
学生時代にあこがれたパナソニックで
オーディオ製品の生産管理とSCM改革を推進
政治経済学部 2019年卒
キャリア観形成に資する情報の提供を目的としているものであり、
早稲田大学キャリアセンターが掲載企業への就職を推奨しているわけではありません。
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パナソニックグループのパナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社で働く佐藤大地さんは、パナソニックのオーディオ製品の生産管理を手掛けながら、生産・販売ネットワークの全体最適化を目指す「SCM(サプライチェーンマネジメント)改革」にも取り組んでいます。生産管理という仕事の醍醐味やSCM改革にかける思い、そして早稲田大学での思い出について伺いました。

2019年早稲田大学政治経済学部卒業。同年パナソニック株式会社入社。生産管理部門に配属となり、テレビの出荷金額や台数などのデータ集計業務を経て、2020年からはオーディオ製品の生産管理を担当。2021年からはSCM改革にも取り組んでいる。パナソニック株式会社が2022年4月より事業会社制となることに伴い、パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社へ。
大手家電量販店でのアルバイトを機に
パナソニックを志望するように
もともと家電が好きだったわけではないのですが、学生時代に家電量販店でアルバイトをしたことがきっかけで、いつの間にかその魅力にのめり込んでいきました。特にパナソニック製品は、テレビやブルーレイレコーダーのリモコンひとつとっても、ユーザー視点に立っていて使い勝手が良く、誰もが説明書なしで簡単に操作できるように作られていると感じていました。そんなユーザビリティに配慮した魅力的な製品を送り出すパナソニックってどんな会社なんだろう、と次第に興味を抱くようになっていきました。
早稲田大学では、政治経済学部の須賀晃一ゼミで公共経済学や統計学などを学んでいたので、いずれはメーカーに就職し、その知識を商品開発やマーケティングなどに生かして社会や会社に貢献したいという思いを抱いていました。そういった背景から、就職活動にあたっては自然とパナソニックを志望することになったのです。その後、パナソニックのインターンシップに参加したり、面接を受けたりするなかで、出会った先輩社員が皆さん親切で人情味にあふれ、会社としての雰囲気の良さを感じたことが入社の決め手となりました。

実務を通して感じた
グローバルな生産管理の醍醐味
工場実習や販売実習などの研修期間を経て、映像・音響・通信機器事業の生産管理部門の配属となったのは2019年9月。生産管理は製造部門や販売部門との調整を経て生産計画を策定し、それに基づいて調達計画や工程管理、品質管理、原価管理、在庫管理などを担うモノづくりの要といえる業務です。
現在、オーディオ製品の主要生産拠点であるマレーシア工場の生産管理を担当していますが、当社は30カ国以上に販売拠点を有しており、それぞれの国・地域の実情に即した生産計画を策定しなければなりません。各国の販売部門の要望と製造部門の状況を理解し、双方が納得できる生産計画に落とし込む生産管理の仕事が、「モノをつくって、売る」メーカーのビジネスモデルの根幹にあるものだと理解するようになりました。そういった業務を通じてパナソニックのオーディオ製品が世界中の人たちのもとに届いていることを思うと、とても誇らしげな気持ちになります。
実は、就職活動時には商品企画やマーケティング職種を希望しており、「生産管理はどうですか?」と提示されたときは正直、驚きました。けれど、配属される事業はB2C事業で自分の希望通りだったので、「まぁ、とりあえず頑張ってみようかな」と思い挑戦することにしました。そんな思いがけない配属でしたが、今ではモノづくりの根幹を担う生産管理の仕事にとてもやりがいを感じながら、楽しく仕事をしています。

SCM改革への参画で
全体最適の視点を培い、さらなる成長を
生産管理の業務には慣れてきたものの、2020年から続くコロナへの対応にはいまだに頭を悩まされています。実際、当社の工場も1カ月ほど稼働できなくなった時期がありましたし、半導体をはじめとした部品の調達は依然として厳しい状況にあります。その中で私が意識しているのは、「できること」と「できないこと」を明確にすること。曖昧な返事は製造や営業の現場に余計な負担をかけることになりかねないので、できない場合はその事情を正確に伝えた上で納得してもらうことが重要です。またできる場合についても、製造と営業の現場がそれぞれベストなモチベーションで仕事ができるよう、双方のニーズや期待感の調整を図りながら生産計画を立てることを心がけています。
こうした経験を経て、私は2022年から社内の「SCM(サプライチェーンマネジメント)改革」にも参画しています。これは調達部門から営業部門にいたるまで、それぞれの部門が抱えている商品供給上の課題を明確にし、全体最適の視点で新たなSCMを再構築しようとするプロジェクトです。例えば商品開発ひとつとっても、コロナ渦で部品の調達期間が大幅に延びている中、そのサイクルを長くするなどの見直しに迫られているのです。ITの活用も含めて現状に即した仕組みを取り入れることで、生産性の向上や欠品率低下、在庫圧縮などを実現していきたいと考えています。
そして、このプロジェクトを通して、広い視野で物事を捉える力を培い、いずれは商品開発やマーケティングといった分野でも自分の力を発揮できればと考えています。

学生時代の思いを大切にしながら
未来を拓き続ける
振り返ってみると、早稲田大学での日々は学びの面でも人格形成の面でもプラスになっています。実際、ゼミで学んだ統計学の知識は生産管理やSCM改革において役立っていますし、ゼミの同期の存在は課題や就職活動に取り組む中で大きな支えになりました。また、サークル活動も今の自分に大きな影響を与えています。私は150人規模のダンスサークルに所属しており、毎日のように学生会館で大会に向けて練習に励んでいました。そうした、皆でひとつのものをつくりあげる醍醐味を発見できたことが、現在の仕事にもつながっています。
冒頭、学生時代に家電量販店でアルバイトしていたことをお話ししましたが、実は今も週に1回は家電量販店に足を運ぶようにしています。自分の趣味の延長のようなものですが、自社製品がどのように展示販売されているか、あるいは他社製品の動向がどうなっているかを知るマーケティングの機会になっています。それに自社製品が店頭に並んでいる様子を目の当たりにすると、自然とモチベーションが上がるのです。これからも初心を忘れずに、さまざまな仕事に挑戦していきたいと思います。

いろんなタイプの学生が集まっているところが最大の魅力ですね。私も学生時代には大学の仲間に多くの刺激を受けましたし、そのおかげで自分が成長できたように感じています。特に一芸に秀でた人が多く、サークルの仲間の中にはダンスが信じられないほどうまくて、プロダンサーの道に進んだ人もいました。自分とはまったく違うスキルで活躍している仲間がいるおかげで、視野が広がりましたし、同時に自分自身を客観的に見つめ、強みや弱みを分析することができたように思います。今は大阪で働いていますが、夏休みや年末に帰省し、大学時代の友人と会えるのを楽しみにしています。