政府出資による5機関。コロナ関連の融資が拡大
2008年の政策金融改革により、政府系金融機関は現在の5機関に再編された。商工組合中央金庫を除き、政府が100%出資する。中小企業やベンチャー企業支援、地域産業の活性化、事業再生、海外展開支援などを担う。低利の資金調達、国からの資金供給、法人税などの免除により、民間よりも低利、長期の融資で、国の金融政策を支援する立場だ。
例えば、日本政策金融公庫の新型コロナ関連融資残高は、21年3月末までに累計17兆円。日本政策投資銀行のコロナ危機対応融資残高は累計で約2兆5,000億円に達しており、個人や中小企業、小規模事業者などの支援を本格化した。
政府系金融機関をめぐっては、08年の政策金融改革で民営化方針が出されたが、同年のリーマン・ショックの発生で民営化は見送られ、現在に至っている。ただ、民間に比べて低利、長期の融資は民業圧迫との指摘もあり、民営化議論が活発化する可能性もある。