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卒業生インタビュー

登山で培った粘り強さをいかして
SMBCグループの高度なシステムやUI/UXに貢献

須貝 麻衣 Sugai Mai
株式会社日本総合研究所
政治経済学部経済学科 2015年卒

キャリア観形成に資する情報の提供を目的としているものであり、
早稲田大学キャリアセンターが掲載企業への就職を推奨しているわけではありません。

SMBCグループの一員である株式会社日本総合研究所は、シンクタンク、コンサルティング、ITソリューションという3つの機能を有する総合情報サービス企業です。ITソリューションに関しては、DXが急速にすすむ金融業界にあって、三井住友銀行のシステム開発などを担いつつ、同行のデジタルサービスやウェブサイトのUI/UXデザインなどにも貢献しています。SE(システムエンジニア)やPM(プロジェクトマネージャー)として、その最前線で活躍してきた須貝麻衣さんに、早稲田大学での経験や思い出を交えながら、日本総研のITソリューションの強みについて話してもらいました。

Profile

2015年早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。同年株式会社日本総合研究所入社。銀行勘定系システムの開発、銀行市場系システムの開発・保守・PM、三井住友銀行市場営業統括部への出向などを経て、2020年からDXシステム開発部に配属となり、ITサービスのUI/UXデザインを担当。

「手に職をつけたい」という思いから
銀行系のSEに興味を持つように

 両親が美容室を経営していただけでなく、祖父が建築士、祖母が調理士という家庭環境で育ったこともあって、子どもの頃から「いずれは自分も手に職をつけたい」と漠然と考えていました。同時にモノづくりにも興味があったため、学生時代には重厚長大のモノづくり企業に興味を持つようになっていたのですが、 実際に企業研究をすすめるうちに文系職種ではモノづくりそのものに携われないということがわかり、社会的な影響力の大きいSE(システムエンジニア)に改めて注目。プログラミングの経験はほとんどありませんでしたが、持ち前の好奇心の強さもあり、未経験のものにチャレンジしたいという思いを強くしていきました。
 そうして出会ったのが日本総合研究所でした。日本総研はシンクタンク、コンサルティング、ITソリューションという3つの機能を有しており、SMBCグループの一員として長年にわたり三井住友銀行のシステム開発を担っています。「銀行という身近な存在を通じて、多くの人の役に立てるのではないか」と考え、志望することにしたのです。
 就職活動にあたっては、偽らずに素の自分を見せることを心がけていました。厳しい評価をいただくこともありましたが、日本総研だけは素の自分を評価してくれ、トントン拍子で選考通過。面接で面接官の皆さんが話しやすい雰囲気を作ってくださったこともあり、日本総研のなかで働くイメージを持つことができましたね。そういった社員の人柄の良さ、相性の良さも最終的な決め手になったように思います。

周囲に認めてもらうために
専門知識などを徹底的に習得

 日本総研でシステム部門に配属となってからは、まず1年目に三井住友銀行の銀行勘定系システムの開発に携わり、一連の業務プロセスを学びました。そして、2年目からは銀行市場系システムの開発・保守・PM(プロジェクトマネジメント)に携わったのですが、この仕事に慣れるまでにはかなり苦労しました。銀行市場系システムといわれる、金融商品の売買がスムーズに行えるシステムの開発では、当社や三井住友銀行のクオンツ(数理分析担当者)をはじめとしたプロフェッショナルなどと折衝しながら進めていきます。当時の私は、デリバティブ商品(先物条件などのオプション条件を付与したもの)をはじめとした金融商品や金融取引の専門知識が足りず、彼らとうまくコミュニケーションが取れない日々が続いたのです。
 そうしたなかで感じたのが、周囲に認めてもらうことの重要性です。まずは独学で金融商品や金融取引のことを学び、そのうえでわからないことがあればすぐに上司や担当者に確認し、疑問点を解消していきました。その結果、少しずつ信頼関係が構築されていき、入社3年目には三井住友銀行での定例発表を担当させてもらうなど、自信を持って仕事ができるようになっていきました。

登山経験によって磨かれた
苦境を乗り越える精神性

 三井住友銀行にトレーニー(研修生)として1年 出向したことも良い経験になりました。案件企画や要件定義などに携わるなかでこれまでとは違った知識が求められましたが、その経験のおかげで銀行の業務プロセスなどを把握することができ、帰任後はより顧客視点に立ったシステムを提案できるようになったと自負しています。
 このように私は、粘り強く取り仕事に組むことで自身のスキルを磨いてきましたが、振り返ってみると、この粘り強さは元来の負けん気の強さに加え、学生時代に培われたものであると思います。私は早大山小屋研究会というサークルに所属し、日本百名山を制覇するという目標のもと、仲間たちと数多くの山に登ってきました。ときには数日がかりの縦走(尾根づたいに複数の山を歩くこと)にチャレンジすることもありましたが、そのおかげで忍耐力やコミュニケーション能力、チームワークを身につけることができました。
 実際、システム開発と登山は似ているところがあります。システム開発において地道な作業が延々と続くところなどは、殺風景な山道に通じるところがあるでしょう。その点、私は何度となく登山を経験してきたことで、その先に素晴らしい絶景と達成感があることを知っています。だからこそシステム開発でどんな苦しいことがあっても、前向きに粘り強く取り組み続けることができるのです。

選ばれる銀行を目指して
UI/UXデザインの可能性を追求

 入社6年目からはDXシステム開発部に配属となり、三井住友銀行リテールIT戦略部デザインチームにトレーニーとして常駐し、リテール(個人顧客)向けのITサービス(ウェブサイトやアプリなど)のUI/UXデザインを担当してきました。ちなみにUIはユーザーインターフェース、UXはユーザーエクスペリエンスの略で、前者はユーザーと接点がある操作性に関する部分を指し、後者はそのウェブサイトやアプリを使うことで得られる体験や感覚のことを指します。具体的にはユーザーへのヒアリングを通して課題を抽出し、デザインチームと連携しながらプロトタイプをつくり、検証やブラッシュアップを何度も重ねたうえでリリースするという流れですが、これには膨大な時間とリソースを要します。しかし、今や銀行の窓口業務の大半はITサービスが担っているといっても過言ではありませんし、その利便性を高めることは銀行が差別化をはかっていくためにも重要なテーマです。まさにUI/UXの向上が「選ばれる銀行」になれるかどうかの決め手になるわけです。
 この業務には多くの可能性とやりがいを感じているので、さらに技術や知見を蓄積し、今度は三井住友銀行の法人向けサービスのUI/UXデザインに携わりたいと思っています。また、いずれはその知見を日本総研のなかで発揮し、ITソリューションの他部署やシンクタンクといった他部門と連携しながら、日本総研を含めたSMBC グループのさらなるDXに貢献したいです。

早稲田大学の好きなところは?

学生時代はサークル中心の生活だったので、やはり学生会館の部室には思い出がたっぷり詰まっています。また、大山小屋研究会の定例会の開催場所でもあった喫茶ぷらんたんも思い出深い場所のひとつです。マスターご夫婦には本当にいろいろと良くしていただいたので、感謝しかありません。それから学業の面でいえば、中南米ゼミやフランス語ゼミの先生方のおおらかなで前向きな考え方にはかなり影響を受けたように思います。
そういえば、私は在学中にとんかつ屋やバー、競馬場、クレジットカードの営業など、様々なアルバイトを経験してきました。そして、そのなかで自分の向き、不向きを客観的に分析することができたように思います。そういった経験は企業研究や就職活動をすすめるうえでも参考になると思うので、学生の皆さんにはできるだけいろんなアルバイトに挑戦してみてほしいですね。

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