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Q テーマ解説
インタビュー

メタバースのようなバーチャル世界で人々が過ごし経済活動を行える環境が整っていくなか、その世界で人々のWell-beingをかなえるサービスを考えてください。

日本電気株式会社(NEC)

福田浩一さん/ 経営企画部門


今回、課題解決プロジェクトに初めて参加する日本電気株式会社(以下NEC)さん。「メタバースのようなバーチャル世界で人々が過ごし経済活動を行える環境が整っていくなか、その世界で人々のWell-beingをかなえるサービスを考えてください。」という出題テーマに込めた思い、学生に期待していることについてお話を聞きました。

暮らしのあらゆる場面をテクノロジーの力で支えるNEC

───NECさんは学生たちも日常の中で、よくその名を見かける会社だと思います。改めて、NECの事業内容や会社の取り組みについて教えていただけますか。

福田さん NECは1899年創業のテクノロジー企業。“海底から宇宙まで”、あらゆるデジタルテクノロジーを活用しながら、世界中のお客さまの暮らしに役立つ事業を展開しています。政府、官公庁、地方公共団体、医療機関、電力会社など私たちの暮らしを作るあらゆる機関で、NECのテクノロジーが生かされています。学生のみなさんの身近なところで言えば、イベントなどで見かける生体認証技術は世界でもトップクラスの品質を誇っています。


───経営企画部門ソートリーダーシップ部で推進している「NEC 2030VISION」とはどのような取り組みなのでしょうか?

福田さん はい、NECは誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指して、世界中のお客さまに安全・安心・公平・効率という社会価値を創造・提供してきました。「NEC 2030VISION」とは、そのパーパスに基づき2030年に実現したい社会の姿を「環境」「社会」「暮らし」の三つの階層に分けて具現化したものです。私たちはこの「NEC 2030VISION」の実現に向けて他社とのコラボレーション、新規事業の立ち上げをおこなっているのです。今回の課題解決プロジェクトへの参加も、その取り組みの一部とも言えますね。

これからは、バーチャル世界で人々はWell-beingになれる。

───ではテーマについてお伺いします。「バーチャル世界」という未来感のあるキーワードも盛り込まれていますが、今回のテーマに込めた思いについて教えてください。

福田さん はい。インターネットのおかげで生活が豊かになっていくこの時代、社会や情報をとても身近に感じることができる一方で、自分と接点のない情報からはますます距離が生まれ、置かれている環境や状況によっては人々の分断も進んでしまうというリスクも想定されます。しかしメタバースなどのバーチャル世界であれば、情報を得るだけではなく体験を通じ理解することが可能となります。世界中のさまざまな人と触れ合い、どんな場所にも足を運び、経済活動を行うこともできます。



体験により深い理解を得ることで人々の多様性を受け入れ、自分らしく生きることがかなえられたとき、私たちは何を求めるのか。そういった視点で学生の皆さんに社会を見つめ、課題を発見してもらいたいと考え、このテーマを設定しました。

───なるほど。バーチャル世界の中でこそ、人々はWell-beingを得ることができるのかもしれませんね。

福田さん そうなんです。Well-beingとは、精神と身体どちらも健康であること。言語の壁も、身体的能力も、宗教や価値観の違いなども越えて、一人ひとりが「自分自身はこうありたい」と、自分の人間性を最大限発揮できる、Well-beingになれる場所がバーチャル世界だと思います。「NEC 2030VISION」でも、相手の五感や状況・背景などのコンテキスト(文脈)までも共有し、より深い共感を生んだり、活発な議論の場が多くの場で誕生することを想定しています。

───ただ「バーチャル世界」というものは、現時点ではまだ社会には浸透しきっていません。課題に取り組む上で、想定しておくべき時代はいつごろと言えるでしょうか。

福田さん やはり「NEC 2030VISION」と同じように2030〜40年ごろでしょうか。もちろんその先でも問題はありませんが、現段階での技術の発達、それに伴う法規制などの社会の動きをしっかりリサーチした上で、現実的な範囲で課題に取り組んでいただければと思います。

───そういった点で「実現可能性」という部分も審査の際には注目されそうですね。

福田さん そうですね。先に述べた法規制や技術の進展をふまえることが一つ。そしてこれからはいままで以上に多くの情報が飛び交い、私たちの生きる世界もぐっと広がります。そうすると、環境に優しく、安全・安心なコミュニケーションを守り人々に「信頼」を作ることが今まで以上に重要になってきますよね。自由に新しいサービスを提案していただきたい一方で、そのサービスがいつ、どんな人の役に立つことができるのかを明確に設定していただきたいと思います。

コロナ禍を過ごした皆さんのアイデアをぶつけてほしい。

───今回は新しいサービスの提案ということですが、学生たちにどんなことを期待していますか?

福田さん いまの学生の皆さんはいわゆる「スマホネイティブ」と言われる世代。バーチャル世界ととても近いところで生きていると思います。ぜひ、バーチャル世界を身近に、自分ゴト 化して捉えていただきたいですね。

それから、今回課題に取り組む学生の皆さんは、新型コロナウイルス感染症の拡大などの影響でさまざまなことが思い通りにならなかった世代でもあると思います。「あのとき、バーチャル世界であればこんなことができたかもしれない。」「もしバーチャル世界だったら、こんなことがしたい。」そんな皆さん自身の思いと向き合うことが、課題を自分ゴト化する第一歩になると思います。SNS、音楽やスポーツ、教育などさまざまな分野で、Well-beingを得られるサービスを考えていただきたいですね。


───ある意味、自分自身の経験から生まれるアイデアの中にこそ「独創性」も生まれるかもしれませんね。

福田さん 確かにそうですね。「独創性」と言っても、必ずしもこれまでにないまったく新しいものである必要はないんです。すでにあるサービスや仕組みをもっと良くするアイデアでもいいと思います。生活していく中で感じた不満や課題を、自分なりに解決したときどんなサービスにつなげられるか、そしてそれがこれからどんなふうに社会に役立てられるか、そういったことを考えていくだけで、独創性と社会貢献感を兼ね備えたアイデアにつながると思います。

まずは、自分の感覚や熱意を大切に。

───先ほどお話いただいた「実現可能性」を考えると、思うように自由にアイデアを形にすることができないときもあるように感じます。何かアドバイスをいただけませんか。

福田さん もちろん、考えていく中で壁にぶつかることもあると思います。しかし、壁を目の前にしても、そのアイデアを形にする意味があると自信を持って言えることが大切なのではないでしょうか。自信を持ってあきらめなければ、可能性はあり続けます。現段階では実現が困難に思えるものであっても、自分のアイデアの必要性をしっかり伝え、共感と信頼を生むことができればよいと思います。ぜひプレゼンテーションの中で、アイデアへの熱意を語っていただきたいですね。

───ちなみに、より良いアイデアにたどり着くために心がけておくべきことはありますか?

福田さん いわゆる社会課題にもなっているようなテーマは視野に入れておくといいかもしれませんね。また、先ほど自分自身の思いを大切にしてほしいともお話ししましたが、自分の家族や友人など、大切な人の困っていることに着目するのもいいですね。ぜひこの機会に、広い視野で世の中を見つめていただければと思います。


───最後に、学生の皆さんへメッセージをお願いします!


福田さん オンライン授業、オンラインショッピング、デリバリーサービスなどなど、コロナ禍で皆さんの生活様式も大きく変化したと思います。リアルとオンラインの両方の世界で生きる皆さんにしか考えられない新しいサービスがきっとあるはずです。実は、NECはメタバースを活用した事業にはまださほど取り組めていません。今回の課題解決プロジェクトで、これから社会で活躍していく皆さんの考えに触れることで、NECの新たな一歩につながるエッセンスを見つけられたらと思います。皆さんの熱い思いを、しっかり伝えてきてほしいです!



───本日はありがとうございました!


■「NEC 2030VISION」について
・NEC 2030VISION(日本語版)はこちら 
・NEC 2030VISION(英語版)はこちら
・Beyond 5Gが実現する2030年頃の社会像の詳細はこちら
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福田浩一 さん
日本電気株式会社(NEC)
経営企画部門

2003年入社。システムエンジニアやマーケティングなどの部門を経験。20年間の実績を生かして、現在は経営企画部門ソートリーダーシップ部に所属。「NEC 2030VISION」の実現に向けて、インテリジェンス、コミュニケーション、サステナビリティを軸に組織の拡充、他社と連携した新事業の立ち上げなどを行う。