「現在」が分かる!「未来」が見える! 業界地図

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ドローン・アグリテックの業界地図

無人航空機のドローンは、規制緩和により趣味だけでなく産業用の利用拡大が見込まれる。政府の方針により国産化も進みそうだ。

※掲載企業は売上や総資産額などに加え、業界のトピックを踏まえてマイナビ編集部が選定した一部の企業となります。また掲載内容に関する基準はこちらよりご確認ください。

ドローン機体メーカー

デンソー

独自開発のドローンによる橋梁点検サービスを提供

三菱重工業

空中、水中を組み合わせた無人機監視システムを開発

SUBARU

無人航空機のほか、衝突回避可能なドローンを開発

ヤマハ発動機

農業用、産業用の無人ヘリコプター、ドローンを製造

川崎重工業

ドローンとロボットによる無人配送システムを開発

双葉電子工業

監視、放送、運搬用などの産業用ドローンを製造

東京航空計器

産業用ドローンのほか、制御システムなどを提供

ACSL

ドローン専業で、屋内自動飛行技術に注力

アミューズワンセルフ

測量機、ドローンなどを企画、設計、製造

イームズロボティクス

産業用ドローンのほか、自律機器を製造

石川エナジーリサーチ

産業用ドローンの量産体制を確立

AileLinX

測量・点検用ドローン、無人ヘリコプターなどを製造

エアロセンス

ドローン機体開発のほか、データ解析も展開

エアロジーラボ

長時間飛行が可能な産業用ドローンを開発

エアロネクスト

重心制御技術でドローンの用途開発を進める

NTT e-Drone Technology

産業用、農業用ドローンの機体を開発

クエストコーポレーション

産業用ドローンのほか、ラジコン模型も製造

ジーフォース

ラジコン用モーター開発からドローン製造に展開

TEAD

ドローン製造のほか、業務請負などサービスも展開

TKKワークス

ドローン、無人ヘリコプター、操縦装置などを製造

テラドローン

商業用ドローン開発のほか、測量などサービスも展開

DroneWorkSystem

農業、林業、空撮、救助用ドローンを製造

Full Depth

インフラ点検など産業用の水中ドローンを開発

ドローンサービス

日立製作所

ドローンの機体選定、保守などのサービスを提供

日本電気

ドローン飛行の運航管理システムなどを開発

楽天グループ

ドローンによる配送サービス、損害保険も提供

セコム

自律型の飛行監視ドローンサービスを開始

ANAホールディングス

離島、山間部へのドローン物資輸送で実証試験

古河電池

ドローン向けのリチウムイオン電池を製造

オングリットホールディングス

インフラ構造物の調査にロボットやドローンを活用

CLUE

ドローンによる屋外点検用ソフトウエアを開発

KDDIスマートドローン

ドローンとモバイル通信を融合したサービスを展開

アグリテック

パナソニックホールディングス

トマトの自動収穫ロボットを開発

クボタ

各種の自動運転農機を開発。農業支援システムも提供

三井不動産

ららぽーと柏の葉に小型植物工場「みらい畑」を設置

井関農機

ロボット田植機、トラクターなどを開発

三菱マヒンドラ農機

ICTを活用したMIT (営農支援)サービスを提供

オプティム

AI、IoTなどにより農業の省力化、高収益化を支援

東光鉄工

農業用、防災用ドローンを製造

ヤンマーヘリ&アグリ

無人ヘリコプターによる防除、種まきなどを展開

AGRIST

ピーマンの自動収穫ロボットなどを開発

inaho

自動野菜収穫ロボットを中心とした生産者向けサービス

DONKEY

農作業向けの小型多機能ロボットを開発

ナイルワークス

農業用ドローン開発などで農業DXを推進

ルートレック・ネットワークス

AIによる潅水・施肥ロボットを開発

レグミン

自律走行型の農薬散布ロボットを開発

ドローン・アグリテック業界の「現在」と「未来」

国内市場は約1,800億円。国交省がレベル4を解禁

ドローンの利用には航空法が適用され、定義された飛行レベルが1から4まである。レベル1は、目視内で操縦飛行するもので、農薬散布や映像撮影などで使われている。レベル2は自動・自律飛行による目視内飛行で、空中写真測量、太陽光パネルの点検などの利用例がある。レベル3は無人地帯での目視外飛行で、離島や山間部への物資や荷物配送などで一部実用化している。レベル4は有人地帯でも目視外飛行できるもので、都市部での配送、災害支援の拡大などが想定されている。

ドローン市場は、機体メーカー、ドローンを使用したサービス提供、管理や保険、機体整備などを行う周辺サービスで構成される。民間調査機関によると、ドローンの世界市場は2018年の約1兆6,000億円から、25年には2兆9,000億円、国内市場は2020年度の1,800億円から、25年度には約6,500億円に成長すると予測している。国内では機体よりも、サービス市場が大きいという。

国内市場の拡大を見込むのは、国による規制緩和だ。国土交通省は22年12月、航空法改正を受けて、強度や構造、性能などの機体の認証、知識や技能などを証明する操縦者技能証明の取得を前提として、レベル4を解禁。無人配送などの物流、インフラ設備の維持管理、測量だけでなく、自動巡回による警備、立ち入り困難な場所での災害対応、医療分野など新規サービスの拡大が期待されている。

機体の国産化が進む。標準機体開発で低コスト化

一方で、機体の国産化が急速に進みそうだ。ドローンの機体は、国を挙げて開発してきた中国製が世界市場の8割程度を占めている。しかし、日本政府が20年9月、情報漏えいなどのセキュリティ対策が担保されたドローンの政府調達を行う方針を表明したことにより国産の機体供給への期待が高まった。

国もドローンの国産化を支援している。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2020 ~ 21年度の2年間、政府調達を想定した小型の空撮ドローンを民間企業と共同で開発し、21年12月から販売を開始した。このプロジェクトには機体や主要部品の標準化、設計・開発、さらに量産体制への支援も含まれており、標準技術を利用することで、中国製などと比べコスト高とされる国産ドローンの低コスト化も図る考えだ。こうした国の方針もあって、すでに大手企業やベンチャー企業などが続々と参入し始めている。機体の技術開発や新しいドローンサービスが今後拡大していきそうだ。

農業のドローン利用が進む。アグリテックで新規就農を支援

国内のドローン利用は、農業分野が比較的早かった。農薬や肥料散布への自動化のためで、従来の無人ヘリコプターに比べて小型で安価なドローンが使用されている。現在では農薬散布だけでなく、肥料や種まき、苗木の運搬、農作物の育成状況のデータ収集、害獣対策などに用途を拡大している。

ドローン利用だけでなく、人手不足や高齢化に直面する農業ではIT技術の導入が進められている。アグリテックと呼ばれるもので、ロボットやビッグデータ、AIなどのICT技術の活用が進んでいる。

農林水産省は「スマート農業」プロジェクトとして19年度から全国205地区で実証事業を展開。自動走行トラクターや田植機、自動収穫機などの導入に加え、人工衛星で撮影した農場の画像解析、生育状況の診断など、これまで経験や勘に頼っていた作業を可視化。重量物の運搬などでは、農業用ロボットスーツも実用化された。アグリテックにより、農業への参入ハードルが下がり、新規就農者の拡大が期待されている。

※掲載内容の基準について

  • 掲載企業は売上高や総資産額などに加え、業界のトピックを踏まえてマイナビ編集部が選定した一部の企業となります。業界の分類は、マイナビ2025の業種分類に沿っています。各社の直近の決算に基づき、該当する分野の主に売上高の大きい順に企業を掲載しています(矢印などで示す関係企業や売上非公開の企業については順不同)。

    売上高については、2022年10月期までの連結決算を原則とした、直近の決算期の数字を使用しています。また、非上場企業の場合は、決算公告や自社のホームページなどで公表している直近の売上高を採用。売上高を公表していない企業については「非公開」としています。

    出資関係は、上場会社については提出が義務付けられている直近の「有価証券報告書」に沿っています。非上場企業はこれまでに業界団体や企業から公表されている文書などの数字を基にしています。「有価証券報告書」とは、企業の事業内容や、従業員、設備、財務諸表、子会社や関連会社、株主など多くの情報が掲載されており、金融庁のサイト「EDINET」で企業ごとに検索できます。

    原稿作成期間は2022年7月1日から10月31日です。

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