医薬品商社は再編が進む。海外市場の開拓にも積極的
業界再編が進んだのが、医薬品商社だ。商品による差別化が難しく、国による薬価引き下げなどもあり収益が悪化。規模拡大を狙った買収が相次いだ。日本医薬品卸売業連合会によると、同連合会の会員(本社ベース)は1978年に615社だったが、2022年には70社に減少した。医薬品卸は新型コロナウイルスワクチンの供給で重要な役割を果たしたが、それでも競争は激しく、調剤薬局の展開や再生医療などの新規分野に進出する動きもある。
鉄鋼商社は、鉄鋼をコイル状に巻いて納入先のニーズに応じて加工するコイルセンターを持ち、非鉄金属商社は、金属地金と加工商品を扱うが、大手は鉄鋼と非鉄金属の両方を扱うケースが多い。機械商社の品目は工作機械や測定機器など。いずれの業態も内需の先行き停滞を見越し、海外市場開拓に積極的だ。
一方、半導体商社は輸入品の割合が約半分を占めるが、単価下落などにより、半導体とソフトウエアを組み合わせたシステム販売や電気・電子機器メーカーの生産受託、産業用ロボット販売などの多角化を進めている。