専門店(専門店)業界の「現在」と「未来」
家電量販店の販売は2年ぶりに減る。衣料品はニーズが多様化
経済産業省の商業動態統計によると、2021年の家電大型専門店(量販店)の販売額は、前年比2.2%減の4兆6,866億円と、2年ぶりに減少した。内訳は、冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどの生活家電が同3.4%減の2兆192億円、パソコン・同周辺機器などの情報家電が同5.3%減の1兆528億円、テレビなどのAV機器が同6.9%減の6,680億円。前年のコロナ禍による特需の反動だ。中長期的な人口減による市場停滞などに備え、住宅やリフォームといった新事業への多角化を進める。
一方、経産省の商業動態統計によると、21年の織物・衣服・身の回り品小売業の販売高は、同0.3%減の8兆6,100億円と、4年連続で減少した。特に衣料品は消費者ニーズの多様化により、中古品やレンタル、サブスクリプションなど市場多様化への対応が求められる。
EC市場の好調が続く。多角化、海外展開が課題
家電量販店、衣料品ともネット通販の拡大が続いている。経産省の電子商取引(EC)市場調査によると、21年の生活家電、AV機器、パソコン・周辺機器の市場規模は、同4.7%増の2兆4,584億円と増えた。量販店は電子棚札によりECサイトと店頭価格をリアルタイムで連動させ、価格差をなくす手法を取り入れてネット誘客を図る。EC化率は38.1%と高い。衣類・服装雑貨の市場も同9.4%増の2兆4,279億円。サイズや色調などが多様でEC化率は9.4%と低いが、店舗販売減を補おうと、自社通販サイトを強化する動きが相次いでいる。
家具、インテリアもネット販売が好調。ECとの相性が良い
家具、インテリアや眼鏡、カー用品も大手によるチェーン店化が進んだ。中でも生活雑貨、家具、インテリアの21年のEC市場は、前年比6.7%増の2兆2,752億円と好調が続く。同じ商品でもサイズや色違いの商品を掲載でき、部屋のコーディネートも紹介できるなど、サイトの特性を生かしやすいと経産省では分析している。