20卒
2021年1月22日
2020年10月調査
<調査概要>
■調査期間:2020年10月12日(月)~2020年10月18日(日)
(就職活動時のデータの調査期間:2019年7月25日(木)~2019年7月31日(水) 「マイナビ 2020年卒 学生就職モニター調査 7月の活動状況」)
■調査対象:2020年卒業予定として就職活動を行い、その状況をモニター調査で回答した方を対象とした追跡調査
(マイナビ 2020年卒 学生就職モニター調査 7月の活動状況」回答時点で大学4年生及び院2年生だった方)
■調査方法:WEB上のアンケートフォームより入力
■有効回答数:893名 [内訳:文系男子 170名 理系男子 253名 文系女子 220名 理系女子 250名]
入社後半年調査の記事もいよいよラストの第3段!今回はまず勤務先総合満足度と勤務先において充実していると思う福利厚生の関係を見てみましょう。
最も大きな差がついたのは「在宅勤務・テレワーク・リモートワークの実施」、その次が「時差出勤・オフピーク通勤の実施」で、いずれも with コロナで従業員の健康を守るための施策となりました。「在宅勤務・テレワーク・リモートワークの実施」は「満足度5」の勤務先では 40.4 %、「満足度3以下」では 17.1 %とその差は 23.3pt 。「時差出勤・オフピーク通勤の実施」は「満足度5」で 24.9 %、「満足度3以下」で 6.7 %と、その差は 18.2ptでした。
続いて、「社宅や家賃補助」(「満足度5」49.8 %、「満足度3以下」32.5 %、その差 17.3pt )については、就活時のアンケート (20 年卒モニター調査 8 月)の「企業の福利厚生をチェックするとき注目したポイント」でも、「家賃補助」が 1 位 64.0% 、「社宅・社員寮」が 2 位 51.8% となっていました。従業員の住宅環境充実に関する福利厚生は、就職活動時の企業選択においても、入社後の満足度の高さにおいても、それぞれ影響が大きいようです。こちらも差が大きかった「資格取得補助・資格手当の支給」(「満足度5」33.8 %、「満足度3以下」 17.9 %、その差 15.9pt )については、「将来のキャリア展望(理想とする将来のキャリアプランを実現できそうか)」に関わることで、「現在の勤務先の総合満足度」に影響していると考えられます。
次に、配属先について伺いました。現在の配属先が希望通り希望通りか聞いたところ、希望通りと回答したのは文系 60.5 %、理系 73.5 %でした。職種別採用の多い理系が文系よりやや高い結果となっています。
希望職種別にみると、理系では「技術・研究系」職種希望の場合は90.3 %、「 IT 系」職種希望の場合は 91.8 %と、いずれも希望通り配属された割合が 9 割を超えています。一方の文系では、「 IT 系」職種希望の場合は 86.5 %、「事務・管理系」職種希望の場合は 80.2 %と比較的高い割合で希望通りとなっていましたが、「企画系」職種希望では 25.0 %と低いことがわかりました。
また、希望職種通りに配属されたかどうかを「現在の勤務先総合満足度」別で比較すると、希望通りの場合は文理とも「満足度5」の割合が高くなり、ある程度影響があると言えそうです。
では、満足度に影響していた在宅勤務の状況はどうだったのでしょうか?入社してから半年の間に在宅勤務の日(在宅でのオンライン研修含む)があったか聞いたところ、「あった」と回答したのは 71.0 %となりました。
在宅勤務日があった割合を勤務先の業種別に見てみると、「ソフトウエア・通信」では 9 割を超えていたことがわかります。業種柄、コロナ禍以前より在宅勤務を行う環境が整っていたのでしょうか。
在宅勤務が入社後半年間でどれくらいの日数だったかを聞いたところ、文理でその差は余り見られませんでしたが、こちらも「ソフトウエア・通信」が86.5日と、その他の業種と比較してかなり長い結果となっていました。
では、2020年新卒入社のみなさんの初出社日はいつだったのでしょうか?在宅勤務はあったが入社初日は出社したという方は全体の39.5 %、入社初日から在宅勤務だったという方は 31.5 %という結果でした。入社初日から在宅勤務だった方には初出社日も伺ったところ、5月25日の緊急事態宣言解除を受けてか6月1日が多い結果となっています。調査を行った10月時点で1度も出社していないという方もなんと0.7%!同期や同じ部署の方ともまだオンラインでしか会っていないという状況でしょうか。
合わせて在宅勤務の有無が「現在の勤務先総合満足度」に影響するか調べたところ、「満足度5」の割合は、在宅勤務ありの場合が 29.6 %、在宅勤務なしの場合は 16.5 %となりました。
ただし入社初日の状況では特に差は見られませんでした。
さて、在宅勤務の方も多かった2020年。入社前後で行われる各種研修はどの様に行われていたのでしょうか?入社を決めて、内定者として研修を受けた時期( 2019 年 10 月~ 2020 年 3 月)は緊急事態宣言発出前、新入社員として研修を受けた時期( 2020 年 4 月~)は緊急事態宣言(発出 4/7 、全国拡大 4/16 、解除 5/25 )が出ていた時期と重なっていました。その様な状況下で、内定者研修を受けた割合は 56.5 %、新入社員研修を受けた割合は 93.0 %でした。
それぞれの研修が、集合研修だったのか、オンライン研修だったのか聞いたところ、内定者研修ではオンライン研修が 24.8 %だったのに対し、新入社員研修では 60.3%と、緊急事態宣言が研修のオンライン化に影響したようです。なお、60.3 %の内訳は、オンライン研修のみが 34.8 %、オンライン研修と集合研修の両方があったが 25.6 %となっています*。
*合計数が合わないのは、小数点以下第2位で四捨五入しているため
研修の満足度について、集合研修、オンライン研修それぞれについて聞いたところ、内定者研修では「満足度1または2」(満足度が低い)の割合はオンライン研修の方がかなり高くなりました(集合研修 8.9 %、オンライン研修 29.5 %)。しかし、新入社員研修では、集合研修とオンライン研修で満足度の差はそれほどありませんでした。
最後に現在企業勤務か公務員勤務の方に、調査時点で、転職についてどのように考えているかを聞いたところ、「これまでに転職しようと考えたことがある」と回答したのは 17.2 %、「将来的に転職することも考えている」は 48.8 %でした。入社半年後にして全体の 6 割弱が、将来も含めて転職を考えているという驚きの結果です。
「現在の勤務先総合満足度」は転職を考えている割合にどの程度影響するかを分析したところ、「これまでに転職しようと考えたことがある」割合は、「満足度5」 では 5.6 %であるのに対し、「満足度3以下」では35.8 %と、大きな差がつきました。
どの様なきっかけで転職を考え始めたのでしょうか?回答数が2 割を超えたのは、「給料が低い」( 29.5 %)、「やりたい・向いている仕事ではない」( 25.4 %)、「この会社でキャリアを積むイメージがわかない」20.2 %)の 3 つでした。文系・理系での回答の差が大きかった項目を見てみると、「上司と合わない」(文系 20.3 %、理系 9.1%)、「プレッシャーや業務量が多い」(文系 19.6 %、理系 12.1%)の2点が、文系の割合が大きい結果でした。
転職を考えたことがある方に具体的にやりたい仕事があるのかをきいてみると、およそ3割が特にやりたいことはないと回答し、現在の環境に不満があることが伺えます。
転職に関する自信については、「ある」が36.5%、「ない」が63.5%となり、実務を経験しもっと活躍できる場が欲しい!と自信をつけた人がいる一方、転職はしたいけど、まだ半人前だから自信がないと感じている人も多いということでしょうか。
全3回に渡ってお送りしたコロナ禍で新卒入社を迎えたみなさんの現状について、いかがでしたでしょうか?就活時に知っておきたかった情報や、入社後の満足度が何に起因するのかなど、これから入社や就活を迎える2021-22年卒のみなさんにも参考になれば幸いです。