どうすればモテるか、これは人類の永遠の問いだろう。
短期留学でビジネスについて勉強し、「ビジネスモデルキャンバス」という売れる事業になるために必要な要素を可視化できるフレームワークの存在を知ったとき、私はふと思った。「これって恋愛においても使えるのではないか?」と。
恋愛の場合も、成就する(売れる)までには様々な問題を克服しなければならない。例えば、途中まではいい感じの相手でも距離の詰め方がうまくいかないと引かれてしまったり、そもそも一向に恋愛関係に発展しなかったり。自分の良い部分も知ってもらえなければ強みにできないし、相手について知らなければ心を掴むことはできない。
そんな悩みを解決するために、いかに相手(顧客)にアプローチして近づいていくか。いかに自分自身(商品)の良さを伝えるか。欠かせない要素を漏れなくまとめられるこの表はとても有効なのではないだろうか。
自分を商品、相手を顧客と捉え、「相手のために自分を変化させる」構造に抵抗がある人もいるかもしれない。しかし経験上、ありのままの自分だけで勝負し、恋愛したいのに何年も恋愛が実らないのはとてもやるせない。そんな時は、自分を相手に合わせて少し変えたとしても、それは自分らしさの一部だと思う。
ここではビジネスモデルキャンバスを恋愛に生かすことで、ありのままの自分の良さも最大限に生かすことを前提に、相手への想いを成就させるために有効な変化も検討していきたい。
恋愛版ビジネスモデルキャンバスの作成
ビジネスモデルキャンバスとは、事業を成立させ、成功させるために考えるべき9つの要素を一枚の図にまとめて可視化できるフレームワークだ。新規事業の立ち上げ時や、既存のビジネスの構造を整理したいときに使われる。
以下にマイナビの例とともに説明する。
・「顧客セグメント」:誰に向けてサービスや商品を提供するのか
・「価値提案」:顧客に対してどんな価値を提供するのか、なぜそのサービスが選ばれるのか
・「チャネル」:顧客にリーチし、価値を伝えていく手段
・「顧客との関係」:顧客とどのようにして関係を構築・維持していくのか
・「収益の流れ」:ビジネスがどのようにして利益を上げるのか
・「リソース」:これらの活動を行うために必要となるリソース
・「主要活動」:そのビジネスを成立させるために不可欠な活動
・「パートナー」:ビジネスを円滑に行う上で協力関係を築ける存在
・「コスト構造」:どのような費用がかかるのか
このようにビジネスモデルキャンバスを使うとビジネスの全体像を把握し、さらなら戦略設計に役立てることができる。
これを恋愛に置き換えてシートを作成してみると、以下のようになるのではないかと考えた。
「モテモテモデルキャンバス」の作成と検証
さて、このシートは本当に恋愛に対して有効だろうか。ブラッシュアップは以下の3つの手順で進めた。
1.実際に具体的な内容を埋めた「モテモテモデルキャンバス」を2例作る
2.ビジネスに詳しい大学の先輩からビジネスの観点で添削してもらう
3.国際結婚相談所・TJM・トラディッショナルジャパニーズマッチメーカーの創業者・代表の松本直子さんと恋愛専門家コラムニストの神崎桃子さんの恋愛のスペシャリスト2名から、恋愛における有効性の観点からご意見をいただく
まずは作成したシートとそれに対して先輩にフィードバックをもらった。
以下の図がそれぞれ作成した2人分のシートと、青字で記載している「顧客との関係」と「パートナー」などの部分が「より詳しく書いたほうがいい」という助言をもとに加えた内容だ。
・男子大学生Aのシート
・女子大学生Bのシート
恋愛マスターたちによる添削
ビジネス観点で仕上げたモテモテモデルキャンバスを、次は国際結婚専門の結婚相談所を運営している松本直子さんと恋愛専門家コラムニストの神崎桃子さんに見てもらい、添削していただく。
松本さんには、1つ目の例についてご意見を伺った。赤字がいただいた内容だ。
・女子大学生Bのシート
「万博のボランティア」や「大使館のパーティ」、「教会」なども出会いのチャネルとして有効だとご教示いただいた。
またリソースとしては、ローコンテクストで話すことや、自分の芯を持つことなど、海外で好まれるコミュニケーションスキルを持つことの重要性を伺った。
「国際恋愛の場合、同じような経験をしたことがある人が少ないため、相談する友人を冷静に見極めないと、必要以上に止められたり、足を引っ張られたりすることもある。自分が目指す境遇にいる人に相談したほうがいい」との助言もあり、相手選びには慎重さも必要だと考え直した。
一部再検討が必要な箇所があり、新たなリソースやチャネルのヒントもいただいたが、概ねそのままで有効だとお言葉をもらった。
他にも、結婚という観点では自分をさらけ出す必要があるから、無理に自分を作りすぎないことが大事だが、それでも需要と供給は恋愛において確かに存在する。自分の理想だけを掲げて、自分の要求だけ通そうとするのは無理なため、「自分の理想の人の理想」になるために、ビジネス/マーケティングの視点を持つことはすごく大事だというアドバイスをいただいた。
次に、恋愛専門家コラムニストの神崎桃子さんにもお話を伺った。同じく、赤字がいただいたアドバイスだ。
・女子大学生Bのシート
「顧客」でリサーチした相手の情報は、「価値提案」で自分の素質を活かすより、「主要活動」においてどのように振舞うかに活用したほうがいいとのアドバイスをいただいた。また「顧客との関係」については1度デートに行ければゴールではなく、そこからどう維持していくかが重要であるというお話もいただいた。
ビジネスも恋愛も成功させるには
・相手が何を求めているかを知る(綿密なリサーチ)
・相手を喜ばす(信頼関係の構築)
・付き合ってその関係を継続する(リピートされる)
ということが大切で、ビジネスなら1回購入して終わりでも、恋愛関係であれば1回デートして終わりにならない。そのため相手(お客様)をいかにして満足させるか。相手を喜ばすことで信頼関係を構築するプロセスが重要であるとお話ししていただいた。
モテモテモデルキャンバスの完成
今回の取材を通して、ビジネスも恋愛も、相手をちゃんと知り、どうしたら喜んでもらえるかを考えることが大切であることなど、多くの共通点があることがわかった。だからこそ、ビジネスモデルキャンバスは恋愛においても有効だと思った。
またビジネスでは「お金」が循環していくことに対して、私は恋愛においてはそれに該当するものはないと考えていた。しかし松本さんへの取材の中で、「自分が幸せになることで相手や周りにもポジティブな影響を与えられる。幸福感が循環する」という話をいただいた。このことから恋愛は、ただ自分が楽しいだけでなく、相手や周りが幸せになってそれがまた自分の幸せを大きくするのだとわかった。恋愛にはひとりじゃないからこその幸せの相乗効果があり、やはりいいものだと感じた。
みなさんが好きな人に対して想いが届かず悩んでいるなら、ただその状況に立ち尽くすだけでなく、ぜひビジネスのフレームワークを活用してほしい。自分の課題が明確になり、それに向けて適切な努力ができる。より自分を魅力的に感じてもらい、相手との関係に新たな突破口を開く方法が見つかるかもしれないから。
相手に合わせた効果的なアプローチで、たくさん喜ばせることができれば、きっと好きな人にもビジネス相手にも愛されてハッピーになれるのではないだろうか!
次回は、恋愛が成就したあと、どうすればその関係を長く、良く築けるか、に注目して記事を書いた。お楽しみに!
取材ご協力
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神崎桃子(恋愛事情専門家・恋愛コラムニスト)
自ら経験して得た”恋の教訓”を各メディアから幅広い年代の読者にレクチャー。男女の思考回路の違いや男心女心を追求した著書「なぜ女はこんなことで怒るのか ~不機嫌な彼女をなだめる10の掟~」(impress QuickBooks)は評判を呼び、テレビ番組や人気YouTubeチャンネルでも紹介された。自身の執筆活動のほかに文章添削や記事監修も行っている。
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松本直子(国際結婚相談所TJM Founder & CEO・国際結婚の幸せプロデューサー)
自身が国際結婚の夢を実現した経験をもとに、1999年に国際結婚・海外結婚相談所TJMを設立。以来26年以上にわたり、世界各国の外国人男性や海外在住の日本人男性と、日本人女性とのご縁を結び続けている。
東京、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シンガポールなど世界5都市で、対面式の婚活イベントを開催。また、Zoomを活用したオンライン婚活イベントも定期的に主催し、真剣にパートナーを探す独身男女に出会いの機会を提供している。
さらに、国際結婚後に海外で暮らす日本人女性が自立して働けるよう、「マッチメーカー養成講座」をはじめとする教育プログラムにも力を入れている。「日本から世界へ愛を広げる」をミッションに掲げ、多くの国際カップルの誕生に貢献。海外でも自分らしく生きる女性たちの人生をサポートし続けている。
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