
モーダルの中身
最終学年になると、採用試験や教育実習、大学の授業などで忙しくなります。筆記試験は早いうちから対策する学生は多いですが、自己分析やマナー、面接対策など基本的なことはつい後回しにしがち。だからこそ、基本をしっかり準備しているかどうかがライバルたちとの差を生みます。
とは言っても、何から手をつければよいのか分からない……という人もいるでしょう。まずは下記を確認して、やるべきことを押さえましょう。
就職活動を始めるに当たって避けて通れないテーマが、「自分を知る(自己分析)」ということと、「仕事を理解する(仕事研究)」ということです。自分の興味(何をやりたいのか)、能力(何かできるのか)、価値観(何のためなら頑張れるのか)をしっかり理解し、教員の仕事で自分を生かすことができるのかをすり合わせていくことが重要です。
自己分析をしっかり行っているかどうかで、履歴書や面接での回答の説得力は異なります。なぜなら、自分自身を知らない人が、「あなた」という人間を相手にうまく伝えることはできないからです。まずは、学生生活やこれまでの人生を振り返り、以下の視点で自分のことを深堀りしていきましょう。
(1)何を経験したのか?
(2)なぜその経験や選択をしたのか?
(3)具体的にどう行動したのか?
(4)その経験で学んだことは何か?
そうすれば、自然とあなたの強みや成長ポイントが浮き彫りになり、エントリーシートや面接で自分をアピールするための材料が見つかります。また、自己分析を進める際に、他者の意見を参考にすることも有効です。自分の良さや魅力は、案外、自分で分かりづらいもの。ぜひ、友人や家族の意見も参考にして自分に対する理解を深めてください。
冒頭でも述べた通り、教員の仕事は多岐に渡ります。大きく分けると下記のような6つが挙げられます。教育実習をしても教員の仕事の一部しか体験できないので、OB・OG訪問をするなどして事前に調べておくようにしましょう。
生徒の学力やその学校の指導方針に合わせて、授業をつくっていきます。そのため、まずは生徒を知り、教材研究をし、授業の計画を立て、授業を終えた後には評価(テストやノートチェックなど)をするということを日々、行っていく必要があります。
十人十色というように、一人として同じ生徒はいません。さまざまな個性を持つ生徒が楽しく学べる場をつくっていくのが学級経営です。当番・係などを決め、クラスの方針をまとめることも教員の仕事の一つです。
部活は得意不得意にかかわらず担当することが多くあるため、経験したことがない分野に関しては一から勉強をする必要があります。また、生徒指導では、日々生徒と向き合って相談に乗り、指導していきます。簡単に解決できない問題が多いため、一人で悩まず、ほかの教員たちと相談して解決する力が必要です。
遠足や体育祭、入学式、卒業式など学校行事の計画書や、各種申請に関する書類作成などの事務作業も仕事の一つです。うまく時間をつくっていく計画性が必要です。
教育公務員特例法の通り、教員は、その職責を遂行するために、絶えず研修に努めなくてはなりません。教育は時代によって変化していきます。その変化に対応するため、自らさまざまな研修に参加しそこで学んだことを現場に生かしていきます。
近年、教員の悩みとして挙がるのが、保護者や地域コミュニティーとのかかわり方についてです。どのように関係を築いているのかなど、具体的な話を先輩教員から聞いて勉強しておくとよいでしょう。
教員採用試験の受験者に対し、自己PRや志望動機の作成を求める学校や自治体は少なくありません。しかし、いざ書こうと思ってもなかなかうまく書けない……という人がほとんどです。まずは練習として実際に書いてみて、周囲の人に添削をしてもらいしょう。
効果的な自己PRを作るポイントは、これまでの経験の中で自分の長所や強みとしてアピールできる事柄を、具体的なエピソードを交えてまとめることです。また、その長所や強みを、教員としてどのように生かせるのかを、学校側の担当者にしっかりイメージしてもらえるように表現することです。
「なぜ教師になりたいのか」をまとめるのが志望動機です。大切なのは、インターンシップを通じてリアルな職業体験をし、教師の仕事と比較したり、教師として働くОB・ОGを訪問したりして生の声を聞くことです。実際に体験し感じたことを、あなたの言葉で表現するように心掛けてください。
願書で問われる主な内容は、住所・氏名、学歴(職歴)、資格などの基本情報や、これまでの活動実績などがほとんどです。学校や自治体によっては、自己PRや志望動機を書くこともあるので、書き方の練習をしておきましょう。
ほとんどの自治体で一次試験では、一般教養、教職教養、専門の学力試験で合否の判断がされます。一次試験に合格した人は、二次試験に進み、そこでは教員としての資質や熱意、使命感をはじめとした人間性・適性が判断されます。試験方法は、実技や論文作成、面接、グループディスカッションなどがあります。
面接ではしっかり準備してきた自己PRや志望動機以外にも、面接官からはさまざまな質問が飛んできます。上手に答えるには、ある程度の場慣れも必要です。 学内などで行われる模擬面接を活用するのはもちろん、なるべく多くの企業の面接に参加してみましょう。質問の傾向や受け答え方が分かるようになり、面接を重ねれば重ねるほど上達していく自分に気づくはずです。
公立学校の場合、名簿の上位者から採用が決まり、教育委員会や校長の最終面接を経て赴任校が決定します。最終面接も気を抜かずに、情報を集めてきちんと対策をしておきましょう。
教員が活躍できる場は、学校だけではありません。
学習塾や予備校、語学スクール、通信教育などで生徒を任されたり、教員の知識を生かした教材開発に携わったり、活躍できる場は多くあります。
ぜひ、教員をめざす人も、就活を機に教育ビジネス業界など幅広く業界研究をしてみてください。そこで改めて「学校の教師として働きたい!」という思いが強くなったり、または別の道が見つかったりすることもあります。
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