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世界を
沼落ちさせる企業
日本の、あの旅館に行きたい!

[プリスリゾート株式会社(百楽荘)]

世界中の人々の目的地になる旅館、
帰ってきたくなる旅館をつくる。

今回、ご紹介する世界を沼落ちさせる企業は、石川県で創業90年目を迎える旅館「百楽荘」を経営するプリスリゾート株式会社です。1990年代には経営破綻寸前まで追い込まれたという百楽荘はその後、経営難もコロナ禍も乗り越え、今やアジア圏に限らず、欧米からも観光客が訪れる人気旅館に成長。この取材では、その成長の裏側にある会社の旅館事業に対する思いや挑戦の数々を、入社8年目にして取締役まで任されることになった熊谷さんに聞きました。

お話を聞いた人

取締役 総支配人 熊谷穂乃美
取締役 総支配人
熊谷穂乃美

一橋大学を卒業後、2017年にプリスリゾート株式会社(百楽荘)に新卒入社。就職活動当時は旅行・観光業以外にも様々な業界の企業に興味を持っていたが、面接の際に同社の社長の人柄にほれこみ、入社を決意。入社から4年で支配人を任されるまでになり、8年目の現在は取締役総支配人を担っている。

INDEX

経営難を乗り越え、海外のお客様も絶えない旅館に。

1934年、日本百景の一つでもある九十九里湾を臨む能登の地から始まった百楽荘。まずは、人気旅館になるまでの道のりについて熊谷さんに聞きました。
「歴史のある旅館ですが、じつは1990年代には一度、経営破綻寸前まで追い込まれました。その危機を救ったのが、プリスリゾートの現社長を務める萩原聡彦。海に浮かぶ食事処をつくったり、敷地内に釣り桟橋を用意したり、ここでしか体験できない“オンリーワンの宿づくり”で経営を立て直し、百楽荘を“スモール・ラグジュアリー・リゾート旅館”として再生させたのです」。
その後も萩原社長は金沢市内に個室風呂が満喫できる百楽荘金沢湯涌温泉をオープンさせ、2024年には金沢市内に新たにもう一つ、金沢の食にこだわり抜いた料亭のような旅館を開業させる予定とのこと。そんな急成長を続ける百楽荘は外国人観光客からも人気で、コロナ禍が落ち着いてからはほぼ毎日のように海外からの宿泊予約が入るのだそうです。
「早くから外国人観光客向けの自社サイトを充実させたり、SNSページを設けたり、自社主導のマーケティング施策に力を入れてきました。その結果、海外の予約サイトからの集客だけでなく、直接、百楽荘を見つけて予約してくださる外国人のお客様も増えているのです」と熊谷さんは教えてくれました。
<訪日外客数>(2023年10月)2,516,500人 コロナ前2019同月を超える

それぞれの方の期待を超える。それぞれの方の要望に応える。

そこで「どのような外国人の方が来ているのですか?」と質問すると、「石川県まで足を運んでくださるお客様は、日本が初めてではない方が多いですね。前に東京や京都などを訪れて日本が好きになり、もっとディープな日本を知りたくて訪れてくださるお客様です。だからこそ、日本をもっと好きになってもらうにはどうおもてなしをすれば良いかと常に考えています」と答えてくれました。
熊谷さんによれば「浴衣を着るだけでは満足しません」とのこと。日本に何度も来ているお客様の期待を超えるのは簡単ではなさそうです。「たとえば、日本の食器の美しさ。石川には九谷焼や輪島塗といった伝統工芸もありますので、こうした美しい食器を用いて地元食材を使った料理を提供するなど、ここに来なければ体験できない時間を提供しています」と一例を挙げてくれました。
とはいえ、一方的に日本らしさ、石川らしさを押し付けるのではなく、外国人のお客様のニーズにも寄り添っているという百楽荘。
「ホテル宿泊の場合、外のレストランを選ぶことができますよね。しかし、日本の旅館だと通常、食事の選択肢がありません。ただ、お客様の中にはこういうものが食べたい、宗教上こういうものが食べられないといったご要望もあるため、私たちは出来るだけそうしたお客様ごとのニーズに応えられるような体制も整えています。また、外国語に堪能な社員を増やし、プライベートを満喫したいお客様には接客を控えめにするなど、従来の旅館の慣習にとらわれ過ぎないように心がけています」
毎日1〜2組は外国人のお客様が宿泊するという。お品書きや館内の案内も複数の言語に対応している。

百楽荘だけでなく、北陸全体を盛り上げたい。

さらに、熊谷さんたち百楽荘の熱い思いは、自分たちの運営する旅館だけに止まりません。
「大切なのは、日本のリピーター、そして、北陸のリピーターを増やすことなんです。とくに、北陸エリアは宿も含めて観光地だと思うのです。“あの宿に泊まりたい”と目的地となる場所にしたいですし、旅館に滞在していただいている間に、北陸全体の食や景観、文化、歴史などを伝え、この地にまた帰ってきたいと思える場所にしたいんです」と熊谷さん。
その思いの根幹には、“お客様、社員、社会、会社にかかわる全ての人々を幸せにするために”という百楽荘の企業理念があるのだとか。だからこそ、2021年からは石川で生まれた加能蟹(かのうがに)のブランド“輝(かがやき)”の競りにも参加。最初の年は500万円で落札し、カニを楽しむ宿泊プランも開発したとのことでした。「石川にカニのイメージがつき、カニを食べに石川を訪れる人が増えれば、地域全体が盛り上がりますし、地元企業も元気になる。結果、百楽荘を訪れるお客様も増えればという順番です」と熊谷さんは話します。なるほど。百楽荘は、地元を元気にする企業でもあったんですね。

特別な瞬間に立ち会い、成長し続けられる場所。

最後に改めて、働く場所としての旅館の魅力、百楽荘の魅力について聞いてみました。
「旅館の仕事は、お客様の特別な日、特別な瞬間に立ち会える喜びがあります。さらに気に入っていただけたら何度でもリピートしていただけるため、お客様と長く深い関係も築けるのです。おもてなしを学ぶ場所としても、衣食住のすべてがそろっているので、幅広い知識や技術が身につくと思います」
また、百楽荘に関しては「高級旅館の格式や老舗旅館の歴史もありながら、まだまだ進化中の会社。常に新しいことに挑戦し、成長できる環境や風土があります。私自身、就活中に “大企業に入るより、大企業をつくっていく方が面白いよ”という社長の一言に心を打たれて入社を決めましたし、今も日々ワクワクしながら働いています」と話してくれました。
そんな熊谷さんは現在、現場の指導から人事まで幅広い業務をこなしながら、金沢の食にこだわる新しい旅館の立ち上げに向けて、そこで働く社員と一緒に茶道のお稽古に通っているのだとか。なんとアグレッシブ!新しい百楽荘に魅了されるお客様もまた増えそうです。

マイナビ編集部の声

「世界中の人々が目的地にしたくなるような旅館をつくりたい」という百楽荘の熱い思いに感動しました。そして、新卒入社からまだ8年目にも関わらず、すでに取締役として活躍する熊谷さんの姿を見て格好いいなと心から思えた取材でした。

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