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デジタルで
大変身の企業
新入社員がDXを牽引!?

[アイニコグループ(株)【旧:(株)楓工務店】]

社員も育つデジタル化で、
お客様の笑顔を創り出す。

今回、ご紹介するデジタルで大変身な企業は、奈良県にあるアイニコグループです。住宅会社・楓工務店として創業して以来、「笑顔を創造し続ける」という理念のもと、お客様の思いに寄り添った理想の家づくりを追求。今後は、住宅会社という枠組みに捉われず多角化ベンチャー企業として、スケールアップしていきたいと考えている企業です。その成長の原動力が、社内業務のDXです。教育システムを皮切りに、これまでアナログ管理だった社内業務を次々とデジタル化。しかも、独自にたどり着いたその運用の仕組みは、社員も育てるということなんです。一体、どんなふうにデジタル化を進めたのか、そしてその背景にどんな思いがあるのか、代表取締役の田尻忠義さんに聞いてみました。

お話を聞いた人

代表取締役社長 田尻忠義
代表取締役社長
田尻忠義

奈良県出身。大工として住宅づくりの腕を磨いた後、1997年に独立。2007年に楓工務店として法人化し、現在は同社の代表として住宅事業のほか、不動産、他社支援、システム開発・販売、民泊など楓工務店の多角経営を率いている。

INDEX

大工時代の経験から、絶対に喜ばれる家づくりを誓う。

もともと、大工として住宅業界で働き始めた田尻さん。「ハウスメーカーを通じての仕事が多い大工は、お客様から現場で要望が出ても応えられないことも多くて…。人生で一度きりであるはずの“家づくり”なのに、お客様の要望にすべて対応できないことが歯がゆかったんです」と独立のきっかけを教えてくれました。
「だからこそ、当社の強みはすべてのお客様に絶対に喜ばれる家づくりを実現する“人”。『あの会社に頼んで失敗した』『あの会社で働いている人からは、いい話を聞かない』とか、社員が後ろ指を刺されるようなことだけは、絶対にあってはいけない。創業の思いとは違ってしまうからです」
アイニコグループの手掛けた家。「予算内で理想の暮らしを叶える」がモットーだという

「教育の手が足りないなら…」と逆転の発想から始まった。

そんなアイニコグループが本格的に業務のデジタル化を決意したのは、じつは“新卒採用”がきっかけとのことでした。「お客様の中には35年の住宅ローンを組まれる方もいます。となると、会社側も何十年後にもしっかり存続できるよう、計画的な採用が欠かせません。そのため、2013年から新卒採用を始めたのです」と田尻さん。
「人が強みの当社の家づくりで、教育は重要。ただ、教える側は時間がないけれど、教えられる新卒側にはたっぷり時間があるというミスマッチが起こっていました。そこで、最初の新卒メンバーに『先輩から口頭で教えられたことを、クラウド上でマニュアル化していく』という業務をお願いしたのです」
BEFORE 既存社員が新卒社員を教えている。何度も同じことを話すなど時間がとられる AFTER 新人が、自分たちでマニュアルをつくって、わからないことを解消していく
教育マニュアルを新卒社員がつくる。なんという、逆転の発想!たしかに「アウトプットこそ、最大のインプット」と言われたりもしますし、新人目線での“わかりづらいポイント”などもよりリアルになりそうです。「この仕組みにしたことで新人の成長速度も上がりましたし、早い段階で成長を実感したり、やりがいも感じやすくなったりする。会社と新卒社員、双方にとって最適な仕組みになっていると思います」
実際、 新入社員がつくった家づくりの業務手順書を見せてもらうと、それぞれの業務で必要事項が視覚的にまとめられており、新人であっても「どのタイミングで何をするか」が迷わずわかるようになっています。そうした書類が共有サーバーにいくつも保管され、いつでも誰でも閲覧できるようになっているとのことでした。

週に数十本更新!改善され続ける動画とは?

「教わる側がマニュアルをつくる」という独自の教育システムは、その後も教育資料の作成や改善などのさまざまな業務に展開されていき、社内業務のDXを推し進めることへとつながります。
さらに、アイニコグループは動画の教育活用にも積極的です。入社時に必要なPCの設定や機器の使い方などを動画として残し、アーカイブ化。その動画を見た人が「改善点がある」と感じた場合、その人自身が動画を撮り直すという運用ルールも定めているとのこと。この仕組みにより、動画も品質がどんどんアップ。田尻社長いわく、「最初から100点を目指していたら、誰も動けないから、品質にこだわり過ぎないことが大切」と考え、こうしたルールにしたそうです。現在では、週に数十本単位で更新されるほど、社員が積極的に動画を撮影しています。
こうして社内DXをどんどん推し進めてきたアイニコグループ。その結果、2022年には他社支援事業として社内DXのコンサルティング事業も本格的にスタート。現在、住宅以外の業界からも多くの相談が寄せられています。

DXはあくまで手段。会社も人も、目的が大事。

業務のデジタル化の意義を改めて尋ねると、「たとえば、細かな確認漏れやスケジュールのズレなど、小さなエラーを起こさないことにもデジタル化が役立っています。それが、最終的なお客様の笑顔にもつながっていくんです」と田尻さん。
あくまで一番大事なのは、「笑顔を創造し続ける」という理念であり、選考においても、理念への共感は絶対に必要だと田尻さんは言います。
「選考でも『あなたができる笑顔の創造』や『それをどう広げるのか』を聞くようにしています。会社が人生を良くしてくれるわけじゃない。会社にどう貢献して自分の人生を良くするのか、を考えてもらいたい。学生時代は、家も、食事も、勉強も、ほとんどは“与えられるのが当たり前”だったと思うんです。でも、社会人は“与えるもの”をどう広げられるかが、自分の価値です。まだ自分でも気づいていない価値を、探して磨いて、あなたらしく挑戦する。与えた結果、返ってくるものが経済的、精神的な豊かさへとつながるのです。もちろん、会社も “与えるもの”をさらに増やして成長していきます。それに共感してもらえれば、あなたとアイニコグループの行く道が重なるかもしれません。その道で一緒に成長できたら、うれしいですね」

マイナビ編集部の声

アイニコグループのデジタル化の中には、教育マニュアルの作成や動画撮影など、新人社員が自然と与える側になるための仕組みがありました。デジタル化やDXと聞くと、会社から与えられるものというイメージがありましたが、この取材を通していい意味で裏切られました。

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