地域課題に着目し、誕生。空き家を活用「アキカツローン」。 空き家問題の解決策としてオリコがスタートさせたのが「アキカツローン」です。その名の通り、空き家活用に特化したローンとのこと。さっそく話を聞いてみると「日本各地で増え続ける空き家の弊害は、じつはかなり大きいんです。放置され老朽化した空き家が災害時の被害を大きくするケースや、不審者や害獣が侵入するケースなど、デメリットしかないんです」と東畠さん。ならば空き家は活用あるのみ!住宅リフォームも一般的になりましたし、中古住宅よりも安ければ欲しがる人もいくらでもいるのではと考えがちですが、そう単純ではないと言います。 「家を買うとき、現金で買える方は少ないですよね。住宅ローンを組む方がほとんどだと思います。ところが住宅ローンは、家の資産価値を担保に借入額が決まるもの。築年数が経過した空き家は、審査が通らないケースや融資額が足りないケースが多いんです。地域の不動産会社も、ローンの審査が通らなければ物件を流通させられないと困っていました」 さらに、地域の課題として危機感を持っている自治体が多いこともわかり、東畠さんたちは「全国の金融機関とお付き合いがあり、かつ審査能力もある当社だからこそ、地域のためにできることがあるのでは」とプロジェクトを立ち上げたのだそうです。
全国各地の地域金融機関に加え、スタートアップ企業とも連携。 そうして完成したのが、全国の地域金融機関とのタッグのもと、空き家の購入時の融資や老朽化した空き家のリフォームほか、解体目的で利用できるローン商品「アキカツローン※」です。オリコは保証会社としてその事前審査と保証を担っています。※ローンの規定は、提携先の金融機関により異なります。 さらに、このアキカツローンの面白いところは、地域の金融機関に加え、スタートアップ企業とも手を組んだことです。「私たちはアキカツローンの提供に留まらず、地域金融機関、スタートアップ企業、自治体等の様々なプレーヤーと連携し、ニーズに合わせた商品を提供していきたいと考えています」。
自分の地元に帰ったとき、他人事じゃなくなった。 ちなみに、このプロジェクトがスタートしたのは2022年8月。東畠さんたちは、そこから約7ヶ月間というスピードでローンの審査の商品と仕組みを完成させたそうです。そして世の中に発表すると、連日のように全国各地の自治体からの相談が続いていると言います。「多くの自治体が、『なんとかしたい』という熱い思いを持っていらっしゃいます。『自治体でできなかった部分を仕組み化してくれて非常に助かった』という言葉もたくさんいただいています。本当を言うと、このプロジェクトをはじめたばかりの頃、空き家問題はどこか他人事だったんです。ところが、私の実家は大阪の茨木市なんですが、久しぶりに地元に帰ったとき、駅に近い、立地のよい場所も空き家が目立っていて。他人事じゃない、目の前に迫っている課題なんだと気づいたんです」
地域課題を解決するために、できることはまだまだある。 最後に、このプロジェクトの成果について尋ねると、「2025年7月時点で、全国27の地域金融機関より、本プロジェクトの参画表明をいただいています。じつは、同じ商品をこんなにたくさんの金融機関で扱っていただけるなんて、金融の世界ではまずありえないことなんです。それだけ、全国各地で空き家問題に対する関心が非常に高いのでしょう。まったくプロモーションをせずに、すでに5,000件を越える申し込みがあり、大変好評いただいています」とうれしそうに答えてくれました。 信販会社に入社した当初は、地域課題の解決に取り組むとはまったく思っていなかったという東畠さん。「たとえば、リモートワークが進み、多拠点生活を希望する若い世代も増えるでしょうし、住宅弱者と呼ばれる方の選択肢として活用してもらえる可能性もあります。街の活性化を望む地方自治体とも連携し、当社だから協力できることはまだまだあるはずです。今回の経験を活かし、これからも挑戦していきたいですね」