日本就職が決まったら?

内定後から来日直後の
「生活・手続き」準備ガイド

海外にいる外国人材の方の日本就職が決まり、来日することになったら、仕事の準備だけでなく、生活を始めるための準備も必要です。住居、役所での手続き、銀行口座、携帯電話、生活費など、来日前後に確認しておきたいことは多くあります。本コラムでは、内定後から来日までの準備と、来日直後の生活立ち上げについて解説します。

日本で働く準備は、入社先企業との連携から始まる

日本での就職を考えたり、実際に採用が決まると、期待の一方で不安を感じる方もいると思います。日本で働くということは、同時に「日本で暮らす」ということです。特に、海外から就職を機に来日する人は、日本の交通ルール、役所での手続き、日々の買い物、住居のルールなど、生活に関わるすべてが初めての経験になります。

こうした生活面の不安は来日直後に一番大きくなるため、就職活動中から日本での生活をイメージし、内定後は早めに準備を始めることが大切です。では、実際に日本での就職が決まったら、何から準備を始めればよいのでしょうか。最初にすべき最も重要な準備は、「入社先の企業としっかり連携すること」です。

なぜ企業との連携が重要なのでしょうか。それは、日本での生活を始めるための手続き(住居の契約、空港からの移動、役所での手続き、銀行口座の開設、携帯電話の契約など)は、初めて日本に来る外国人材の方が一人で進めるには難しいことが多いからです。企業との連携をしっかりと行うことで、これらの手続きをスムーズに進めることができ、日本での新生活を安心してスタートできます。

ここで知っておいてほしいポイントがあります。それは、入社前や来日前の「外国人材へのサポートの手厚さ」は、企業によって温度差がある点です。そのため、「会社からの連絡を待つ」のではなく、「自分から会社に確認する」という姿勢がとても大切になります。

「明日日本に入国するのに、企業から何の連絡も来ていない」というケースも、まれではありますが実際にあります。一方で、「来日前に準備しておくことはありますか?」と自分から企業に確認し、研修資料や業務マニュアルを事前にもらって勉強している人もいます。

企業とまめに連絡を取っている人ほど、来日後の生活のスタートがスムーズになります。また、このように「自分から確認する姿勢」は、入社後の仕事においても非常に重要になります。内定後から来日までの間に、下記リストの内容を企業へ確認しておきましょう。

内定後、企業に確認しておきたいことリスト

来日前の準備と、来日直後1週間の「生活立ち上げ」

日本で働くには、仕事の準備だけでなく、生活を始めるための準備も必要です。来日前に特に確認したいのは、在留資格、渡航日、住居、入社日までのスケジュール、通信手段、当面の生活費です。これらは別々の準備に見えますが、実際にはつながっています。たとえば、住む場所が決まっていないと、住民登録や銀行口座の開設、携帯電話の契約なども進めにくくなります。

在留資格については、入社先企業と早めに確認してください。日本で働くためには、職種や業務内容に応じた在留資格が必要です。多くの場合、企業と連携しながら必要書類を準備します。申請には時間がかかることもあるため、「いつまでに何を提出する必要があるのか」「入国までのスケジュールに問題はないか」を確認しておきましょう。

渡航日が決まったら、空港到着後の動きも確認します。企業の担当者が迎えに来てくれるのか、自分で電車やバスを使って移動するのかによって、必要な準備は変わります。到着直後は疲れていることも多いため、住居までの移動方法は事前に把握しておくと安心です。

住居についても、会社が用意してくれるのか、自分で探す必要があるのかを確認しましょう。すでに住居が決まっている場合でも、入居日、鍵の受け取り方法、費用の支払い方法、家具・家電の有無などは確認が必要です。日本の住居では、入居してすぐに生活できるとは限らず、布団、カーテン、照明、家電などが必要になることもあります。

また、来日直後からしばらくの生活費も準備しておきましょう。最初の給料が支払われるまでには時間があります。その間にも、食費、交通費、日用品の購入費などがかかります。最初の給料日や、来日後すぐに必要になる費用を、企業の担当者に確認しておくと安心です。

来日前の準備で大切なのは、「分からないまま来日しないこと」です。分からないことがあれば、入社先企業に確認しながら、一つずつ不安を減らしていきましょう。

「銀行・携帯・生活費」を早めに確認する

来日直後の生活立ち上げの中で、外国人材の皆さんが、特につまずきやすいポイントがあります。それは「銀行口座と携帯電話の手続きの順番」と、「最初の給料日までの生活費(初期費用)」です。

まず手続きについてですが、「銀行口座の開設」と「携帯電話の契約」は、どちらを先にすべきか迷いやすいです。なぜなら、銀行口座を開設する時に「日本の携帯電話番号」がないと開設できないことがあるからです。

また、銀行口座の開設には、会社からの「内定通知書」や「雇用契約書」の提示が必要になることもあります。だからこそ、住民登録や携帯電話の契約を含むこれらの手続きは一人で抱え込まず、企業の担当者や支援者に同行してもらい、協力して進めることが重要になります。

来日直後1週間の生活立ち上げチェックリスト

役所の手続き

インフラ

住まい・買い物

通勤・安全


次に、生活費についてです。先ほどの章でも少し触れましたが、来日直後は食費や交通費だけでなく、日用品や生活備品の購入などにお金がかかります。母国と日本の通貨価値の違いによって、来日前に想定していたよりも費用の負担が大きく感じられることもあります。

最初の給料が振り込まれるまでの一定期間は、自分で生活費を用意しなければなりません。お金の不安は生活のストレスに直結するため、入社先企業には「最初の給与支給日はいつか」「初月の生活費の支払いのタイミングはいつか」をあらかじめ確認しておくとよいでしょう。

日本の「生活ルール」に困ったときは早めに相談を

生活の基盤が整うと、いよいよ日本での日常がスタートします。そこで知っておいてほしいのが、地域で暮らすための「生活ルール」です。

  • ゴミ出しのルール: 日本ではゴミの種類によって分けるルールがあり、出す曜日や時間も決まっています。
  • 騒音への配慮: 家で友人と賑やかに過ごすことが、近隣トラブルにつながることがあります。

これらの生活ルールは自治体(住んでいる市や区)によって異なるため、別の町から引っ越してきたばかりの日本人もルールが分からず、間違えてしまうことがよくあります。

「外国人だから」とプレッシャーを感じすぎる必要はありません。誰もが最初は分からないものです。だからこそ、「自分の住む町のルールはどうなっているか」を、まずは周りの人に確認する姿勢が大切です。

最近は、SNSのコミュニティから母国語で生活情報を得る人が増えています。これは精神的な安心感につながります。ただし、役所の手続き、法律、会社のルールなど重要なことについては、SNSの情報が間違っていることもあるため、必ず「企業の担当者」や「役所の窓口」に確認してください。

日本での生活は、最初から完璧である必要はありません。分からないことは抱え込まず、早めに企業や周囲の人、あるいは専門のサポート担当者に質問し、確認しながら少しずつ慣れていけば大丈夫です。皆さんが安心して日本での生活と仕事をスタートできるよう、応援しています。

「日本企業で活躍するために!知っておきたい「職場文化」と「働き方の基本」」では、日本の職場文化や、会社で信頼されて活躍するための働き方のポイントについてお伝えします。ぜひ参考にしてください。

日本企業で活躍するために!

監修

株式会社One Terrace

取締役 阿久津 大輔


外国人材領域に長年携わり、採用から育成・定着・活躍までを支援。
さらに、日本人社員向けグローバル研修、採用後の受け入れ支援なども展開し、生活・職場適応の両面から、外国人材が日本で長く活躍できる環境づくりに取り組んでいる。