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マイナビ 学生意識調査 仕事選び、ものさしは「自己決定」
「楽しさが第一」「個人の生活と仕事の両立も大切」「転勤はイヤ」「やりたい仕事なら海外も」……。マイナビが2025年卒業予定の学生に聞いた調査でこんな就労観が表れた。千差万別な考えを持つ学生にどう向き合えばいいか。しかし、よく見ればすべてをつなぐ1つの視点が透けて見える。それは恐らく「自己決定」ということだ。「組織への適応」も「転勤」も、自分が考えて行えるか、どうか。今、多くの若者はどうやら、それを〝ものさし〞に、仕事や会社を選んでいる。
ワーク・ライフ 楽しく両立
会社や仕事を選ぶ時に何を最も重視するか。就職観を問う質問では、楽しく働き「ワーク」と「ライフ」を両立させたい、と願う学生の姿が浮き彫りになった。最多の回答は「楽しく働きたい」で全体の38・9%、次に「個人の生活と仕事を両立させたい」の24・5%が続き、いずれも1割前後にとどまる他の選択肢の回答率を大きく引き離している。
半面、下位になった回答では「人のためになる仕事をしたい」(10・9%)、「社会に貢献したい」(4・7%)の推移が目を引く。両者の回答率はともに2020〜22年卒に上昇傾向をみせた後、低下に転じており、ほぼ同じ曲線をたどっているのだ。
推移という視点では、回答率こそ1割に届かないものの「収入さえあればよい」と「自分の夢のために働きたい」「プライドの持てる仕事をしたい」の動向も注目される。「収入」の回答率は21年卒を境にじりじりと上昇。一方で「夢」「プライド」は22年卒から低下が続く。この「逆相関」ともいえる3つの回答傾向からは「やりがいより収入」にシフトする就労意識も読み取れる。
各回答の推移が22年卒を節目に変化したことも興味深い。22年卒の調査期間は20年末から翌3月末であり、コロナ禍による制限真っ只中で、就活生の意識が「社会」から「個人」へと向かい始めている表れともいえそうだ。
「人のため」「社会に貢献」の割合は低下 (あなたの「就職観」に最も近いものはどれですか)

ノルマや転勤もNG要素
学生の「行きたくない会社像」を聞くと「ノルマのきつそうな会社」と「転勤の多い会社」が上位になった。「ノルマ」を挙げたのは全体の38・9%、「転勤」も30・3%にのぼり、ともに3割を超えた。続く3位は「暗い雰囲気の会社」の24・8%。「楽しく仕事をしたい」と願い、ワークライフバランスを重視する傾向と合致する結果だ。
下位の回答をみると「残業が多い会社」をはじめ「体質が古い会社」「歯車になりそうな会社」は、いずれも回答率1割前後で、学生の忌避感は必ずしも強くない。「歯車になりそうな会社」という回答が最下位というのも注目される。
「転勤」の上昇基調は、別の調査結果であるマイナビ2025年卒大学生のライフスタイル調査の回答で、共働き志向が増加傾向だったことも背景にあるとみられる。「暗い雰囲気」への回答率の変化も目立つ。21年卒調査の水準から明らかに低下しており、24年卒の調査で「転勤」との順位が逆転した。
2項目を選ぶ回答形式のため、いちがいにはいえないものの「残業」「歯車になりそう」「体質が古い」への抵抗感の薄さや「暗い雰囲気」の会社を避けたいとする回答の減少をみると、就職先での環境順応に自信を持つ学生も少なくないようだ。
「暗い雰囲気」「古い体質」への抵抗感薄れる (行きたくない会社があるとしたら、どのような会社ですか、2つ選択)

希望の仕事・勤務地なら海外も
外国に駐在するなら「やりたい仕事」を「行きたい国」で――。
意識調査からは、海外勤務に関しても「自己決定」を望む学生像が浮かび上がってきた。2025年卒業予定の学生に聞いた今回の調査では全体の4割が海外勤務を「希望する」と答えたが、そのうち「やりたい仕事があるので」「希望する勤務地なら」という〝条件付き〞の希望が圧倒的に多く、特に後者の回答率は「海外勤務希望」の半数を超え、全体の24・4%に上った。逆に無条件で海外を志向するという回答は8・3%にとどまっている。
学生の海外志向は近年じりじりと失速。21年卒以降は明らかに希望者の割合が低下し、今回は「海外勤務はしたくない」という回答が全体の6割を占めている。企業の多くは今、事業のグローバル化をにらんで海外人材の確保を急ぎ、採用でも語学力重視の傾向を強めているといわれる。学生の国内志向はそれと逆行している観もある。
その背景には、コロナ禍による社会情勢の影響も考える必要があるだろう。日本学生支援機構の調査によると、日本人学生の海外留学数は22年度で5万8162人。これはコロナ禍前の半数程度の水準となった。そのうち3カ月以上の中長期留学は19年比9割程度に減少した。
今回のマイナビ調査の対象である25年卒予定の大学生は多くが21年入学で、学内でも授業のほとんどがオンラインになるなどコロナ禍のただ中で大学生活を送った年代だ。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けた各国の入国制限が、海外留学を困難にしたことが、国内志向を助長した側面もありそうだ。
減少する海外希望者だが、その中では、多くが大企業への就職を望んでいるという傾向もある。
就職したい会社の規模を問う調査とのクロス分析を行うと、無条件で海外勤務を希望した学生では大企業志向が7割に迫った。「やりたい仕事」「希望する勤務地」という条件付き海外希望者も、それぞれ65・1%、62・6%が大企業への就職を希望した。
半面、無条件か条件付きかによらず、海外を希望する学生で「中小企業でもよい」と答えたのは3割前後しかいなかった。「海外勤務はしたくない」学生では、逆に大企業志向が半数を切る46・8%で、中小企業も視野に入れるという層が49・2%と半数に迫っている。
海外志向はじりじりと失速 (あなたの海外勤務志向について最も近いもの)

海外希望の6割は大企業志向 (あなたの海外勤務志向について最も近いもの/海外志向別 企業志向)


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