売上金額は約3.7兆円。各社とも輸出に注力
セメントは石灰石を主原料として焼成して製造する。総務省・経済産業省の2020年経済構造実態調査によると、セメント・同製品製造業の売上金額は、前年比1.7%減の3兆7,963億円だった。セメント協会によると、2021年度の生産量は前年度比0.6%減の5,574万トン。内需が同2%減の3,788万トンに対し、輸出は同3.3%増の1,148万トンと3年連続で伸びた。同協会は22年度の内需は前年度並みを見込んでいるが、大幅な回復は難しいため、各社とも輸出に注力している。
原料の半分は廃棄物を利用。二酸化炭素の排出削減も進む
セメント産業は原料を約1,450℃の高温で焼成するため、原料や熱エネルギー源として汚泥や建設発生土、廃プラスチックなどを利用。セメント1トンを製造するのに、473キログラムと半分近い量の廃棄物を活用する。
一方、石灰石を燃焼すればCO₂(二酸化炭素)が排出されるため、CO₂をコンクリートに固定化して舗装材などに利用する技術が実用化されている。このほか、製造プロセスでのCO₂回収や、回収したCO₂を炭酸塩としてセメント原料とする技術開発も進んでいる。