国内の衣料品市場は約8.6兆円。ネット通販の拡大が続く
経済産業省によると、国内の衣料品市場は2019年の11兆円から、21年には8.6兆円まで縮小したと予測している。一方で、衣料品の供給量は20億点から40億点に倍増している。輸入品の急増が主因で、日本繊維輸入組合によると、21年の衣料品輸入額は、前年比2.3%増の2兆6,672億円に達する。アジアなどで製造した低価格品の増加が続いている。
また、ネット通販が伸びている。経産省の電子商取引(EC)市場調査によると、21年の衣類・服装雑貨の個人向け市場規模は、前年比9.4%増の2兆4,279億円と拡大した。EC化率も21.1%に高まり、ネット通販という販路の大きな成長を表している。
自社サイトでの直販も増加。大量廃棄も課題
ネット市場の拡大に伴い、自社サイトで直接消費者に販売する手法が増えている。中間マージンや手数料が不要となるため、低価格で販売できる。SNSなどを使い、ブランド特性を直接アピールできる点などが特徴。
一方で、アパレル業界の課題は、売れ残り商品の廃棄。経産省によると、繊維製品の廃棄量は年間9,200万トンにのぼる。対応策として、AIなどを利用した需要予測のほか、拡大を続ける海外市場の開拓を求めている。