「現在」が分かる!「未来」が見える! 業界地図

ピックアップ業界

次世代自動車の業界地図

温室効果ガスを排出しない次世代自動車の普及が世界的に進みそうだ。各国政府とも長期目標を掲げ、競争が激化している。

※掲載企業は売上や総資産額などに加え、業界のトピックを踏まえてマイナビ編集部が選定した一部の企業となります。また掲載内容に関する基準はこちらよりご確認ください。

ハイブリッド車(HV)・プラグインハイブリッド車(PHV・PHEV)・電気自動車(EV)

トヨタ自動車

HV車の先駆け。2030年までにEV30車種投入

50.2%出資

37%出資

24.9%出資

24.8%出資

20%出資

EV・スポーツ車など共同開発・技術協力

日産自動車

国産EVの先駆け。2030年度までにEV15車種投入

50%出資

15%出資

15%出資

スズキ

HVを国内外で販売。軽自動車のEVを開発

SUBARU

水平対向エンジン型HVを販売。トヨタとEVを開発

100%出資

100%出資

20%出資

EV・スポーツ車など共同開発・技術協力

いすゞ自動車

トラックのディーゼルHV投入。EVトラックも開発

日野自動車

大型HVトラックを販売。小型EVトラックも投入

TESLA(アメリカ)

EVを量産し、販売台数90万台を突破

車載用電気モーター

デンソー

発電機能を併せたモーターをHV、EVに供給

三菱電機

電磁石+永久磁石の高効率車載用電気モーターを開発

住友電気工業

超電導技術を応用した車載用電気モーターを開発

東芝

フォード(アメリカ)向けにHV用モーターを供給

日本電産

インバーター、減速機一体型のEV用モーター開発

帝人

豪州Applied EV社と高効率の低速EVを開発

燃料電池自動車(FCV)

トヨタ自動車

FCV「MIRAI」、FCバス「SORA」を販売

本田技研工業

初代FCVは販売終了。次期モデルは2023年投入予定

日産自動車

発電効率の高い燃料電池を使用したFCVを開発中

BMW Group(ドイツ)

「iX5 Hydrogen」の小規模生産を開始

現代自動車(韓国)

FCV「NEXO」を販売。航続距離は820km

車載用燃料電池・水素供給

ENEOSホールディングス

水素製造出荷センターで水素を製造・供給

パナソニックホールディングス

車載用で大出力の燃料電池評価装置を開発

デンソー

車載用の燃料電池向けパワー半導体などを開発

旭化成

水を電気分解して水素を製造するシステムを開発

東レ

炭素繊維で強化した水素タンクなどを製造

東京ガス

FCVを導入したほか、首都圏で水素ステーション整備

川崎重工業

豪州の褐炭で水素製造し、液化して国際流通を目指す

レゾナック・ホールディングス

アンモニアから水素を製造するシステムを開発

日本酸素ホールディングス

パッケージ型の水素ステーションを開発

岩谷産業

液体水素、圧縮水素を製造。水素ステーションも展開

自動運転

ウーブン・バイ・トヨタ

自動運転技術のソフトウエア開発を手掛ける

MONET Technologies

トヨタとソフトバンクの共同出資により設立

先進モビリティ

東大発ベンチャーで、無人運転バスなどを開発

ZMP

レベル4以上の自動運転技術、ロボットを開発

関連会社

合弁

関連会社

合弁

ティアフォー

自動運転OS(基本ソフト)、センサーなどを開発

BOLDLY

自律運転の走行バス、EVなどを開発

空飛ぶクルマ

デンソー

電動の垂直離着陸機向けに電動モーターを開発

日本電気

空飛ぶクルマの交通整理など通信基盤を開発

SUBARU

無人飛行機技術を生かした垂直離着陸技術を開発

A.L.I.Technologies

空中用移動バイク、産業用ドローンを開発

Sky Drive

陸空両用の垂直離着陸機などを開発

テトラ・アビエーション

1人乗りの空飛ぶクルマなどを開発

テラドローン

無人運航管理システムで実証実験を行う

PRODRONE

1人乗りの空飛ぶ救急車、2人乗りのドローンを開発

次世代自動車業界の「現在」と「未来」

EV、PHVは世界で660万台。各国とも電動化目標を掲げる

次世代自動車は、電気モーターとガソリンエンジンで走るハイブリッド車(HV)、家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)、電気モーターだけで走る電気自動車(EV)、水素と酸素の反応でエネルギーを得る燃料電池車(FCV)などを指す。このうち、HVは日本メーカーが先行し、2021年には世界で300万台以上の市場となっているが、温室効果ガスの一因となるガソリンエンジンも駆動源とするため、今後の主流は電気駆動性能を高めたPHV、EV、FCVだ。

各国とも脱ガソリン車政策を進める。欧州は35年までに新車販売の全てをEV、FCVに規制。アメリカは30年までに新車の半数をEV、FCVに、中国も30年のEV化率を40%とする計画。日本も35年までに電動車を100%とする目標だ。IEA(国際エネルギー機関)によると、21年のEVとPHVの世界販売台数は、前年比2.2倍の660万台で、30年には新車販売の35%、累計で2億5,000万台に達すると予測する。中でも、中国のEV販売は急速に伸びており、21年で291万台と世界で最も多く、輸出にも力を入れている。日本や欧米メーカーも開発に躍起で、今後も市場競争が激化していく。

一方のFCVは、EVと比べて航続距離が長く、水素の充填時間が短いなどの特長を持つ。現状では価格が高いことから普及度はEVに比べて遅いが、量産化が進めばコスト低下が進むとみられる。

EV、FCVに共通する課題は、充電、水素供給の体制整備だ。IEAによると、21年の充電設備は世界で180万カ所。このうち中国が65%を占め、最も多い。PHVは家庭の充電設備の普及と、急速充電設備の整備が待たれる。一方の水素ステーションも設置が増え、次世代自動車振興センターによると、日本は163カ所で最も多い。経済産業省は30年までに900カ所の整備を計画しており、EVとともに、FCVの拡大も目指す。

自動運転はレベル3に。IT企業も開発に乗り出す

次世代自動車のもう一つの重要技術が自動運転だ。自動運転の水準はレベル1から5までに分かれる。レベル1は前走車追従などの運転支援、レベル2は加減速とハンドル操作を支援する部分自動運転、レベル3は緊急時にドライバーの補助が必要な条件付き自動運転だ。日本では20年からレベル3の公道走行が解禁されており、すでに商用車の販売も行われている。

さらにレベル4は、専用道路や一定の敷地内などで運転者なしで運行できるもので、すでに国内外で実証実験が始まっている。レベル5はこれらの条件なしで、無人運転できるレベルだが、法規制の整備や安全性の担保などの課題が多く、実現時期は見通せていない。

ただ、自動運転はセンサーやAI、運転ソフトなどIT関連の技術が不可欠なため、自動車メーカーだけでなく、広い分野の企業が開発に乗り出しており、企業間で連携する動きも活発化している。

「空飛ぶクルマ」の開発が進む。ドローンへの応用を期待

旧来の夢の実現として期待されるのが「空飛ぶクルマ」だ。ドローンを発展させて、無人で遠隔・自動制御するもので、タイヤを付けて陸上でも走るタイプも開発されている。こちらもレベル1から4まであり、1は目視で遠隔操縦、2は目視で自動・自律飛行、3は無人地帯で目視によらない自動飛行、4は有人地帯での自動飛行となっており、中には複数の人を乗せて飛行する計画もある。レベル4を実現するには航空法の規制、落下防止、空中の安全確保、離着陸場の確保などハードルは高い。日本を含めてベンチャー企業などが開発を進めているが、当面は開発過程で生まれた飛行制御技術をドローンなどに応用することが期待されている。

※掲載内容の基準について

  • 掲載企業は売上高や総資産額などに加え、業界のトピックを踏まえてマイナビ編集部が選定した一部の企業となります。業界の分類は、マイナビ2025の業種分類に沿っています。各社の直近の決算に基づき、該当する分野の主に売上高の大きい順に企業を掲載しています(矢印などで示す関係企業や売上非公開の企業については順不同)。

    売上高については、2022年10月期までの連結決算を原則とした、直近の決算期の数字を使用しています。また、非上場企業の場合は、決算公告や自社のホームページなどで公表している直近の売上高を採用。売上高を公表していない企業については「非公開」としています。

    出資関係は、上場会社については提出が義務付けられている直近の「有価証券報告書」に沿っています。非上場企業はこれまでに業界団体や企業から公表されている文書などの数字を基にしています。「有価証券報告書」とは、企業の事業内容や、従業員、設備、財務諸表、子会社や関連会社、株主など多くの情報が掲載されており、金融庁のサイト「EDINET」で企業ごとに検索できます。

    原稿作成期間は2022年7月1日から10月31日です。

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