の現状と展望

ソフトウエア業界全体では、これまでも、働き方改革や人手不足解消などの課題の解決に向けたソフトウエアの導入が進み、市場は拡大傾向にあった。さらに、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止対策としてリモートワークが広く浸透。非対面でのコミュニケーションや営業活動、顧客サポートを実現するソフトウエア需要の増加に加えて、政府のデジタル化推進策も後押しとなっている。また、ゲームソフト市場も、巣ごもり需要を受けて、これまで以上に活況となっている。

通信業界では、新規投資の抑制による、法人向けビジネス案件の中止や延期、規模の縮小といったマイナスの影響を想定している一方で、外出自粛によるテレワークやWEB会議、オンライン学習、映画やビデオ配信といったホームエンターテインメントなどによるデータ通信需要は増大。各企業によるデジタル技術の導入も見込まれるなど、プラス材料も多い。

ただし、5G通信の本格普及に向けて設備投資が急がれる中で、携帯電話料金値下げにも対応することが求められている。

どんな職種があるの︖

営業系

営業系の職種では、顧客の要望や課題を聞き出し、その要望をかなえるソフトウエアや情報システムなどを提案・販売する。セールスエンジニアやシステムエンジニアとチームで仕事をすることが多い。

セールスエンジニア

セールスエンジニアは、主に営業担当者に同行し、顧客の要望や課題などを正確に汲み取り、ソフトウエアや周辺機器の情報、ソリューションの提案を行う。営業担当者の契約獲得を側面的にサポートする。

システムエンジニア

システムエンジニアは、営業、IT、人事、会計などに関するシステムやソフトウエアを企画し、開発や導入を提案・管理する。また、顧客の要望にふさわしい最適なシステムの設計や提案も行う。

データサイエンティスト

データサイエンティストは、ビッグデータの中からクライアントのニーズに合ったデータの取得方法や利用方法などをアドバイスしたり、データの解析などを行ったりする。ビッグデータの活用に注目が集まるとともに、データサイエンティストにも注目が集まっている。

ゲームクリエイター

かつては、1人で企画立案からプログラミングやグラフィックデザインなど複数の作業を担うケースもあったが、近年はゲームの規模が大きくそうしたケースは稀だ。ゲーム制作には、グラフィックデザイナーやプログラマー、シナリオライナー、サウンドクリエイターといったさまざまな専門家のほか、全体を統括する「ディレクター」や「プロデューサー」が関わっており、こうした職種を総称して「ゲームクリエイター」と呼ぶ。

ソフトウエア・通信業界の詳細業種

※原稿作成期間は2022年12⽉28⽇〜2023年2⽉28⽇です。

業界研究・職種研究 徹底ガイド

ページTOPへ