テレビから考える。好きって何だろう?

テレビから考える。好きって何だろう?

お疲れ様です!ことはです。

突然ですが、皆さんには「好きなもの」や「好きなこと」がありますか?そして、その「好き」という感情には、どんな基準があるか考えたことはありますか??

学生編集部でのコンセプトが「好きなことからキャリアを考える」というもので、私は「好きなもの」としてテレビを選びました。幼いころからテレビ中心の生活を過ごしてきて、テレビなしじゃ暮らしていけない!と思うほどに好きだと思っていました。

しかし、仙台から上京して寮暮らしとなり、部屋にはテレビのない生活が始まりました。いままで当たり前にあった好きなものが身近になくなってしまった!まさに大ピンチです! と思ったのですが、案外普通に生活できてしまいました。NHK+やTVerを利用すれば好きな時に好きな番組を見ることができますし、サブスクリプションに加入してテレビの代わりに好きなドラマやアニメを常に流すこともできました。そんな生活が続いていると、だんだんと不安が芽生えてきました。「テレビが好きだった私はどこへいってしまったのだろう」、「もしかして、テレビはずっとついていたから生活の中心にあっただけで、その根幹に「好き」はなかったのではないか」。正直、好きなことをテレビにした以上、やっぱり毎日テレビを見るべきなのではないかという焦りもありました。

そんなこんなで時は流れ夏休みに入り、長期間実家に帰省することになりました。そこで待ち受けていたのは、待ちに待ったテレビ三昧の生活。カムバック・テレビが好きな私。朝起きて朝ご飯を食べながら朝のニュース。歯を磨きながら朝ドラ。ラジオ体操が放送されれば自然に体が動き出すし、特に心が動かされなければ他のことをする。そしてテレビから聞こえてくる言葉にわくわくし始めたら、手を止めてテレビに集中し始める。予想外の番組から、「おっ!!」という新情報が舞い込んできたり、既知の物事でも新しい視点を発見したりと実家を離れて数か月間満たされなかったものが、やっと満たされたような気持ちになると同時に、テレビでしか味わえないわくわくがあることに気がつきました。特に印象に残っているのは東北地方の過疎地域に密着した番組。過疎地域と聞くと田舎の祖母の家を思い浮かべていましたが、そこでの暮らしはその地域によって似ているようでまったく違っていて、「田舎といえばこう!」という固定観念があった私にとってはかなり衝撃的でした。そこで生活している人にとってはその生活があたりまえで、外野からどうこう言われようとも、ずっと大切にしてきた暮らしがあることを、番組を通して知ることができました。そしていままでの関心領域の外である、人里離れた、昔ながらの生活を大切にしている地域への関心がぐっと強くなりました。自分でも驚きなのですが、この後9月には富山県南砺市の利賀という地域に実際に足を運ぶことになるのです。利賀では実際に住民の方とお話しする機会が多く、村に対する思いや昔ながらの生活、利賀を盛り上げようとする取り組みを間近で感じることができ、テレビきっかけで自分の移動範囲も広がったこの経験はとても貴重なものとなりました。

さらに、自分自身についても新発見!これまでは、「好き」は無意識のうちにも最優先されるくらい気持ちがないといけないと思っていました。もしかすると、他人と好きの大きさを比較していたのかもしれません。ですが、学生編集部の活動で部員のたくさんの「好き」に触れたことによって、人によって好きなものがちがうように、それぞれの好きの形もちがうのではないかと、そう思えるようになりました。テレビはなくても生活できるけど、そばにあると毎日が発見の連続になること。そして、私はテレビのなかに娯楽を求めているのではなく、現時点での私の興味関心の領域から外れたところからの情報を提供してくれるところが大好きだということ。そして、私のテレビに対する好きの形は、「最高の暇つぶし」であり、好きだからといってその事を最優先に物事をすすめていく必要はないという結論に至りました。
さらに、さらに!実家でテレビ三昧の生活を過ごして、ただテレビを見るだけでなく、家族とぼんやりテレビを見ながらお話して、だんだんと議論になっていくあの時間がとてつもなく楽しいということに気がつきました!ただ一人でテレビを見ていても私の視点からしかその情報を受け取ることができないけれど、同じ空間で同じ番組を見て対話をすることを通して、私以外の新しい視点からの解釈を知ることができて、同じ情報でもこんなにも違った見方ができるのか、と心がわくわくするんです。
そこで!第二回の記事では「解釈のちがいについて」をテーマに、同じドキュメンタリーを複数人で鑑賞することで、人によってどれくらいの解釈の違いが生まれるのかを検証していきます。もうすでに鑑賞会を終えた段階にいて、とてもおもしろい結果になったので次回の記事もぜひ読んでいただけると嬉しいです!

最後までお読みいただきありがとうございました!!

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