安心・安全・利便性が最優先。地域住民にとことん寄り添う路線バス。
現在6つのグループ会社からなるトモテツグループ。その中核が、バス事業を展開する鞆鉄道株式会社です。路線バスを運営する旅客運送事業部と貸切バスや観光バス、送迎バスを運営する貸切事業部で構成されています。「路線バスは現在12路線39系統※あります。さらに高速バスが3路線4系統。1日に稼働するバスの運行本数は140〜150本です」と井上さん。地域に寄り添う事業の実態について伺うと「もともと市営バスが運行していた路線を、廃止になるタイミングで引き継いだことも。地域のインフラとして、役に立ちたいという思いで取り組んでいます」
※系統は、同じ路線の中で、起点、経由地、終点が異なるバスのこと。

「路線バスは住民のみなさまの安全・安心と、利便性を最優先に考えています。半年に1度、運行計画を見直しますが、その際は路線の利用状況のほか、地域のみなさまの意見も参考に、鉄道、航空、船の運行時間、官公庁及び主要な病院、教育機関の始業・終業時間に合わせてダイヤを組み立てています。高校など学校の時間割は日によって異なりますし、試験の時には臨時便を出すことも。町の様々な状況に合わせて、バスを運行しています」と井上さん。なんと、地元の高校の時間割までチェックしているとは!地域への密着度がすごい。

ただ、地域のインフラとしての使命感はありつつも、ジレンマもあるそうです。「利用者が少ない路線は、身を削っているんです」と井上さん。加えて「2024年からバスやタクシー、トラック業界で働き方が大きく変わりました。労働時間の短縮、さらに人員不足への備えも考えると、運行計画の効率化も必要です。また弊社では希望する事務職の方に補助金を出して、バスの運転免許の取得をサポートする取り組みも行っています」
