医療費は2年ぶりに増加。医療・病床不足が表面化
厚生労働省によると、2021年度の医療費は、前年度比4.6%増の44兆2,077億円(概算)と、2年ぶりに増えた。コロナ禍による通院回避の傾向が緩和したのが要因と見られる。
ただ、医療や病床不足も指摘された。日本の人口1,000人当たりの病床数は世界一とされるが、急性期病床のコロナ患者受け入れが不十分なほか、小規模医療機関が多いことなどが要因とされている。大規模と中小病院との連携や役割分担などの整備が必要といえる。
調剤医療費は約7.7兆円。求められる「かかりつけ薬局」
21年度の医療費のうち、調剤医療費は同2.7%増の7兆7,515億円だ。調剤併設型のドラッグストアが増え、薬局間の競争が激化している。しかし、調剤報酬の引き下げ傾向に加え、21年の医薬品医療機器法改正によりオンライン服薬指導が全面解禁となるなど、薬局の在り方が変化しそうだ。具体的には、厚労省が指摘するように、薬剤師が個別に服薬指導するほか、在宅医療にも対応するなど、かかりつけ薬局化が求められている。