22卒
2021年6月30日
2020年12月調査
<調査概要>
■調査期間:2020年11月26日(木)~2020年12月23日(水)
(前年調査:2019年11月25日(月)~2019年12月23日(月))
■調査方法:2020年11月30日時点のマイナビ2022会員の大学生・大学院生にWEB DMを配信。
2020年11月26日に過去のアンケート回答者にWEB DMを配信。
■有効回答数:3,938名 [内訳:文系男子 621名 理系男子 594名 文系女子 1,871名 理系女子 852名]
新型コロナウイルス感染症は、22年卒として就職活動を行う予定の学生のライフスタイルにどのような影響を与えたのかを調査しました。まずは「大学への通学率」から見ていきます。
学校に週何日通っているか・平均 (単位:日)
オンライン授業を除き、実際に週何日学校に通っているか聞いたところ、全体の平均は1.8日でした。前年同時期の調査では4.1日だったので、22年卒学生は21年卒学生の半分も学校に通えていないことがわかります。文理別で見てみると文系は平均1.2日、理系は平均2.9日となっており、実習や研究など大学でしかできないものがある理系と比較すると、文系学生は週1日通っているかどうかという状況。
エリア別学校に週何日通っているか・平均 (単位:日)
年次推移でみてみると、調査開始の14年卒から前年21年卒まで、文系は3.8日~4.0日、理系は4.6日~5.0日の間で大きな変化がなく、新型感染症の影響で2020年から急に減ったことがわかります。なお、学生の居住地別(4分類)で集計すると、関東地区とそれ以外で差が出ており、関東地区の文系学生は0.6日で、1日にも満たない状況です。また、0日(=「全く行っていない」)の学生の割合は、理系学生が18.3%であるのに対し、文系学生は44.9%と4割を超えています。関東地区の文系学生では、66.9%が学校に全く行けないという状況になっていました。
4月以降、何日学校に行ったか・地区別文理別平均 (単位:日)
新型コロナウイルス感染症流行中において「4月以降、何日学校に行ったか」を聞いたところ、全体の平均は38.5日でした。文系の平均は23.2日、理系の平均は64.8日と、文理差が大きくなっています。なお、関東地区の文系学生は平均9.8日とさらに少なくなっていました。比較的学校に行っていた理系の中でも、関東地区の理系学生(40.2日)とその他の地区※の理系学生(82.8日)では倍以上の差がありました。
※その他の地区:関東、関西、東海以外の地区
新型コロナウイルス感染症流行の拡大は、22年卒学生の生活を支えるアルバイト収入にも影響しました。
アルバイトによる 1 か月平均の収入 (単位:円)
アルバイトによる1か月平均の収入を聞いたところ、全体の平均は3万3,559円で、前年より5,914円減(15%減)でした。文理別で見ると文系学生の平均は3万6,699円(前年比6,164円減)、理系学生は2万8,147円(前年比5,148円減)となっています。アルバイト収入が月1万円未満の学生の割合は全体の35.3%(前年比5.0pt増)で、前年よりやや増えています。
定期的なアルバイトをしている割合
次に定期的なアルバイトをしているかどうかで収入の違いを算出したところ、定期的なアルバイトをしている学生の1ヶ月の収入平均は4万2,195円(前年比4,056円減、8.8%減)、定期的なアルバイトをしていない学生は5,743円(前年比2,169円減、27.4%減)で、定期的なアルバイトをしていない学生のほうが減収割合が大きくなっていました。定期的なアルバイトをしている学生の割合は前年比6.4pt減の74.5%となっており、これに伴って週平均のアルバイト日数、1週間のアルバイトをしている時間も減少していました。
アルバイト代や親からの仕送りなどのうち1ヶ月に自由に使える金額を聞いたところ、全体の平均は前年比3,080円減の3万184円でした。定期的なアルバイトをしている学生の自由に使える金額平均は3万3,214円(前年比1,886円減)、定期的なアルバイトをしていない学生は平均2万424円(前年比4,292円)と、定期的なアルバイトをしていない学生のほうが減少幅が大きい傾向にあります。
新型コロナウイル感染症流行の拡大で、学校に行く日数やアルバイト収入が減った学生は何に時間を使っているのでしょうか?
スマートフォンを1日平均何分使っているか・平均 (単位:分)
まず、スマートフォンを1日平均何分使っているか聞いたところ、全体の平均は225.7分(3時間45分42秒)で、前年より26.9分増加しました(26分54秒、13.5%増)。男子は平均213.7分(3時間33分42秒、21.6分増)、女子は平均231.1分(3時間51分6秒、29.0分増)で女子のほうが使っている時間が長くなっています。
スマートフォンを使って見る動画の長さは 1 日何分くらいか・平均 (単位:分)
次にスマートフォンを使って動画を見る時間は1日平均何分か聞いたところ、全体の平均は66.4分(1時間6分24秒)と、前年より16.9分増加した(16分54秒、34.1%増)。男子は平均71.6分(1時間11分36秒、14.6分増)、女子は平均64.0分(1時間4分0秒、18.1分増)で、動画を見ている時間は男子のほうが長くなっていましたが、増え幅は女子のほうが高くなっています。スマートフォンを使っている時間のうち動画を見ている時間の割合(=動画を見る時間/スマートフォンを使っている時間)は全体で29.4%で前年より4.5pt増加しました。
よく利用する SNS (複数回答・前年より増加したものから抜粋)
スマホや動画コンテンツの利用時間が伸びているのに合わせ、YouTubeを利用する学生は全体で65.7%(前年比21.0pt増)と、前年より大きく増加しました。男女別で見てみると男子は64.6%(前年比20.9pt増)、女子は67.0%(前年比21.0pt増)でした。また、利用率の高いSNSでは、男子の「instagram」の割合が増加(62.7%、前年比6.0pt増)。全体に占める割合は大きくないものの、リモート授業の普及で「Slack」(男子 11.7%、前年比6.6pt増 / 女子 8.1%、前年比4.1pt増)の利用が伸びたり、「TikTok」(男子 7.9%、前年比3.0pt増 / 女子 12.7%、前年比8.3pt増)の利用割合も男女ともに増加しました。
今何に「楽しさ」を感じているか 複数回答
40の選択肢から今「楽しさ」を感じているものを伺ったところ、男子の選択割合が最も高かったのは「YouTube、動画鑑賞」(44.8%、前年比6.9pt増)、女子の選択割合が最も高かったのは「会って話す」(53.8%、前年比2.8pt増)となっていました。「YouTube、動画鑑賞」は女子でも2位(50.7%、前年比12.5pt増)と、男女とも前年より大幅に割合が増えました。withコロナの大学生活で、大学で友達と会う機会が減り、家で「YouTube、動画鑑賞」に「楽しさ」を見出す学生が増えたと考えられます。
前年は男女とも1位だった「会って話す」は、男子ではわずかの差で2位(44.7%、前年比5.4pt増)となったが、前年より割合は増えていました。なかなか会えないからこそ「会って話す」ことの「楽しさ」をより強く感じられる年になっているのかもしれません。
その他、ステイホーム中に「楽しさ」を感じるものとして、男女とも割合が増加したのは「SNS(instagram、Twitterなど)を見る」(男子4位、女子3位)、「音楽鑑賞」(男子6位、女子4位)などがある。
男女差が大きいものを見ると、男子のほうが多い「ゲーム」(3位)「アニメ」(7位)はそれぞれ前年よりやや割合が増えた。一方、女子のほうが割合が多い「睡眠」(6位)「メイク・化粧」(9位)の割合は前年とあまり変わらなかった。
サブスクのサービスで、利用したことがあるもの、やってみたいもの
サブスクのサービスを26種類挙げて、それぞれ「利用したことがある」「やってみたい」「興味がない」の3択で利用状況を聞いてみました。
「利用したことがある」割合が最も高かったのは、男女とも「動画配信」で、それぞれ前年より大きく増加し、6割を超えています(男子 63.4%、前年比16.4pt増 / 女子 66.5%、前年比24.9pt増)。ステイホーム中に「YouTube、動画鑑賞」に「楽しさ」を見出す学生が増える中、積極的に課金して「動画配信」を楽しむ学生が増えたようです。今利用していないが「やってみたい」と答えた割合も男子16.5%、女子17.7%で、今後もさらに利用率が伸びる可能性が見られます。
2位は男女とも「音楽配信」で、こちらも前年から大幅増となりました(男子 60.2%、前年比13.3pt増 / 女子 64.7%、前年比15.9pt増)。「やってみたい」の割合は男子16.2%、女子16.6%で、「動画配信」とともに、さらに利用率が伸びるのではないでしょうか。
興味のある社会問題 (複数回答)
全体の割合の推移・22年卒の1-3位
22年卒の学生に26の社会問題の中から興味のあるものを伺いました。全体で最も多く選択されたのは「伝染病・感染症対策※」(52.1%、前年比42.6pt増)で、前年の9.5%から約5.5倍増となりました(※前年までは「伝染病対策」)。調査開始の16年卒の23.8%から前年まで年々割合が下がっていた項目ですが、日本を含む世界中での「新型コロナウイルス感染症」の拡大を受けて、急増しました。
興味のある社会問題 (複数回答)
文理男女別のTOP5を見ると、「伝染病・感染症対策」以外に4つの分類に共通してTOP5にランクインした社会問題はなく、それぞれ特徴あるランキングとなっています。「国際政治・民主化運動」は、香港の民主化運動が連日メディアに取り上げられていましたが、文系男子で2位(39.3%)理系男子で3位(36.5%)と男子で興味がある割合が高い一方、女子では低く、理系女子では2割を切っていました(文系女子 27.9%、理系女子 16.1%)。
「地球温暖化」は、当時のトランプ政権のパリ協定脱退や中国をはじめとするEV(電気自動車)へのシフトなど、大きな話題となることが多かったが、理系男子で2位(41.9%)理系女子で4位(36.5%)と理系のほうが興味がある割合が高い(文系男子 31.7%、文系女子 33.5%)傾向にありました。
「少子化・働く女性支援」は17年卒で選択肢に追加して以来、文系女子で6年連続1位(58.3%)、理系女子では前年まで5年連続1位だったものが今回調査では2位(54.2%)となりました。一方、男子では文理それぞれ女子の半分程度の割合(文系男子 29.8%、理系男子 23.9%)と、ライフプランに合わせた支援への関心は女子学生のほうが高く見られました。
今年新たに追加した「医療崩壊・医師不足」は、理系男子で4位(31.1%)理系女子で3位(40.1%)に入っていましたが、文系では男女ともやや低く(文系男子 21.9%、文系女子 26.0%)、「伝染病・感染症対策」に比べて文理差が大きな項目となりました。
コロナ禍が学生のライフスタイルににも色濃く影響していることがわかる調査となりました。次回後編では、将来のライフスタイルイメージや就職活動でのアピールポイントにどのような変化があったかをお伝えします。