学校、お出かけ中、ショッピング中など、ふとした瞬間に耳に入ってくるメロディー。
何気ない音が、じつは私たちの生活に大きな影響を与えている。では、私たちの生活に大きく関わっている音楽を奏でている、売れている売れていないに関係なくすべてのアーティストは、一体なにを目的に、何を目指して活動し続けているのだろうか?
あるとき、「昔に比べて今の時代はなんでもできる。選択肢はいくらでもある。」と言われた。
確かに昔に比べると社会も発展して、私たちの選択肢は広がっている。しかし、選択肢が多大であり、何をするか決まらず迷い込んでいる若者が多いような気がした。私たちに与えられた「無限の可能性」は、若者を苦しめているのか?どうすれば自分のカラーに染まるのか?そんなことを考えるようになった。
私は、音楽を続けている人たちは私たちとは違って、特別な何かを持っているんじゃないかと思う。そしてそれが、私たちが今後生きていく上で大事なヒントになるのではないのかと思った。そこで今回、「特別な何か」を追求したくて、大学の軽音サークルに参加する以外でも、多方面で音楽活動をし、さまざまな楽器に挑戦している某大学生にインタビューをしてみた。この方に取材を伺ってみて感じたことが2つあった。
イントロ=イメージ
1つ目は、インタビューの中で語っていた次のこと。
「あるアーティストのライブを聞いて、ギターと自分の声だけでこんなに豊かな表現をすることが出来るんだっていう衝撃を受けた。自分ももしかしたら、ちょっとはこの音楽の豊かさを表現できるんじゃないか?という期待を持って続けている。豊かさというのは音楽独特の迫力であって、その迫力を自分で作り出せることも音楽の面白さだと思う。」
よく、気になる事は何でもやってみようみたいなことを耳にするが、私は、その足を踏み入れるプロセスが見えなかった。しかし、この話を聞いて分かったことがある。自分ももしかしたらできるかもしれないという希望があるからこそ、足を踏み入れることが出来るということだ。みなさんは何か物事に取り組んでいる時に、成功、もしくは達成した時の自分を想像しているだろうか?この方も、ライブを聞いた時に自分が達成した時のイメージを思い描いている。私が言いたいのは、自分の成功した姿、達成した姿をすぐに想像できた分野が、その人に合っている分野、追い続けることが出来る分野なのである。 音楽のイントロに当たる部分で、まずはポジティブなイメージをすること、これが何よりも大事そうだ。
ソプラノとアルトの融合
2つ目は音楽を続けるという意思を持っている人と会うこと。同じ方向に向かっている人がいるからこそ、バンドというものが出来上がり、その中での新しい自分との出会いが待っている。つまり、興味を持った分野のコミュニティに入ってみることで、それまでには見つからなかった新しい発見があり、それが自分を成長させるピースになっているのである。この方もいろいろな楽器に挑戦しているのは、興味を持った音楽という中で、もっと幅を広げて様々な新しい自分と出会いたいのかもしれない。
この2つから私が考えたことは、何をするにしても将来の自分、新しい自分をどんどん見つけ出していく、これが今の若者に足りないことなんじゃないかということだ。単に生きる目的や将来何を目指しているかを考えても、おそらくなにも浮かび上がらない。気になる事は何でもやってみるという心構えが、新しく自分を塗り替えていくことなのである。
みなさんも何か物事に触れたとき、自分がこうなるのかもしれない、このような人になってみたいという理想がすぐに浮かんだときは一度挑戦してみるといい。そうすれば、新しい自分を探し続けることが可能になり、大きな成長へとつながるのである。
「常に新しい自分を探し続ける。」これが今回の取材で得た、私にとっての「大事」であり、自分のendlessな可能性を彩る初めの一歩なのかもしれない。