プロフェッショナルの仕事
PROFESSIONAL WORK

各製薬会社の医薬品開発戦略に近い立場で
社会的貢献度の高い仕事ができる組織です
高徳敬之さん
幼少期に薬の効果を実感する機会が多くあり、薬学の道に関心を持つ。学生時代は薬物動態を研究し、2009年に入職。現在は循環器官用薬や抗パーキンソン病薬などを扱う新薬審査第二部にて主任を務める(取材当時)。
薬の有効性や安全性を見極める仕事に、意義を感じて

若手のうちから重要度の高い仕事ができま
す。
当初、製薬会社で医薬品開発に携わる道を考えていました。しかし大学の授業でPMDAの存在を知り、担っている業務の重要度や社会貢献性の高さに魅力を感じるようになり、入職を決意しました。
入職後はまず安全対策部へ。ここは薬の添付文書の内容に関する相談や管理、副作用・不具合情報の整理、ベネフィット・リスクバランスの分析などを行う部署です。多様な品目を扱い、各製薬会社の開発戦略や薬の特徴、安全対策の状況を広く知ることができ、事業の大枠を理解できたことから、キャリアのスタートとして良い場所でした。
続く新薬審査第二部では、薬物動態を担当。新薬審査のチームには品質・薬理・毒性・薬物動態・臨床など各担当者がおり、自分のパートについて審査を行った上で全体議論を行い、総合的な評価を出していきます。薬物動態は学生時代の専門分野ではありましたが、評価のしかたなど当時とは異なる観点での多くの学びを得られました。
各専門家の意見をまとめ、“妥当性ある判断”を目指す

審査チームは10〜20名程。各担当者と
議論を深め、意見を集約させていきます。
その後は再び安全対策部へ。審査チームとの架け橋となり、添付文書における注意喚起の内容や方法について、双方の意見をまとめるリスクマネージャー業務を担当しました。一筋縄ではいかない調整もありましたが、時には厚生労働省の方とも検討し、皆が納得のいく落とし所を見出だせた瞬間には、手応えを感じていました。
この経験は、新薬審査第二部の主任となった現在も活きています。主任は各パートの意見を吸い上げて論点を抽出し、審査の方向性を検討する役割を担います。疑問があれば調整にも入りますが、担当者と一緒に検討し、自らが気づきを得られるよう導く姿勢を心がけています。
新薬の審査においては絶対的な正解がないため、専門家が集うチームで入念に検討し、妥当性をもった判断を目指します。審査の方針を左右する重要度の高い意見を出すことの責任は、常に感じていますね。無事に承認する方向に至れた瞬間には、大きな達成感を感じます。
自己研鑽できる環境。グローバルな取り組みにも参加。

薬の審査には一定の知識が必要ですが、知識
を磨ける環境や機会は充分に揃っています。
PMDAは新薬の審査のほか、製薬会社やアカデミアの研究者への支援、薬事審査のグローバル化への対応などにも取り組んでいます。私自身も現在、各国の薬の審査基準の標準化を目指すための会議体であるICH(医薬品規制調和国際会議)のガイドライン策定や作成業務に関わっており、海外規制当局の担当者や製薬業界団体の代表者が集まる会議に定期的に参加しています。
多くの医薬品の開発戦略を学べることはPMDAだからこその醍醐味だと思いますし、「各製薬会社が規制に沿った開発をしているか」の知見においては、必ずプロフェッショナルになれる環境です。社内の各専門家に意見や教えをもらい、また担当する疾患領域、統制学、疫学など、多方面の研修や学会にも参加できるので、自ずと知識は磨かれます。治験の計画や相談など、製薬会社と連携できる業務も多く、使命感を持って取り組める機会にも事欠かない職場です。