履歴書の書き方
履歴書は、それを書く人の“分身”です。採用担当者の目に触れる履歴書が、大事な第一印象を左右することもあります。ベーシックな応募書類だからこそルールやマナーを守って丁寧に作り上げ、自身の魅力を最大限にアピールしましょう。近年はデジタルで作成した履歴書をオンライン提出することも増えているので、その場合のポイントも含めて解説します!
書き始める前の準備
1. 用紙
-
近年は、就職志望先のウェブサイトから専用書式をダウンロードするよう指定されるケースも増えているので、必ず確認しておきます(印刷環境やインク切れには要注意)。
-
特に指定がない場合は、市販の履歴書を用います。
2. 筆記用具
-
近年はパソコンでの作成を認める法人も増えていますが、指定のある場合は必ず手書きで。
-
黒のボールペンか万年筆を使います(消せるボールペンはNG)。

3. 免許証・資格者証
法人によっては、履歴書と同時に、応募条件に該当する免許証・資格者証の原本持参やコピーの提出を求められる場合があります。事前に確認して、卒業証明書・卒業見込証明書、成績証明書、健康診断書など他の必要書類とともに、原本を手元に取り寄せておきましょう。
記入・提出時のポイント
-
「はっきりと読みやすく」を念頭に置いて、上手・下手よりも丁寧な文字を心がけます。
-
誤字・脱字に注意します。修正液や修正テープの使用はNG。
-
いったん下書きしてから清書します。
-
提出前にコピーするか、下書きを残して保存します。 履歴書に記入した内容に関しては、面接時に質問・確認されることが多いので、面接前に必ず見直しておきます。
-
提出期限は厳守しましょう。郵送の場合は、「必着」なのか「消印有効」なのか確認の上、特に「必着」であれば期限に余裕を持って投函します。

デジタルで作成した履歴書をオンライン提出する場合
-
デジタルの履歴書をファイルとして作成・提出する場合、ファイル名に関して書式が指定されることがあるので、よく確認してください(指定がなければ「20230601(日付)_履歴書_氏名」などと簡潔かつ分かりやすく記載します)。
-
ファイルの形式は、第三者の編集を防ぐ点、環境が変わっても見栄えを維持する点から、PDFが適しています。
-
ファイルに対するパスワード設定の要/不要に関しては、先方の指示に従ってください
-
デジタルの履歴書をメール添付で提出する場合、当該メールの件名に関して書式が指定されることがあるので、よく確認してください(指定がなければ「履歴書ご送付の件/氏名」などと簡潔かつ分かりやすく記載します)。
履歴書各項目のポイント
1. 日付
-
郵送の場合は投函日、持参の場合は提出日またはその前日を記入します。
-
年号は、履歴書全体(日付欄、学歴欄、職歴欄、資格欄など)で和暦・西暦どちらかに表記を統一します。
2. 写真
-
写真は、履歴書で最初に目を引き、第一印象を大きく左右する要素です。
-
3カ月以内に撮影した証明写真を使用します。
-
フォトスタジオで撮影することが望ましいです。照明などを整えてプロの技術で撮影してくれることに加え、撮影データをレタッチして肌色の補正などをしてくれます(デジタルの履歴書を提出する場合は、撮影データの提供を依頼しましょう)。
-
好印象を与える表情、清潔感のある服装(無地のジャケット・スーツ着用推奨)を心がけます。
-
記入ミスがあると書き直しになるため、写真は記入完了後に貼付します。
-
はがれないよう隅々までのり付けするか両面テープを使用します。
-
さらにはがれた場合を想定して、写真裏面に氏名や学校名などを記入しておきます。
3. 氏名
-
氏名は、他の項目よりも大きめにはっきりと記入します。
-
ふりがなは、項目名が「ふりがな」となっていればひらがなで、「フリガナ」となっていればカタカナで記入します。
-
自身の名前がひらがなやカタカナでも、ふりがなは省略せずに記入します。
4. 押印
-
朱肉を使用するタイプの印鑑を用意しましょう(インク浸透印は不可)。
-
印鑑が傾いたりかすれたりすると、すべて記入した後では一から書き直しになってしまいます。氏名を記入したらすぐに押印し、乾いた後で続きを記入していきます。
-
デジタルの履歴書に関しては、特段の指示がない限り、押印(電子印鑑)は不要です。
5. 生年月日・年齢
-
提出時の年齢を記入します。
6. 現住所
-
都道府県名から建物の名称・号室まで省略せずに記入します。
7. 連絡先
-
日中に連絡の取りやすい電話番号を記入します。
-
固定電話がない場合は、携帯電話番号だけでもOK。
8. 学歴
-
義務教育については、卒業年度のみの記入や省略も可。
-
高等学校以上の学歴は、必ず入学・卒業両方の年次を記入します。
-
入学・卒業の校名が同じでも「同上」などの省略は不可。
-
学部・学科・専攻名は省略せず正式名称を記入します。
-
卒業後に校名変更があった場合は、当時の校名に続けて現在の学校名をカッコ書きで記入します。
-
短期留学経験などアピールしたい学歴がある場合は、最終学歴の次にまとめて記入します。
9. 職歴
-
アルバイトや実習、インターンシップ&キャリアは通常、職歴に含みませんが、応募職種に関連していてアピールポイントになる場合には、志望動機や自己アピール欄などに盛り込みます。
-
病院でのアルバイト経験がある場合は、病院名とともに「業種」「部署」「業務内容の概略」などを記入しておくといいでしょう。
-
職歴が複数の場合は、それぞれの入職・退職年月を記入します。
10. 免許・資格
-
応募に必要な免許・資格をはじめ、普通自動車免許などの一般的な資格や、業務に生かせる資格を中心に記載します。
-
比較的簡単に習得できる資格や、趣味に偏った資格などは記載を控えた方が無難です。
11. 本人希望欄
-
配属先の希望や、寮や保育施設がある場合の利用希望などを記入します。
-
具体的な希望給与額や勤務時間について触れるのは避けた方が無難です。
12. 志望動機・自己アピール
-
面接時に話題となる可能性が高いため、仕事への熱意や意気込みが感じられるよう、前向きな気持ちで記入します。
-
「長文になる場合はタイトルをつける」「結果を冒頭に書く」「箇条書き」「文量(記入スペースの8~9割)」といったことを意識して、読みやすさを工夫します。
-
就職志望先の業務内容や事業の方向性に合わせた自己アピールをします。
-
自分の経験を基にして、具体的な内容となるよう心がけます。
-
事前に職場見学をしている場合は、そのときの印象やエピソードを盛り込むのもいいでしょう。
-
面接で問われることを意識して、自分の考えを自分の言葉で表現します。ただし、話し言葉や学生言葉はNGです。
郵送・提出のポイント
1. 郵送・提出前のチェック事項
-
誤字脱字はないか
-
ふりがなを書き忘れていないか
-
写真の裏面に学校名・氏名を記入したか
-
写真はしっかり貼ったか
-
押印されているか(押印欄がある場合)
-
住所、学校などを省略せずに書いているか
-
入学・卒業の年月に誤りはないか
-
面接準備のために履歴書のコピーを取ったか

2. 郵送・提出時のチェック項目
-
封筒には応募書類に加え、送付状も同封する
-
デジタルの履歴書をオンライン提出する場合も、履歴書とは別に送付状ファイルを作成し、一緒に提出するとよいでしょう(先方から送付状不要の指示がある場合を除く)。