ものづくりに
貢献していることを
実感できる
経済学部 国際経済学科 2016年入社
用地取得や入札・発注手続き、国内の海運事業者への資金的・技術的支援、組織運営に関わる管理業務など、多種多彩な仕事でものづくりを支えるのがJRTTの事務職。専門的な知識が要求され、数字と向き合う場面も多いので、日本全国どこにいても事業スケールの大きさを十分に実感できるはずだ。
※掲載内容は取材当時のものです。
北海道新幹線の会計決算業務
就職活動は『社会や生活を支えている実感が得られる仕事』『地図に残る大きなものをゼロからつくりあげていける仕事』という2つの軸で進めました。最終的にJRTTを志望したのは、説明会で先輩たちから仕事の内容とやりがいを聞き、ここならそのどちらも叶えることができると感じたからです。車両メーカーや鉄道事業者への就職も考えていましたが、日本を代表する交通インフラである新幹線の建設に深く関わりたいという気持ちが勝りました。
キャリアのスタートは、北海道新幹線建設局経理課での会計決算業務です。私が担当していたのは北海道新幹線(新函館北斗・札幌間)の建設に関わる費用(建設費、水道光熱費、消耗品費など)で、毎日各部署から届く請求書を確認して会計システムに金額を入力し、月末に月次決算資料を、年度末には年次決算資料を作成するのが主な業務でした。
大学時代に簿記2級の資格を取得していたので会計の基礎知識はあり、数字への苦手意識もありませんでした。しかし、仕事として毎日作業を続けるのは初めてですので、前年度のファイルを参考にしながら入力し、判断に迷ったときは上司や先輩に聞く、という形でスキルを高めていきました。
正確な数字をコツコツと積み上げていくという点では事務職らしい仕事ですが、扱う金額が大きいので国家的なプロジェクトを担っているという実感は十分。日々、緊張感をもって仕事をして毎月月次決算資料の提出にホッと一息つき、1年間の総まとめである年次決算資料の完成には大きな達成感を味わう… そんな2年間でした。
強く印象に残っているのは、『金額のまちがいは、1円も100万円も同じ』という上司の言葉です。これは、経理は100%の精度が求められる仕事であり、1円の入力ミスも100万円の入力ミスも同じように起きてはならないことである、という意味です。今も数字を扱うときにはこの言葉を思い出して気持ちを引き締めています。

その願いが叶った用地取得業務
JRTTは職種に関係なく一定期間ごとに全国的な転勤があり、私も入社3年目に大阪支社の用地第一部(現:北陸新幹線建設局石川用地部)へ異動しました。ここでは、1年目に北陸新幹線(長野・金沢間)の財産整理業務、2年目からは北陸新幹線(金沢・敦賀間)の用地取得業務を担当しました。
財産整理とは、土地の交換等に関わる契約手続きや登記処理などのことです。新幹線を建設する際には状況に応じて、既存の道路・水路の付け替え(別の場所に移すこと)を行います。そのため、開業後は付け替えた道水路を自治体に引き渡し、潰してしまった道水路敷地をJRTTが取得する、という手続きが必要になるのです。図面を見ているだけでは完結しないので、何度も金沢市などへ出張して現地の状況を確認し、自治体との打合せを重ねました。
新幹線の用地取得業務はトンネルや高架橋、橋りょうなど、本線の構造物の建設予定地以外でも行っていて、私が担当したのは遠方地震計用の土地です。遠方地震計は地震を早期に検知して新幹線を安全に停止させるための設備で、線路とは離れた数カ所に設置します。本線の建設予定地とは違い、自治体の所有地を利用するケースが多いですが、趣旨の説明から協議、契約に至るまでの道のりは同じ。契約の締結をめざして、支社と現地を何度も往復しました。
その間は、本線の土木構造物が作られ、完成に近づいていく過程を間近で確認していました。残念ながら遠方地震計設備の完成を見届けることはできませんでしたが、新幹線という日本を縦断する鉄道網の整備に関わることの責任を感じながら仕事ができた2年間でした。

まだ経験のない仕事に挑戦して成長していきたい
そして現在は、本社の経理資金部会計課に所属。役割は、文房具、パソコン、建設現場で着用する作業服やヘルメットなど、JRTTの業務に必要な事務用品の発注です。JRTTは公的機関ですので、各部署から購入依頼があった物品を発注する際にはWebサイトなどで入札の公告等を行います。その後、参加業者からのさまざまな問合せに対応し、開札等を行い、受注業者が決定すれば契約書を締結する、という流れになります。工事や役務(設計・調査業務等)の契約・発注とは異なり、鉄道建設に直結する業務ではありませんが、品目が多いのですべての発注が完了して納品書が届いた時には、責務を果たせてよかったという気持ちになります。
仕事を進めるうえで心掛けているのは、入札等に関する問合せ内容の共有を徹底すること、急ぎの場合にも可能なかぎり自分のところでスピードアップをはかること、ケアレスミスを減らすことの3つで、なかでも力を入れて取り組んだのはミスを減らすこと。配属された当初、発注用フォーマットへの記入の際に同じような入力ミスが続いたので、仕事の進め方を根本的に変えることにしたのです。
そして行き着いたのが、自分専用のタスクチェック表の作成と、表計算ソフトのマクロ機能を使った作業の自動化です。マクロ機能はそれまで使ったことがなく、同じ課に詳しい人もいなかったので、書籍を購入したり、ネットで検索したりして学びました。その結果、手入力でのミスがなくなり、作業効率は大幅にアップしました。マクロ機能の習得度は、今でも人から教えてほしいと頼まれたらちょっと困るレベルです。それでも、人は必ずミスをするという前提で考えれば、それまでベターだと思われていた仕事の進め方にも改善すべき点が見つかると分かったので、意義あるトライだったと思います。
JRTTの事務職は業務の幅がきわめて広く、5年目を迎えた今も経験できた仕事は一部分に過ぎません。ですから今後のキャリアをイメージするのは難しいですが、総務、管財、新幹線の本線部分の用地取得、工事・役務の契約など、やってみたいことはたくさんあるので、初めての場所で、まだ経験のない仕事に挑戦して成長していきたいですね。

MESSAGE
JRTTの事務系の仕事は、大きく「鉄道建設部門」「船舶共有建造部門」「管理部門」の3つに分かれます。特に、JRTTならではの仕事と言えるのが鉄道建設部門の仕事になります。鉄道を通すために必要な土地を取得する「用地業務」、入札など公正な発注手続きを管理する「契約業務」、自治体などの公共施設管理者との協議を行う「設計協議業務」があります。
私自身、用地業務を担当していた際は何度も現場に行きました。技術系職員とも協力して業務を進めていくことが多いので、事務系の職員でありながらも、ものづくりに貢献していることを実感することができると思います。
また、同期を含め近い世代の若手が社内に多いため、何かあった時にすぐ聞くことができて助かっていますし、先輩や上司などにも気兼ねなく疑問や質問をできる雰囲気があり仕事がしやすいと感じます。
全国規模で事業を行っているため、どうしても一定期間ごとに転勤があり、引越しすることもありますが、希望すれば誰でも宿舎(世帯者向け)・寮(単身者向け)を貸与してもらえますし、引越しの手配を会社がしてくれるため、その点もありがたいですね。
