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Q テーマ解説
インタビュー

世の中に「健康で豊かな生活を届ける」ために、日清製粉グループが持つリソースを活かした新しいソリューション・商品やサービスを提案してください。

(株)日清製粉グループ本社

鈴木 徳真さん/川村 晴香さん


1900年(明治33年)の創業以来120年以上にわたり、国内食品産業で確固たる地位を築いてきた日清製粉グループ。小麦の製粉技術を発展させ、加工食品、中食・惣菜、健康食品、酵母・バイオ、エンジニアリング、メッシュクロスと事業領域は幅広く、最近ではソーラーパネルに関連した商材まで手掛けているそう。「健康で豊かな生活づくりに貢献する」という企業理念のもと、「なくてはならないものをつくる」という想いで、製品やサービス開発に取り組んでいるといいます。企業理念を継ぐ今回のテーマに込めた想いと、学生のみなさんへのメッセージをうかがいました。

創業以来120年「健康で豊かな生活づくりに貢献」

───はじめに、日清製粉グループについて、どんな企業か教えてください。

鈴木さん 日清製粉グループはひとことで言うと、『小麦を起点に、世の中にとって「なくてはならないもの」をつくる企業グループ』です。弊社グループの屋台骨である製粉事業では、日本国内の小麦粉販売で約40%のシェアを占め、加工食品事業ではパスタやパスタソース、冷凍食品、お好み焼粉やたこ焼粉などといった幅広い製品を取り扱い、中食・惣菜事業では米飯類から調理麺、冷凍惣菜など、あらゆるカテゴリーの製品を供給しています。私たちは日本や世界の食生活を支える「食のインフラ」を担うグローバルカンパニーとして、小麦を起点に多角的な事業を展開しています。

───たしかに、日清製粉グループの製品を知らない人はいないですよね。日清製粉ウェルナの「マ・マー 早ゆでスパゲティ」を筆頭に、お世話になっている方も多いはずです。

鈴木さん 我々は、世の中に安全・安心な小麦粉を安定的に供給し続けることを使命としています。小麦粉の安定供給がストップすると、私たち消費者をはじめ、小麦粉を加工した商品を製造販売するメーカーや町のパン屋さん、ラーメン屋さんなど、困る方はたくさんいらっしゃると思います。パスタだけでなくパンや麺類も、原料の多くは小麦粉ですし、弊社グループでは家庭用だけでなく業務用の小麦粉を扱っているため、世の中に与える影響力は大きいです。他にも小麦の製粉技術や研究から発展させて、さまざまな事業を展開しています。たとえば、健康食品やサプリメントといった生活に密着した製品もありますし、パンをつくるのに不可欠な酵母の研究とその菌体成分を活かしたバイオ事業では、創薬研究や診断薬原料、国際宇宙ステーションで使う動物用飼料の開発にも取り組んでいます。また、小麦粉をつくる自社工場を有していることから工場建設や粉体を扱うノウハウが蓄積されており、プラントエンジニアリング事業や粉体の受託加工事業なども展開しております。

───太陽光発電にも関わっていらっしゃるとか?

鈴木さん メッシュクロス事業の領域では、小麦粉をふるい分ける“ふるい網”がルーツになっています。NBCメッシュテックでは太陽光発電の効率を高めるために高精度の電極印刷を実現するスクリーン印刷用資材を作ったりしています。また、太陽電池の製造を支えているほか、最先端技術の研究にも積極的に取り組み、食品以外の領域も幅広く手掛けています。

───日清製粉グループで働く社員は、どんな方が多いのでしょうか?

川村さん 弊社グループでは様々な事業を展開していますが、「食のインフラ」としての責務を担うという意識は、多くの社員が強く持っていると思います。あとは、食に対する熱量が高い人は多いですね。好きな気持ちや好奇心は、自身の考えを熱く伝え、周りを巻き込んで形にする原動力につながる気がします。また、当社は「信を万事の本と為す」と社是に掲げていますが、信頼・信用がなければ何事も始まらないという意味の通り、物事に対し真摯に向き合い、周りの信頼を大切に行動する社員が多い印象です。

鈴木さん 信頼・信用はお客様に対してだけでなく社内に対しても言えることで、社員同士、あるいは上司と部下の間でもコミュニケーションをよく取り、日ごろから積極的に信頼・信用を構築していく雰囲気があります。仕事においては、若手のうちから責任のある仕事を任されることも多く、例えば技術系職種では1〜2年目から新製品開発に携わったり、事務系職種では大手スーパーマーケットの営業を担当するなどのチャンスも多いです。周りのサポートがしっかりしているからこそ実現できる仕事も多いのかもしれません。こんなところにも人を大切にする姿勢が現れている気がします。

川村さん 私たちは製粉業界のリーディングカンパニーとして、これまでもこれからも製粉・食品業界を牽引する責任がありますが、そのためには時代の変化に柔軟に対応する必要があります。社是としてもう一つ「時代への適合」を掲げていますが、弊社グループでは時代や環境変化を成長機会と捉え、前向きなチャレンジを応援する寛容な社風があると感じています。

自分なりの価値観だけで、動かないこと。

───では、ここから課題解決プロジェクトについてうかがいます。今回のテーマに決定した背景を教えてください。

鈴木さん テーマの中に企業理念を盛り込んでいますが、「健康」や「豊かな生活」といっても人それぞれ価値観が違うので、私たちも日々考えを巡らせています。「なくてはならないものをつくる」という視点も、人それぞれ違うかもしれないですし、また時代やシチュエーションによっても変わるものです。たとえばパスタ一つとっても、本格的なパスタを食べたいときもあれば、とにかく簡単に食欲を満たしたいときもあります。いろいろなシーンが考えられますよね。「学生の皆さんはどうなのだろう?」と純粋に意見を聞いてみたいという想いがまずありました。

───おっしゃるとおり、健康や豊かさの基準は、年代でもさまざまな意見がありそうですね。学生のみなさんが今、実際にどういう感覚で健康や豊かな生活を捉えているのか、自分の基準から考えるのは、課題に向き合う際に手がかりになりそうですね。

川村さん 捉え方は人それぞれですが、まずは自分なりの価値観で考えてみたうえで、周りの人に意見を聞くプロセスをぜひ取り入れてもらえればと思います。「他の人ってどう考えているのだろう?」「他の人にとっての健康や豊かさってなんだろう?」と考えてみるだけでも、自分の視野が広がるはずです。それから、実際にスーパーマーケットなどの売り場を訪れて、「商品はどんなものがあるか」、実際に見てみるといろいろ発見があると思います。

周りを巻き込んで、食文化を変えることだってできる。

───実際の仕事にも通じるプロセスですね。今回の課題に取り組むにあたり、参考にできる事例があれば教えてください。

川村さん 今ではみなさんが普通に召し上がっている「つけ麺」は、一説には「六厘舎さん」がブームの火付け役といわれています。その麺には弊社と製麺所、六厘舎さんの3社が共同で開発した「カブキモノ」というつけ麺専用粉が使われています。現在「つけ麺」は人気ジャンルの一つとして行列店が多数存在していますが、今回ご紹介したエピソードは「つけ麺」という新たな食文化の誕生に、私たちの強みである技術やリソースが活かされた一例かも知れません。

───大きな食のムーブメントを起こすチャンスがあると考えると、やりがいがありますね。他にはどのような取組みがありますか?

川村さん 例えば、加工食品事業では、高たんぱくの早ゆでパスタを開発しました。弊社独自のFineFast製法を取り入れ、ゆで時間3分でアルデンテの食感を楽しめる、簡便で美味しくて健康に良い製品です。他には直近ですと、食物繊維をたっぷり美味しく取れる小麦粉「アミュリア」の開発や、健康食品事業では食生活を分析し、一人ひとりにあった健康アドバイスとサプリメントをご提案する「YOURFIT(ユアフィット)」というサービスも開始していますので、ぜひホームページなどでチェックしてみてください。

───さまざまな分野で、世の中に求められるものを届けているんですね。今回の課題テーマである5つの審査項目(※)のうち、特にどんな点を意識して取り組むとよいでしょうか?

(※)課題テーマの分析度、アイデアの独自性、提供価値の説得力、優位性、実現可能性

川村さん どれも大事なのですが、特に重視するのは「課題テーマの分析に関する調査」です。弊社の仕事全般に言えることですが、一人で何かを作り上げることはできません。周りに納得して動いてもらうためには、客観的な情報やデータが必要になります。まずは社会や環境、食事事情やトレンドなどをよく調査し、日清製粉グループのリソースや事業、取り組みを理解したうえで、具体的な着想につなげるための現状分析に取り組んでほしいと思います。

───調査をすることで、新しい発見もありそうですね。

川村さん そうですね、自分では気がつかなかったことが見えてくるかもしれません。日清製粉グループと聞くとまず、「小麦粉製造販売をやっている」「食品メーカーでパスタを作っている」という印象が強いかと思いますが、それだけではない部分を調べてもらえたら、きっと学生のみなさんの柔軟な発想に結びつき、面白く斬新で世の中に支持されるアイデアが生まれるのではないかと期待しています。

視野を広げ、新しい視点を持てるきっかけに。

───この企画を通じ、学生のみなさんに期待することがあれば教えてください。

鈴木さん きっと食に興味のある学生さんが、応募してくれるのではと期待していますが、食に対する想いの強さを自分の価値観だけに留めずに、周りの人にも意見を聞いて「世の中に必要なものか」をしっかりと自問自答してみてください。そしてこの機会にぜひ、世の中にある商品やサービスを改めて観察してください。みなさんの多くは消費者であり、事業としてお金を受け取って商品やサービスを提供した経験をしている方は少ないと思います。いつも購入している商品や受けるサービスが、皆さんに届くまでにどのような作り手がいて、どのような想いが込められているのか。またどのような仕組み(ビジネスモデル)なのかと、思いを巡らせて考えていただきたいです。このワークを通じて、商品やサービスを作り、ソリューションを提供する側に立ってみて、視野を広げ、新しい視点を育むきっかけになれば嬉しいです。既存の事例や枠組みに捉われない柔軟な企画を期待しています!

───本日はありがとうございました!

日清製粉グループ ビジョンムービー 理念とビジョン編 (youtube.com)
NISSHIN Stories | グループについて | 日清製粉グループ
日清製粉グループ (nisshin.com)

鈴木 徳真さん

2016年4月新卒入社。日清製粉プレミックス㈱管理部で経理を担当後、㈱日清製粉グループ本社人事部にて研修担当に。その後、日清アソシエイツ㈱ソリューション事業部での給与担当を経て、現在は㈱日清製粉グループ本社人事部で新卒採用を担当。


川村 晴香さん

2017年4月新卒入社。㈱日清製粉ウェルナ 家庭用営業部 首都圏営業部での営業担当を経て、現在は㈱日清製粉グループ本社人事部にて、新卒・中途採用を担当。