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歯科衛生士の職場として企業が占める割合は1%にも満たないといわれています。かなりのレアケースですが、そこでしか得られない発見や成長を手にできるかもしれません。企業で働く歯科衛生士の業務内容やその特徴をご紹介します。

職場の概要

歯科材料メーカーに勤務する場合を考えてみましょう。開発部門であれば、自社ブランドの歯ブラシや歯磨き粉などの開発に携わります。製品自体の開発研究だけでなく、他社製品のリサーチ、市場のリサーチなども必要になるでしょう。多くの消費者に自社製品を手に取ってもらえるように、歯科医学の観点だけではなく、世間のニーズをくみ取っていかなければなりません。予防を中心とする歯科医学の重要性を社会全体に広めていく影響力の大きな仕事だといえるでしょう。

営業部門であれば、病院や歯科医院を訪れて、自社製品の紹介や詳しい説明をしていきます。同時に、現場のニーズを吸い上げて会社にフィードバックする役目も果たします。時には、教育機関(大学や歯科衛生士・歯科技工士専門学校)で歯科材料に関する講習会をすることもあります。医療現場で働く場合とは違ったやりがいや面白さを味わえるでしょう。

求められる意識やスキル

企業で働く以上、「広い意味での利潤の追求」は忘れてはならない基本姿勢です。企業は継続的に利益を出すことで持続可能になりますが、そうならなければ事業を通した社会貢献はできません。利潤追求と社会貢献は車の両輪であることを理解し、企業の一員として力を尽くしていく必要があります。

求められるスキルの一例としては、医療現場とはまた違ったビジネスマナーがあります。入社後の研修を通して学ぶことになるでしょうが、少しずつ慣れていきましょう。服装については、医療従事者の場合とは違い、制服が貸与されるわけではありません。TPOを考慮したビジネスファッションを取り入れて、企業のイメージを損なわないよう意識しましょう。

それから、基本的なPCスキルは必須だといえます。会議や講義の事前準備、終了後の議事録など、文書やスライドを作成する機会は多々あります。ポイントを押さえた資料をスピーディーに作る能力があれば、社内だけでなく社外からの評価も上がり、活躍の場が広がるかもしれません。

よく検討したいポイント

まずは「歯科衛生士の資格を持ちながら医療現場以外の場所で働くことの意味」をよく考える必要があるでしょう。これまで培ってきた知識やスキルを生かせるかどうか、医療に従事する道とは違ったかたちで社会貢献が果たせるかどうか、情報収集を重ねながら判断してください。その上で、企業の理念やポリシー、製品の強みは各社で異なるため、「その企業に就職して何がしたいのか」をじっくりと吟味してください。

いきいきと働くためにはワークライフバランスも重要であり、勤務日数、勤務時間、残業の有無、休暇などについては事前に確認しておきましょう。例えば、診療終了後の時間に病院や歯科医院を訪問することがあるかもしれません。あるいは、休診のタイミングに合わせて土曜日の午後や日曜日に訪問することもあり得ます。顧客ファーストで仕事をしながらワークライフバランスもしっかりと確保できる、そうした職場を選びたいですね。

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