超絶リアルな人間ワールド「SF」

1.SFってただのエンタメじゃない

SFと聞いて皆さんは何を思い浮かべますか?

とりあえず宇宙を思い浮かべてみたり、
宇宙人や地球滅亡といったありそうでなさそうな未来を想像してみたり

実はSFには色んな種類やカテゴリーがあり、一括りにすることは難しいです。
それでも私は、SFに共通した特徴があると思っています。
それは、どのSFも「人間らしさが詰め込まれた宝庫として」生きていることです。

人間らしさって?何が宝庫なの?そう疑問に思うと思います。

まず私がいう人間らしさとは「外見をどんなに変えても決して変わらない人間の本質」のことをいいます。それは例えば「自分とは何か」「人間として生きる私とは何か」「自分の人生って一体」など。

なぜこんな話をするのかというと、皆さんにこう思って欲しいからです。

“ああ。SFってただのエンタメじゃないわ”
“SFって案外隅におけないな”

哲学的に見えて哲学じゃない、空想のように見えて空想じゃない。
それは、難しそうに見えて案外難しくない。でも、心と頭で向き合わないとその魅力には辿り着けないのがSFの魅力です。

“SFは、ただのエンタメじゃない”
“考えるエンタメであり、人間らしさの宝庫なのだ”

今日は皆さんに3つのSF作品を紹介します。
読んで後悔しないよう、それぞれの魅力をなるべく「あなた目線」で捉えて書いてみました。ご堪能あれ!

2.星新一の『生活維持省』

人は皆、死を怖がります。なのに、

「これ、面白すぎて死ぬ」
「やばい、本気で死にたい」
「やばい、本気で死にそう」

日常の中で「死」という言葉が、まるでその言葉の本来の意味を帯びず、ごく自然に溶け込んでいます。

ーでも、もし「死」というものが平等に訪れたら。

「あっち向いてホイ!」「ジャンケンぽん」「多数決で」
私たちは何かの意思決定を行う時、このような手法を用います。
そんな感じで、そんなテンポ感で“今日誰が死ぬのか”がランダムで選ばれる世界を生きることになったら。

果たしてあなたは同じように「死」という言葉を用いることができますか。
星新一の『生活維持省』はそんな世界を生きる男性を描いた短編です。

私はこの作品を読んだ時、これはただ人がランダムで殺されていく残酷極まりない話ではないと感じました。それは作中に出てくる会話の節々に、人が殺されていくことの呆気なさとどうしようもなさが溢れていたからかもしれません。

毎日私たちは「今日も生きられてよかった」なんて思うことは少ないと思います。
もちろん、自ら死を選択しようとする人もいますが、大半の人はそうではないはずです。

何もないけど、死にたくはない。
ちゃんと親孝行はしておきたい。
あの人にいつかは思いを伝えたい。

よく考えれば、深く考えれば思いつくような、心の奥底にある大きな目標や希望、願いをその深さが故に感じ取るのが難しいのかもしれない。そこで私は思いました。

「もし私自身がこの世界を生きていて、明日死ぬことになったら何を思うのだろうか」

簡単でした。ベッドに横になっている暇なんてないなと思いました。叶えたい夢を叶えるために動かなきゃと思いました。深夜2時でした。

これって、人間誰しもが持っている「生きたい欲」、生存欲なのだと感じました。そして私にとっての生きている感覚が、何かに夢中で取り組んでいる時だったというだけです。
それでも、これに気づいた時の衝撃はすごかったです。

描いた世界が星さんの空想であれ、この作品に出会えたことは運命でした。

3. Don’t look up

星新一の『生活維持省』で少し頭が痛くなった人もいるかもしれません(笑)
SFは、頭を普段使って捻らないと面白みが分かりづらいので、一緒にトレーニングしましょう!

さて、次に紹介する作品はアダム・マッケイの『Don’t look up』。

簡単に言えば「彗星で地球が滅亡する!しない?」の世界を描いたSF映画です。

Instagram や YouTube、最近はテレビ文化がTverといった録画文化に吸収される時代。
まさに私たちの生活はメディアなしに成り立っていません。

「メディアとは情報である。」
「情報を欲しがるのは、生きるためである。」
と私は思います。皆さんはどうですか?
メディアって一体なんのためにあるのでしょう。

本望であるならば、それは「真実を映し出す鏡」であって欲しいですよね。
そうしたら、わざわざ他のサイトに飛んだり、人に聞いたりする手間が省けるというのに。

「一体、私は何を信じればいいの?」
「あの人って浮気したんだ。サイテー」
「え!A君って結婚しちゃうの!」
「ChatGPTって、個人情報が流出するからやめた方がいいよ」

一体私たちは本当になんのために情報を選んでいるのでしょうか。
本当は真実を知りたいという気持ちのために動いているはずなのに、そのための体力は消耗されるばかり。

紹介する映画の世界線をもう一度思い出してください。

「彗星が地球を滅亡させる」

そんな話あるわけがないじゃない。映画の話だよ。もしも、でしょ?

はい、確かにそうです。
でも、そこで思考を止めてしまったらもったいない。

この映画はまさに網羅されたメディアの中を狼狽えながら、のたうちまわる私たちをとっても鮮明に映し出しています。未来の私たちの姿とも言えるのではないでしょうか。

私は「運は変えられる運」だと考える運命論者です。
何か宗教に入っているわけではありませんが、神様の存在は否定しません。
だから、彗星の話を聞いて本気でこう思いました。

「私は結局、彗星が落ちる話を信じるべきか迷いながら死ぬんだろうな」と。

人間は「正しく」あろうと「真実を知ろう」とします。

正しさは人によって違いますし、求める真実が違うことが当然であることはここで覚えてください。

でも、私ははっきりと言えます。
人間は真実を知ることができない、と。

誰もが聞いたことのある有名なセリフがあります。

「真実はいつも一つ!」

私はこれが発せられる某有名アニメが大好きです。
でも彼のいう真実は”誰が犯人であるか”であって、それ以上でも以下でもないと思います。まあ、殺した経緯を主人公自らが解説をする時もありますし、殺人犯や加害者側から涙を流しながら、あるいは怒りに狂いながら背景を述べる時もあります。でもそれは、彼のいう「一つの真実」ではないことは明らかです。

真実。それはビッグバンのように「あるかないかではなく、その答えが今最も真実に近いもの、現実的であるもの」なのです。

ここにある人間らしさとは、「愚かさ」です。
何かを知っているようで意外と知らない。

人は常に真実を追い求めますが、真実を知ることはできません。
事実とは違います。

目に見えるものが全て。その枠にとらわれてしまう愚かさこそが、この作品で感じた人間らしさでした。

4. ガタカ

ガタカ、それは選ばれた”適合者”のみが所属することのできる宇宙センターの名称。
そこには数多くの”適合者”が火星への飛びたちを夢見ていました。

日々の尿検査からランニングマシーンでの体力テスト。
実際もそうですが、宇宙飛行士として地球を飛び立つには心身が健康であることが絶対条件です。どの宇宙センターでも、飛行士はその屈強な体力と精神力を試されます。

「宇宙かあ。興味ないな。」
そう思ったあなた。まだ早いです。落ち着いてください。

このガタカを紹介したい理由は、ただ一つ。

人間は「夢をみることができる」

そんな、とても特別な”らしさ”を見せてくれたからです。
それをあなたにも共有したい。

あなたは夢をみていますか?

熱く夢とか語るタイプではない人もいることでしょう。

別に、夢は必ず叶えるために存在するものではないと思います。

それは生きるためであり、食糧のように必要不可欠な存在なのだと私は思います。 目を瞑った時にみる夢とは違います。

この映画に登場する主人公は“非適合者”
生まれた時から心臓病のリスクは高パーセント。30歳までには死ぬことを告げられていました。少量の血で、どんな病気にどれくらいのリスクで、何歳までに死ぬのかがわかる世界に生きている少年でした。

そんな彼が“ガタカ”に入ります。
どうやって入ったのか、気になりますね。
ここでは教えることはできませんが、この映画の主人公は夢を諦めることができませんでした。

不思議だと思いませんか?

叶うか叶わないかを考える人であれ、誰しも最初に夢をみるのです。

「ああ、なりたいな」
「こんな世界があったらいいな」

そのあとに、現実と向きあうか、理想と向き合うかは人によっては分かれますが。
なんで人は夢を見ることができるのだろうか。
なんで、人に夢を見る能力を与えたのだろうか。

私はこう思いました。

まさに夢を見ること自体が人間らしさなのだと。
それは必ず達成されるべきものとして存在するのではなく、目の前に生きる希望を見出すためにあるのかもしれないと。

5. さあ、冒険の時間です

ここまで読んでくれたあなたに、心から感謝します。
他人の趣味を真剣に聞けるその心構えや優しさをぜひ大切にして欲しいです。

そう言いながら、「SFの魅力、うまく伝わったかな〜」
と心臓がゆらゆらと揺れ動く筆者です。

紹介したいSFは他にもたくさんあるのですが、ここらで割愛とさせていただきます。
所々皆さんに質問をしています。「考えて無駄にはならない」と断言できます。

今回紹介した
・星新一の『生活維持省』
・アダム・マッケイの『don’t look up』
・アンドリュー・ニコルの『ガタカ』

どれも私の愛してやまないSF作品たちです。

何度でも言います。
“SFはただのエンタメではありません”

あなたがどう見るかで、その魅力は180度変わります。

これからの人生どう生きるかはあなた次第です。
ぜひ、あなたとSFの世界を冒険しながら、「人間らしさ」私たち、その他盛りだくさんなテーマをみに行きませんか?

では、またお会いしましょう。

MOALY TOPへ戻る

このページの上部へ