グッドデザイン賞

先輩たちの就活体験記

就職活動の後半で進路変更
経験は判断材料、無駄なことは何もない

2019年入社

東芝デバイス&ストレージ株式会社
IT推進部 次世代ITプラットフォーム推進担当 

大久保 和也さん

  • 脳性麻痺
大久保さんの写真
就活データのアイコン 就活データ
  • 説明会参加:約20社
  • エントリー:約20社
  • 面接:約10社
面接で実際に聞かれた質問のアイコン 面接で実際に聞かれた質問
  • 自己紹介、自身の長所
  • 学生時代に力を入れたこと
  • 志望動機、どのような形で会社に貢献できるか
    ※ 障がいに関する質問は少なめ

どのような就職活動をされましたか?

元々ゲームが好きだったこともあり、将来はゲーム業界に就職したいと考えていました。大学ではメディア学部に所属し、ゲームやITを学び、授業以外でもゲーム制作に打ち込んできました。授業ではプランナー(企画)、プログラミング、デザインなど、さまざまな役割で参加しましたが、「100 個以上のアイデアから企画を提案して通るものは1つあるかないかの世界」という教授の言葉通り、学生時代からゲームビジネスの厳しさを垣間見てきたように思います。

就職活動に際しても、ゲーム業界の情報は、教授らを通して絶えず入っていたので、学生生活の中で常に業界研究ができる環境にありました。就職に有利になるものを少しでも多くつかみたくて、大学2年次からゲーム業界のインターンシップや勉強会にも積極的に参加しました。そして、3月のエントリー解禁と同時に、ゲーム業界一本で就職活動を開始。けれども、選考が進むにつれて、自分の価値観とゲーム業界の価値観との違いを感じるようになりました。「果たして今のゲーム業界は自分に適しているのだろうか」「自分のやりたいことをやり通せるだろうか」。それでも、せっかくここまで頑張ってきたのだから、新卒で就職するのが将来のためと思い、しばらくはそのまま就職活動を継続しました。

しかし、その後も価値観の違いが払拭されることはなく、結局、就職活動を振り出しに戻す決意をしました。「好きなことと企業に就職することはイコールでは結べない」という話を聞いたことがありますが、自分もそうだったのだと思います。今思えば、個人制作を経験していたことで、会社以外でもゲームに関わることができると確認できていたことが功を奏しました。それまで、ゲーム業界だけを見て就職活動をしてきましたが、改めて就職活動そのものを見直すことにし、4年生の夏に障がい学生向けの企業合同説明会に初めて参加。そこで出会ったのが、東芝です。  

大久保さんの写真

元来、自分のことは自分で決めたいと考えているので、誰かに相談するという考えは無かったのですが、大学がマッチングしてくれたキャリアアドバイザーとは定期的に面談をしていました。事前に相談するというよりは事後の報告がほとんどで、進路の選択に助言をもらうことはありませんでしたが、アドバイザーの方に話をすることで気持ちはずいぶん楽になりました。東芝に決めたことを報告すると「よかった」と言っていただき、やってきたことは間違いではなかったと思える就職活動になりました。

今の会社を選んだ理由を教えてください。

東芝とは、合同説明会の会場でタイミングよく1対1で話すことができ、出展企業の中でも障がい者雇用に対する意欲の高さを感じました。その合同説明会の場で1次面接をすることになり、2次、3次と順調に選考が進んでいきました。その過程で、社員のみなさんがとても親身に接してくださり、障がい者に対しても分け隔てなく接する人の良さに引かれたのが理由の一つです。
もう一つの理由は、労働条件です。私は内定受諾の主な条件として、休暇が取れる、残業が強制されない、業務時間外は自分のために使えることなどを挙げていましたが、東芝は概ね自分の考える条件を満たしていました。

実は内定後も他の企業と迷っていましたが、東芝の内定者が集まる会に出席してみると、雰囲気も良かったので、この会社で働こうと決めました。ゲーム業界以外でエントリーした企業は、東芝のみ。大学4年生の夏になって、あえて就職活動の方向性を変えるというリスクを取ってチャレンジした甲斐がありました。

今はどのようなお仕事をされていますか。

半導体およびストレージ製品の事業拠点で、主に社内向けのRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を担当しています。具体的には、社内のさまざまな業務をRPAによって自動化することで、生産性の向上などを実現しています。仕事のイメージとしては、SEが近いかもしれません。

RPAは業務改善の一環です。目的である業務改善を提案する中で、手段としてRPAが適切かを考えたり、逆に現場からいただく要望に対して、RPA化が適切かを判断したりしています。それまで人が行っていた作業を自動化することで、より付加価値の高い業務に注力してもらうことができるのです。

RPAを担当すると、社内の幅広い業務にかかわることになります。また、製品である半導体特有の知識もある程度必要になります。そのため、会社を広く知ることができ、非常に良いポジションに就くことができていると感じています。実際に業務改善が達成され、「ありがとう」の言葉を直接聞けるのがやりがいですね。

大久保さんの写真

会社にはどのようなサポート体制がありますか。

「東芝グループ行動基準」の一環として、人権を大切にする風土があると感じます。私の周囲にも外国人や女性社員が多く、多様性が根付いています。障がいの有無にかかわらずお互いへの理解・尊重があるので、働きづらさを感じたことはありません。物理的な面で言えば、移動距離の長さや段差への対応について配属前に何度も確認があり、私はそれほど気にしなくていいと答えていましたが、配慮がなされているのかもしれません。

働き方改革も進んでいて、コロナ禍でのリモートワークへの移行も速やかでした。私の所属部署では、フルリモートの在宅勤務も可能となっています。コロナ禍前は満員電車に1時間以上乗って通勤していましたが、それがなくなったことはありがたいです。余計なことに気を取られず、業務に集中することができ、自分らしくのびのびと働ける環境だと思います。

後輩たちへのメッセージ

大久保さんの写真

動かない後悔よりも、結果はともかく自ら踏み出す一歩のほうが、はるかに有意義です。私は直感で即決するよりも、選択肢ごとに未来の状態を想定し、吟味したうえで決断することが多いです。それでも迷うことがあれば、経験に基づく直感はあっていいと思います。さまざまな経験をしたほうが、判断材料が増えます。そういった意味でも「自ら踏み出す一歩」は大切です。
人生は長いのだから、今始めても遅くはありません。障がいはアイデンティティ。障がいを背負っていても、だからこその特別な視点を持つことができる。要はとらえ方次第です。

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