
学生時代に身につけた定量的なアプローチを軸に
自身の「スパイク(突出した能力)」を高めつづける
政治経済学部 2020年卒
キャリア観形成に資する情報の提供を目的としているものであり、
早稲田大学キャリアセンターが掲載企業への就職を推奨しているわけではありません。
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日本のトップ30社の8割をサポートしていることで知られるコンサルティングファーム、マッキンゼー・アンド・カンパニー。この世界有数のコンサルティングファームでビジネス・アナリストとして活躍中の小川諒子さんに、コンサルティング業界に惹かれた理由や現在の業務内容、そして今後の展望などについて語っていただきました。

2020年早稲田大学政治経済学部政治学科卒業。同年マッキンゼー・アンド・カンパニー入社。ビジネス・アナリストとしてクライアント企業の経営戦略・事業戦略の策定や組織編成、オペレーション業務改善などを広く手掛けている。
マッキンゼー・アンド・カンパニーと
コンサルティング業界に感じた魅力
私がコンサルティング業界を志望したポイントは主に3つありました。1つ目は、将来何をしたいのかが明確になっていなかったので、コンサルティング業界であればさまざまな業界のクライアントにかかわるなかで自分のやりたいことを見つけられるのではないかと考えたこと。2つ目は、プロジェクト期間中は全力を投じて働き、それ以外の期間にしっかりと休むメリハリのある働き方(オンオフの切り替えがしやすく、旅行や趣味などを充実させられること)。そして3つ目は、説明会に参加してもいまひとつコンサルティング業界のことが理解できず、この業界には自分の理解を超える大きな可能性が広がっているのではないか、と感じたことです。
とはいえコンサルティング会社であればどこでもよかったわけではありません。マッキンゼー・アンド・カンパニーのことを知ったのは大学3年生の夏頃。就活サイトでその名前を目にしたのがきっかけでした。当時は「どこかで聞いたことがある会社だな」という認識でしたが、思い切ってエントリーしたところ、選考中に出会った方々が一様に個性的かつフレンドリーで、もっと話したい、一緒に働きたいと思えたのです。また、先輩方が語ってくれたマッキンゼー・アンド・カンパニーの魅力。たとえば「いわゆる外資系企業の一拠点ではなく、世界中の拠点がワンチームとなって仕事に取り組んでいる」「直属の上司や後輩が海外拠点に異動することも頻繁だし、日常的に海外のエキスパート(特定領域の専門家)と連携をとっている」といったグローバルカンパニーの特徴にも強く惹かれましたね。

ビジネス・アナリストとして
大手企業をサポート
2020年の入社以来、ビジネス・アナリストとしてクライアント企業の経営戦略や事業戦略の策定、組織の編成、目標達成に向けたソリューションの提案・実行を支援しています。いずれも全社的な取り組みになるため、日々、クライアントの経営陣から現場までさまざまなレベル・部門の方々とコミュニケーションを取りながら、課題の分析や仮説の構築・検証、解決に向けたアクションの実践・改善を繰り返しています。
これまで約10件のプロジェクトに携わってきましたが、なかでも印象に残っているのはある大手企業の売上収益増加支援プロジェクトです。若輩ながら経営陣の方々と膝詰めで全社的な目標やソリューションを考え抜く日々はなかなかハードでしたが、先輩方や海外拠点のエキスパートにサポートしてもらいながら全力で仕事に取り組んだことで、プレッシャーを前向きなエネルギーに転換し、最終的にクライアントの期待に応えることができました。また、学生時代に学んだ統計分析による定量的なアプローチを役立てることができたことも、ある種の自信につながったように思います。

グローバルカンパニーならではの
コミュニケーションの重ね方
入社時期がコロナ禍だったこともあり、研修がリモートでの実施となるなど、コロナ以前に入社した先輩社員に比べて同期とコミュニケーションを取る機会が少なく、親しくなるまでに時間を要したように思います。そのため、最初のうちは同期と情報交換をしたり、悩みを吐露したりすることができず、仕事上の悩みを抱え込んでしまった時期がありました。皆がぶつかるような壁であっても、同期と気軽に情報交換ができなかったことで、自分だけが後れを取っているのではないか、と思い込んでしまったのです。ですが、先輩がつねに気をかけてくれたことと、様々なクライアントから「小川さんがいなければ達成できなかった」というようなありがたいお言葉を頂戴したことで、少しずつそういった悩みは解消されていき、ポジティブに仕事に向き合うことができるようになっていきました。
それにしても、マッキンゼー・アンド・カンパニーでの日々は、あらためて当社が真のグローバルカンパニーであるということを実感する機会が多く、刺激的です。面接でも聞いていましたが、日本オフィスにもいろんな国籍のスタッフが数多く在籍していますし、週に何度も海外拠点のエキスパートとコミュニケーションを取り、ソリューションを考えるのが当たり前の環境なのです。そういう話をすると、英語力に不安を感じる方がいるかもしれませんが、その点については安心してください。私も実は英語が得意ではなかったのですが、上司の手厚いサポートと業務で実践していくことで自然に身につけることができました。

「新しい働き方」の提案を視野に入れながら
オンリーワンのコンサルタントを目指す
現在の目標は、自分ならではの方法でクライアントにインパクトを与えることができるコンサルタントになることです。社内で活躍されている先輩はそれぞれの「スパイク(突出した能力)」を生かし、大きな成果を出しています。私もスパイクを磨き、いつか数いるコンサルタントの1人としてではなく「小川諒子に相談したい」と思われるようなコンサルタントを目指したいと思っています。
そのためには日々、自分の強み・弱みと向き合う必要があるので、たとえば先述した定量的なアプローチなどの強みについてはさらに磨きをかけていきたいと考えています。また、クライアントの懐に飛び込むのが得意なので、その個性も生かしていきたいと思います。コンサルタントはともすれば論理的に導かれる客観的な視点からの正しさを一方的に押し付けてしまいがちですが、それではクライアントの気持ちを汲み取ることはできません。一見すると遠回りのようにみえるかもしれませんが、クライアントと良好な関係を築きながら着実に歩をすすめることが最良の道だと思うのです。
長期的な目標としては、世の中に「新しい働き方」を提案したいという思いを抱いています。コロナ禍でリモートワークが普及しはじめましたが、それでも依然として多くの人が「月~金曜の日中に8時間働く」という従来の勤務体制に縛られているのが現状です。しかし、本来であればもっと個人のライフスタイルや能力に合わせた働き方があるはずなので、いずれはそういった働き方ができる会社を起業し、世の中に示していきたいと考えています。

GEC(グローバルエデュケーションセンター)の豊富な授業が印象に残っています。私は体育がとくに好きで、4年間で20種目ほど履修しました。授業がなければ挑戦しなかったと思われるスポーツに取り組んだことで趣味や話題の幅が広がりましたし、学部内では出会えなかった友人にも巡り会うことができました。それらはいずれも大きな財産です。
いろんな人たちに出会えるという点では、学生会館も大切な場所のひとつでした。私は複数のサークルを掛け持ちしていたのですが、授業の合間には学生会館にある部室にふらりと立ち寄って、友人たちととりとめのない話をしたりしてすごしていました。「何の約束もせずに友だちと会うことができる空間は、あの部室が最後なのかもしれない」と社会人になってから気づき、時折、友人たちと過ごした学生会館や部室での日々を懐かしんでいます。