グッドデザイン賞

先輩たちの就活体験記

挑戦したい気持ちを尊重してくれる環境をじっくり選びました

2022年入社

オムロン株式会社 グローバル人財総務本部 グローバルE&S統括部

中西 智哉さん

  • 頚髄損傷
中西さんの写真
就活データのアイコン 就活データ
  • 説明会参加:約50社
  • エントリー:約4社
  • 面接:3社
面接で実際に聞かれた質問のアイコン 面接で実際に聞かれた質問
  • 志望動機
  • 入社後やりたいこと
  • 集団内での立ち位置
  • どんな企業で働きたいか
  • どの事業所で働きたいか
  • 障がいの状況、どのような支援が必要か

どのような就職活動をされましたか?

大学3年生の9月頃から、大学が提供する説明会と障がい学生支援室のワークショップを通してさまざまな情報を収集し、そこで紹介された就活エージェントのサポートを受けながら企業研究を進めていました。
当時の私は業界の特徴を何も知らなかったので、金融、商社、メーカー、小売など、気になる業界すべての会社説明会に参加しました。業界を牽引するトップクラスの企業を中心にいろいろ見て回る中で、どんな企業にもたくさんの部署があり、部署によって全く異なる役割を持っているということがよくわかりました。また、商品やサービスが完成するまでのプロセスなど、初めて知ることも多く非常に有意義な経験となりました。

中西さんの写真

私が苦労をしたのは、自分が何をしたいのか、何ができるのかを考え、やりたい仕事の方向性を定めることです。自己分析を進める中で、高校時代に器械体操部でキャプテンだった経験を活かして、人の指導や育成に関わり、人が気持ちよく動ける環境づくりをサポートするような人事系の仕事が向いているのではないかと思うようになりました。そこからは、より前向きに就職活動を進められるようになったので、就職活動においては方向性を明確に定めることが一番大切なポイントだと思います。
最後まで迷っていたのが、一般企業と特例子会社、どちらで働くかということです。私は身体に障がいがあり、日常生活での制約もあるので、一般企業への就職には不安がありました。その点、特例子会社は障がい者の働く環境が整っていて、人事や総務などの業務を担っていることが多く、私の希望とも合っていました。選考に進んだ会社もありましたが、体力のある若いうちに挑戦したいという思いがあり、当社のリクルーティングセンターの担当者から「一般企業も受けてみた方がいいよ」とアドバイスをもらったことにも背中を押され、一般企業に就職することを決めました。

今の会社を選んだ理由を教えてください。

大学3年生のとき、アメリカの障がい者支援NPO団体にインターンシップを兼ねて留学しました。そこでは障がいがある学生の支援を行っていたのですが、障がい者が自立した生活を送るには、公共交通機関をはじめとするインフラの整備が必要であることを痛感しました。
その後、企業研究を進める中で、当社が最新のAI・ロボット技術を融合させて視覚障がい者の移動とコミュニケーションをサポートするソリューション(AIスーツケース)の開発に取り組むなど、高い技術力を生かして障がい者の自立生活をサポートする事業を行っていることを知り、ここで働きたいと思うようになりました。また、海外でも広く事業を展開していて、海外で働くという夢を叶えるチャンスがあることも決め手の一つになりました。
障がい者へのサポートなど、働く環境に関しては採用サイト上にさまざまな情報が掲載されていましたし、会社説明会でもしっかりと説明を受けたので、選考に際して疑問はありませんでした。ですから、先輩方と話をするときも、残業時間や休日の過ごし方などを聞いてワークライフバランスが整っているかを想像し、面接でもこれまでどんな人と出会い、どんな思いで働いてきたのかを面接官に聞いていました。当社の面接は全部で3回ありましたが、面接官の人柄もあってとても楽しく、毎回笑顔で退室していたように思います。

今はどのようなお仕事をされていますか。

グローバル人財総務本部という、オムロングループで働くすべての社員が高い成果を上げ、達成感と成長を実感することができる制度づくり・環境づくりを担う部署の中に、私が所属するグローバルE&S統括部があります。当部では世界の全拠点と連携し、児童労働や強制労働が起きていないかなど、人権リスクを回避するためのさまざまな施策を企画・実行しています。
入社して最初に任された仕事は、人権啓発コンテンツという社内教育用の資料制作でした。人権に関する課題や契約先に潜むリスク、ルールに基づく確認や改善の方法などをわかりやすくまとめたもので、日本語版・英語版を作成しました。人権についてはほとんど知識がなく初めて知ることばかりで、最初は情報の取捨選択や見せ方にも迷うことが続きましたが、部署のメンバーから毎日のように意見をもらい、何度も練り直しながら制作を進めていきました。苦労はしましたが、目に見える成果物を残せたことがとてもうれしく、マネージャーや他部署の先輩からも良い評価をいただくことができました。

今は、先輩の業務をサポートする形で、国内全事業所の固定費の計算をしています。数字から事業の流れを把握することができる興味深い業務で、理解をより深めたいという思いもあり、簿記の勉強も始めています。まだまだ一人でできることは少ないのですが、焦らず慌てず、じっくり学び、先輩の業務を一つでも多く引き継いでいきたいと思っています。

中西さんの写真

会社にはどのようなサポート体制がありますか。

学生の頃から一人暮らしをしていた私が一番気になったのが、住まいについてです。当社には借り上げ社宅制度があり、車椅子で入れる広さやバリアフリー設計など、私の条件に合わせて選んだマンションを会社が契約するという形をとってもらいました。もちろん費用面でのサポートも大きく、とても助かっています。通勤は地下鉄を利用していますが、公共交通機関の利用が難しい場合は車通勤も可能です。在宅勤務を選ぶこともでき、私は週3日ほど在宅で業務にあたっています。あとはトラックボール式のマウスなど、必要な備品も経費で購入することができました。
事務所内はバリアフリーで、2022年に行われたリニューアルに際しては、障がいのあるメンバーがプロジェクトに入り、車椅子に乗っていても備品が取りやすいように棚の高さを低く調整したり、昇降式デスクを増やすなど、さまざまな工夫が施されました。電動車椅子を使用しているので広さにゆとりが欲しいという私の意見も取り入れてもらえました。
エレベーターホールや廊下など、人にぶつかりそうな見通しの悪いところにカーブミラーがついているのも便利ですし、社員食堂には車椅子の優先座席があり、配膳してもらえるのも助かっています。とにかく私たちが気付かないような細かいところまで配慮が行き届いているので、オフィスにいて不便だと感じることはないですね。
産業医との面談も定期的にあり、不安なことがあれば気軽に伝えることができます。私自身も職場のトイレについて不安があったので、先生に相談し具体的なアドバイスをもらいました。上肢・下肢障がい、聴覚障がい、視覚障がい、内部障がいと、障がいの種類はさまざまですが、ソフト面からハード面まで、それぞれの状況に応じた支援があるので、誰にとっても働きやすい環境だと思います。

後輩たちへのメッセージ

中西さんの写真

就職活動をする際には、内定をもらった後にその恩を返すつもりで、周りの人や制度を全力で頼っていきましょう。また、自己分析をすると思いますが、自分がこれまでしてきたことを振り返り、今できることを明確にすれば、これからやりたいことも自ずと見えてくるはずです。そこまで来れば、すべての情報や経験が自分の身になっていく感覚になり、就職活動にもより前向きに取り組めるようになると思います。
私はまだまだいろいろな挑戦がしたくて当社で頑張ると決めましたが、生きがいや考えは人それぞれです。自分なりの基準でさまざまな業種・企業を見て、ただし決して無理はせず、会社選びを進めてください。

就活準備

選考対策

ページトップへ

Copyright © Mynavi Corporation