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卒業生インタビュー

〝早稲田〟で培った熱い思いと知見を武器に
世界屈指のコンサルティングファームで躍進

本荘 和真 Honjo Kazuma
マッキンゼー・アンド・カンパニー
政治経済学部 2019年卒

キャリア観形成に資する情報の提供を目的としているものであり、
早稲田大学キャリアセンターが掲載企業への就職を推奨しているわけではありません。

日本のトップ30社の8割をサポートするマッキンゼー・アンド・カンパニー。本荘和真さんはこの世界屈指のコンサルティングファームで、グローバルな視野を持ちながらコンサルタントとして数多くのプロジェクトを推進しています。さっそく、コンサルティング業界を目指したきっかけや入社のいきさつ、そしてコンサルタントとしての矜持などについて語っていただきました。

Profile

2019年早稲田大学政治経済学部卒業。同年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。ビジネス・アナリスト、アソシエイトを経て、エンゲージメント・マネージャーとして事業戦略プロジェクトを推進している。

英会話サークルで感化され
グローバルな環境にあこがれを抱く

 父が金融業界で働いていたこともあり、私は幼いころからビジネスに興味を持っていました。幼少期をアメリカで過ごし、お年玉をドル建てで貯金していたので、小学生ながら「どのタイミングで円に換えれば得か」を考えていたほど。そして、早稲田実業高校に通っていたとき、三枝匡さんの『V字回復の経営 2年で会社を変えられますか』という本に出会い、コンサルタントという仕事、そして事業戦略という言葉に惹かれ、ビジネスへの思いが再燃。高校時代は理系だったのですが思い切って文転し、早稲田大学の政治経済学部国際政治経済学科に進学しました。
 大学ではミクロ経済学や経営学を学びつつ、複数の企業のインターンシップに参加。営業やマーケティングの現場を肌で感じ、ビジネスの基礎を学びました。しかし、振り返ってみるとそれ以上に大きなターニングポイントになったのが英会話サークルへの入会でした。メンバーの人柄に惹かれて入ったのがきっかけでしたが、結果的にその仲間たちに感化されてアメリカのダートマス大学に留学し、グローバルな環境で働きたいという思いを抱くようになったわけですから、縁とは本当におもしろいものです。
 ところで、数あるコンサルティングファームのなかからマッキンゼーを選んだのは、真の意味でグローバルファームだったからです。実際、日本オフィスにも多くの外国籍メンバーがおりますし、日本にいてもすべて英語でコミュニケーションをとるプロジェクトが多数あります。事業会社からも内定をいただきましたが、やはり最終的にはグローバルな環境で幅広い企業の事業戦略に携わることができる環境に惹かれ、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社することにしました。

コミュニケーションを重視しながら
企業戦略やM&Aに関するプロジェクトを推進

 入社後、初めは様々な案件を手掛けましたが、すぐに事業戦略やM&Aに惹かれ、現在はオーストラリア・日本などアジア地域で関連プロジェクトに従事。なかでも印象に残っているのはある大手日系企業のM&A戦略を構築したときのことです。もともと国内市場に特化した企業でしたが、海外市場を視野に事業再編することになり、M&Aを活用した海外展開を検討することになったのです。とはいえ海外にある企業がM&A対象になると、地域・業態・規模といった無数の選択肢から絞り込んでいくことが必要になります。それでも社長や海外事業部長らと膝詰めで議論を交わしながら、同社の強みやM&Aによるシナジーを徹底的に分析し、戦略に落とし込んでいく過程にはとてもやりがいを感じました。
 また、ある大手企業の事業成長戦略に携わったプロジェクトも非常に印象に残っています。同社のある事業が縮小市場にあり、事業戦略を大きく考え直す必要がありました。それでも、客観的にその会社の強みや市場における勝ち筋などを分析したところ勝算を見出すことができ、最終的に同社の業績のV字回復に貢献することができたのです。こうしたビジネスのダイナミズムにかかわることができたのは私にとっても、大きな成長の糧になったように思います。
 ちなみに、こうした事業戦略を手掛けるうえで何より重要になってくるのはコミュニケーションです。経営陣の考えを丁寧に汲み取りながら、経営陣とステークホルダーの双方が納得し、前向きになれるような戦略を構築しなければ、いかに練られた戦略も絵に描いた餅になってしまいます。そのためにも、経営陣とはとくに綿密なコミュニケーションを取り、おたがいの考えに齟齬がないかを確認しながら戦略をブラッシュアップするようにしています。

ウェットで情に厚いグローバル企業で
学生時代の学びを遺憾なく発揮

 コンサルティング業務においては、学生時代の経験がとても役立っているように感じています。ミクロ経済学や企業行動論、企業価値評価、マーケティングなどの知見は、事業戦略を練るときのベースになりますし、経営陣とのコミュニケーションにおいても話のネタになります。とくにコンサル1、2年目の頃は本当に助けられましたね。また、留学時にコンピュータサイエンスをはじめとした理系の科目を履修し、みずからプログラミングコードを書けるようになったことも現在の業務にプラスに働いています。テック系の最新動向やその背景にある技術をすんなり理解できるだけでなく、ITを事業戦略にどう組み込んでいくかといった提案をする際にも役立っています。
 2022年6月には念願だった海外オフィスへの転籍(オーストラリアのシドニーオフィス)が決まり、現地でクライアントのプロジェクトを推進中です。ところで、この話にはちょっとした裏話があります。実は転籍を希望したのには個人的な事情もあったのですが、社内のメンターに相談したところその事情も考慮した上で承認してくれたのです。外資系のコンサルティングファームというと、ドライなイメージを持たれがちですが、マッキンゼーは実にウェットで情に厚いところがあります。そういう意味でも私にとっては働きやすい、理想の職場なのです。

「経営」や「教育」への熱い思いを胸に
コンサルタントとしての道をきわめる

 短中期的にはより多くの企業が成長するための戦略策定支援を手掛けられるようになりたいと思っています。とくにM&Aは企業が飛躍するきっかけになると確信しているので、M&Aを軸にした支援を体系化しより多くの企業に届けたいです。そうすれば、M&Aとあわせて海外進出や事業承継などさまざまな価値を提供できるようになると考えています。
 また、10年後、20年後を見据えると、いずれは自分でも「経営」を経験してみたいという思いがあります。たとえば、何らかの課題を抱えている会社に「経営」として参画し、その会社の組織体制や業績を改善するといったことにも挑戦してみたいところです。
 そのほか、教育者である母の影響で幼いころから教育に強い関心があり、日本の教育制度や環境をもっと良くしたいという思いを抱いています。自身の経験からも、日本の教育は欧米と比べて詰め込みに偏重しており、一人ひとりの個性を伸ばそうとする視点が欠けているように感じるので、その改善に貢献したいですね。もっともそれがいつになるか、どういう形になるかはわかりませんが、そういった思いも大切にしながら、一流のコンサルタントを目指しつづけたいと思います。

早稲田大学の好きなところは?

中高時代(早稲田実業)から一貫して感じるのは、〝早稲田〟には学生の個性を伸ばす環境が整っているということです。みずから積極的にその環境を生かそうとしなければ意味はありませんが、前向きに「こうありたい」「こういうことを勉強したい」という思いを持っていれば、多様なことにチャレンジできるし、学校も先生方も、仲間たちもしっかりと後押ししてくれます。だからこそ、私は高校生の頃から経営に関心を持つことができたし、大学でも留学に挑戦することができたのだと思います。
印象に残っている場所は、なんといっても学生会館ですね。英会話サークルの仲間たちはもちろん、とにかくいろんなタイプの人たちがいて、刺激的な毎日を送ることができました。また、キャンパスの周辺には多くの飲食店があり、とくに油そば屋にはよく足を運んでいましたが、コロナ禍の影響で閉店を余儀なくされてしまったところもあるようです。最近、早稲田にはほとんど行っていませんが、たまには懐かしい店に足を運んで、少しでも応援できたらと思います。

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