大学で流体力学を学んだことがきっかけで、航空機や宇宙開発に興味を持つようになりました。就職活動でタマディックを選んだのは、他に宇宙開発に携われる会社が少なかったことと、ここでならいろいろなことに挑戦できると思ったからです。そして、何よりも選考の過程で会った先輩エンジニアたちの人柄に惹かれたからでした。入社後配属されたのは、国際宇宙ステーションで宇宙飛行士がさまざまな実験を行うための装置を開発する部門。それがどんな装置なのか、正直見当もつきませんでした。
配属後しばらくは、技術的なことよりもまず、宇宙で行う実験の種類や注意点など、実践に必要な知識を少しずつ学んでいきました。宇宙で使う装置で地上と明らかに違うのは、それが無重量の状態で使われるということ。たとえば水を使う実験装置では無重力空間内での水の動きを知ることや、宇宙飛行士がケガをしないように、カドのないつくりにする必要があります。また一つひとつの装置が一点もののオーダーになるため、マニュアルづくりなど、設計以外の重要業務も他分野の開発職に比べれば多くあります。
できあがった装置は、JAXA(宇宙航空研究開発機構)にて最終チェックを受けます。そこから上がってきた修正に対応し、いよいよ自分のつくった装置が宇宙へ。所定の実験が行われ、2週間程度で地球に戻ってきます。私自身、自分のつくったものが宇宙に行くとは、想像もしていませんでした。エンジニアとしてのキャリアはまだまだですが、案件によっては、NASA(アメリカ航空宇宙局)へ出張に行くなど、キャリアに関係なく特別な経験ができることに、いつもワクワクしています。