流行の兆しを察知して日本一のインポート柔軟剤を売る店舗を作り出す

PROJECT

中央物産株式会社
M&S(マーケティング&セールス)本部
吉川 将之
経済学部 経済学科出身/2007年入社

プロローグ
吉川 将之

1999年に大学を卒業後、他業種へ就職した吉川。その後日用品を専門に扱う大阪の商社に転職した。「シャンプーや洗剤など、誰もが日常で使用し、必要とされる商品を扱うことにやりがいを感じました」。2007年、この商社が中央物産と合併することになり、吉川も中央物産の社員に。「大阪の商社から、全国規模の商社へ。スケールが大きくなる可能性と上場会社の社員としての責任を感じました」。

CB Groupだからこそ提案できる販売戦略で取引先の売場の景色を変えていく

吉川 将之

「若いころはとにかく毎日がむしゃらに仕事と向き合い走っていた」。20代の自分を吉川はそう振り返る。大阪では主にホームセンターやディスカウントストアを取引先とし、洗剤カテゴリーを担当していた吉川。自分の売上げ目標を達成することに執着し、一つでも多くの商品を納品することをやりがいとしていたという。「今振り返ると、お客様視点ではない商売をしていました。取引先からは“中央物産の洗剤カテゴリー担当”と認識されてはいるものの、売場におけるキーパーソンにはなれていない。競合他社まで巻き込んで売場を作れるくらいの信頼を獲得する必要がある。いつしかそう思うようになっていきました」。30歳を目前に、自分の売上目標を追求するだけではなく、取引先の売上・利益目標に貢献するために、自分は何ができるのか、何をすべきか。そう考えるようになった。

安さのみのアピールで商品を納品しても取引先の利益は小さい。それよりも付加価値のある商品を取引先に提案し採用してもらうことが必要だと気づいた吉川。中央物産にしかできない提案をしていくことにより、競合他社とも差別化ができ、取引先の売場の景色が変わる。「安ければ売れる」という価値観から、「少し高価でも欲しいものを手に入れたい」という消費者ニーズに応えていこうと考え方が変化していった。

そこで吉川が目をつけたのが、インポートの香り付き柔軟剤だった。インポート洗剤や柔軟剤への注目が高まりつつあった2010年。巷にあふれる並行輸入とは異なり、中央物産は国内唯一の正規代理店として、この商品を製造する世界トップクラスの生活消費財メーカーと契約を交わしていた。「正規代理店ならではの安心感、メーカーと直結しているからこそできるオリジナルの売場展開など、他社にはできない強みが中央物産にはある。そこを取引先にアピールしよう」。会社戦略的にもこの商品をきっかけとして新たな市場をつくっていこうとしていた矢先だったこともあり、上司や先輩のアドバイスをもらい一緒に提案書を作成した。売場演出に必要な販促物、ポスターやボード・ポップなどは商品部が全面サポート。全社一丸となり香り付きインポート柔軟剤の提案をした結果、取引先バイヤーに受け入れられた。そこから、中央物産と取引先バイヤーとが、共に一つの売場を作り上げていくというプロジェクトが始まった。
インポートの香り付き柔軟剤という特徴ある商品をどのように売場でお客様に伝えるのか、それが最初の課題だった。通常の洗剤コーナーに置くよりもインポート洗剤だけを集めたコーナーを作った方がお客様の目にとまりやすいと考えた吉川は、取引先バイヤーと何度も商談を重ねた。取引先が全国展開のホームセンターという特徴を活かし、店舗やエリア特性によりテスト的に売場を変え、ベストな売場を模索していく。その結果インポート洗剤のコーナーを作った売場の方がお客様に好評で売上が予想以上に上がった。「そこで今後の新たな方針が決まりました。新しいものを積極的に受け入れる若い人が多く住むエリアに対しインポート売場を展開していくことにしたんです」。その提案が当たり、目標売上・利益を達成。さらにはバイヤーに対して「日本一この商品を売る企業になりませんか?」と持ち掛け、タッグを組んで売場のブラッシュアップを続けた。

このプロジェクトの成功によって、バイヤーとの信頼関係が強固になったことは言うまでもない。「バイヤーは、吉川さんが言うならやってみよう!と、新しい提案に乗り気になってくれました。取引先やその先の消費者のことを思っての提案で成功を勝ち得たからこそできた関係だと思います」。

この経験と手ごたえを携え、2014年4月からは東京の本社勤務となる。新しく国内最大規模の小売店を担当することとなった吉川。東京に来て感じたのは、集まってくる情報の多さだという。「大阪時代は直感に頼った仕事をしていたのかもしれません。しかし今度は、データに基づいた提案や、グループ会社との連携もしやすい環境に。自分の強みが増え、新しいステージに行けそうな気がして楽しみです」。

今後の目標は、消費者ニーズを満たす商品を新たに見つけることだ。「今度の取引先は全国規模のスーパーマーケット。日本の市場に大きな影響力がある企業です。数万にも及ぶ商品を扱う中央物産の強みを活かし、取引先と一緒にヒット商品を生み出すチャレンジをしていきます。そして、日本の日用品の流行を変えていきたいです」。

「吉川さんが言うならやってみよう!」バイヤーとの信頼関係とチャレンジで成功を勝ち取る

吉川 将之