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就活生のための障がい者雇用まるわかり講座②

就活生のための障がい者雇用まるわかり講座。第2回の今回は「自分の障がいマニュアルをつくろう」です。
講師は第1回と同じプラスハンディキャップの代表理事 佐々木 一成さんです。 障がいマニュアルについてしっかり理解しましょう。

自分の障がいマニュアルをつくろう

みなさん、こんにちは。就活生のための障がい者雇用まるわかり講座。第2回の今回は自分の障がいマニュアルをつくろうというものになります。 講師は第1回と一緒でプラスハンディキャップの代表理事 佐々木 一成がお送りします。 それではさっそく内容に入りましょう。
障がいを抱えている学生のみなさんが、就職活動を進めていく上で、まず就活を始める前にやっておくべきことがあります。 一般的な就職活動でいうと自己分析といわれてるものに当たるんですが、まず自分の障がいを振り返ること、これをぜひ、やっていただきたいなと思います。
自分自身の障がいを振り返ってみて、例えば他者に説明するときにどのような説明をするか、自分自身の日常でどういう困り事が発生するか、それに対してどういう配慮が必要かどうか。そういったことを過去を思い出しながら、自分自身の障がいというものを、ぜひ、振り返っていただきたいなと思います。そのうえで自分の障がいを説明できる準備をしておいて欲しい、それがまず就活前にみなさんやっていただきたいことになります。その理由として、障がい者雇用を進めていく上で企業側が知りたいことというものが二つあります。
一つ目はどのような障がいを持った人なのかどうか、二つ目がどのような配慮が必要なのかどうか。これを企業側は障がい者雇用という枠の中では知りたい情報になります。ですので、学生のみなさんはこれが説明できるように自分自身の障がいがどのようなものでどのような配慮が必要なのかということを伝えられるように、ぜひ、就職活動の前に準備をしていただきたいなと思います。ただ、なかなか自分自身の障がいを振り返ろう、どういうような配慮があるか考えようと思ってもなかなか時間を取ることが難しいと思うので、ぜひ今回この時間を使って、自分の障がいマニュアルというものを一緒につくっていくことができればと考えています。
画面のわきにワークシートをダウンロードできるリンクがあるので、ぜひ、そこからダウンロードしていただきたいなと思います。そこには障がいマニュアルということで四つの問いかけを用意しています。

ではさっそく一問目。 自分の障がいについて説明できるようにしようという所からスタートしたいと思います。
まず、この枠の中を埋めていくに当たって一番最初にやってほしいことがみなさんの持っている障がい者手帳であったり、診断書といったものにどのようにみなさんの障がいの名前が記載されているかということをまず書いていただきたいなと思います。 実は、私自身も右足に義足を履いていて左足に装具を履いていて、そして右手の中指がないというような身体障がい者です。私自身を例に出せば手帳に記載されている項目でいうと先天性疾患による両下肢機能障がい、右上肢機能障がいという風に記載されています。今お伝えしたように、自分自身の障がい者手帳にどのように書かれているかというものをまず書いていただきたいなと思います。そして、記載が終われば誰かに自分自身の障がいを説明するときにどのように説明するかという「どのように」を記載していただきたいなと思います。

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例えば、私の場合でいうと右足に義足を履いていて左足に装具を履いている。そして右手の中指がない、というように書いていただけるといいかなと思います。もちろん障がいの種類や程度によっては今のようにシンプルにお伝えすることができるようなものもあれば、なかなか難しい、人に説明することが難しいという障がいもあると思います。ただ、いくら障がい者雇用の中で面接をしている人事の担当者であったとしても障がい一つ一つを詳しく知っているわけではありません。中には、初めて聞いたっていう障がいもあると思います。ですので、少し難しいかもしれませんけれども、初めて聞く相手に対しても分かりやすいように自分自身の障がいというものを具体的に説明していただけるといいかなと思います。
それをQ1の枠の中に、ぜひ書いてみてください。書く時には、実際に人事担当者の方にこのように説明するというような自分自身の言葉を書いていただけるといいかなと思います。もちろん箇条書きで書いていただいてもいいですけれども、それを読めば「あっ。このような障がいなんだ」ということが一度で分かるように具体的に文章で書いていただけるのがいいのではないのかなと思います。

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障がい者雇用の就職活動で求められること

では次にQ2にいきたいと思います。Q2は日常で発生する困りことを洗い出そうというものになります。私の場合は、生まれつきなのでみなさんと同じ年齢でいえば、20歳、21歳、22歳というようなタイミングまでの約20年間でどういったことで困ったかなというものを洗い出すことになります。
例えば一日立ちっぱなしになるのがつらいであったり、長時間長い距離を歩くことは難しいであったり、一般的な車を運転することができないというようなことが私自身の例ではあります。そういった形でみなさんも今まで日常で起こってきた困り事に何があったかなというものを、ぜひ思い出していただきたいなと思います。なかなか思い出すことが難しいという人は、例えば学校でどういうことに困ったか、普段の生活の中でどういうことに困っているか、対人関係、例えば友達の会話であったり、親との会話、学校の先生との会話といったものの中で困ったことがあったかどうか、ということを思い出していただけると分かりやすいのではないかなと思います。もちろんここで出たものだけではなく、就職活動をしていくに当たって思い出すこともあると思いますし、日常でふと思い出すこともあると思います。その場合はどんどん追加していってみてください。

では三つ目、次は仕事上で発生しそうな困り事を洗い出そうというものになります。まだみなさんは、実際に一般企業で正社員というような形で働いたことはないと思います。あったとしてもアルバイトで働いていたとかそういったことではないでしょうか。そのときに、障がいが原因でこういうことに困ったなということを、ぜひ思い出してみてください。もしかすると先ほどのQ2で書いた日常で発生した困り事と同じものもあるかもしれません。同じものは同じもので構わないので、ぜひ書き込んでみてください。
そして最後に四番目。障がいが原因でこの仕事はできないかもしれないな、障がいがあってもこの仕事はできるなっていうものを洗い出す枠になります。少し心苦しい言い方にもなるんですが、やはり障がいが原因でチャレンジしても難しい仕事というのはあります。例えば私でいえばアルバイトのときにティッシュ配りの仕事をしていたことがありますけれども、長時間立つことが難しいという状況の中で正直一日で辞めたという仕事になります。やはり自分がこういう仕事をやりたいなと思っても障がいが原因でなかなか難しい仕事というのもあります。もし今思いつくのであればその仕事というものを書いてみてください。逆に障がいがあったとしてもこの仕事はできるっていうものがあればそれも合わせて書いてみてください。例えば私自身足が不自由ということもあって、周囲からはそれこそ営業職とか難しいのではないかという風に言われてたこともありました。ただ私自身独立する前はずっと営業マンとして働いてたこともあるので、周囲が障がいが原因でこれはできないんじゃないかなと思っていたとしてもできる仕事というのはあります。ですので自分自身の障がいがあったとしても、この仕事にはチャレンジできるぞというものがあれば、ぜひその仕事も書いていただきたいなと思います。
今、Q1からQ4までそれぞれの問いについて説明をさせていただきました。これからの時間、ぜひみなさんの中で自分自身と向き合って自分自身の障がいを振り返ってこの障がいマニュアルを埋めていただければと思います。

これで第2回の講座を終えたいと思います。 ありがとうございました。

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