最終更新日:2024/5/2

(株)ヨークベニマル【セブン&アイグループ】

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • スーパーマーケット
  • 食品
  • 商社(食品・農林・水産)
  • 専門店(食品・日用品)
  • 給食・デリカ・フードビジネス

基本情報

本社
福島県

取材情報

記事で読む社会科見学

237店舗それぞれの商品展開や価格設定で、地域ごとの食や生活スタイルを支える。

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小売業界に大きな影響を与えた、セブンプレミアムの開発も推進。

福島県郡山市を本拠地として南東北と北関東の5県で236店舗のスーパーを展開するヨークベニマル。その人事担当である西條さんに、ヨークベニマルの仕事が私たちの生活にどのように関わっているのか話を聞きました。

西條 芳史さん
宮城県仙台市出身。岩手大学教育学部卒業後2012年に入社し、調味料・飲料・お菓子などを扱う加工食品部門(現グロサリー部門)に配属。2年目で新店担当、4年目でグロサリー部門マネジャーへ昇進。
宮城県仙台市、福島県郡山市のお店で勤務し、その後茨城県にある東海店の新店オープンを経験。一からお店を考えることの楽しさや難しさ、仕組み作りや教育の大変さを実感する。2021年に人事室へ異動。現在インターンシップや説明会などに取り組む。

ただのスーパーではない!ヨークベニマルの大きな特徴。

ヨークベニマルの特徴について、店舗を潰さないことや地域に尽くす姿勢などを挙げる西條さん。その基盤として受け継がれる「野越え山越え」精神についても強調しています。
セブン&アイグループのPBとして広く知られるようになった「セブンプレミアム」。その開発リーダーの大高会長を筆頭に、ヨークベニマルは商品開発にも関わってきました。
2021年2月、新社屋へと移転したヨークベニマル。2022年3月にはライフフーズと合併し、これまで以上の態勢で製販一体スーパーを展開することが期待されています。

創業者精神を基盤として来店客を大切にし、一度出した店舗は潰すことなく経営を継続。

1947年に創業したヨークベニマル。紅丸商店として誕生してから、2022年で74年目を迎えます。その特徴のひとつとして挙げられるのが、創業期から店舗を潰さないように展開してきたこと。一度出した店舗は改装、建て直し、移転などで一時的に閉めることがあっても、完全閉店にいたったことはありません。店舗を構えた際は、継続的に営業することを前提として運営にあたっているのです。
その背景には、出店先の住民や地域社会の生活利便性、従業員の雇用確保といったさまざまな要素が混在しています。当社では、店舗を起点とした快適で便利な暮らしが長く維持できるよう、このような取り組みを続けてきました。
当社が店舗を大切にしている理由には、もうひとつ大きな根拠があります。それは創業者夫妻から受け継がれてきた「野越え山越え」の精神です。これは創業間もないころ、創業者の奥様が商品を携えて行商に出掛けた逸話が基になっています。なかなか商品をお買い上げいただけず困っていた奥様は、訪問先の民家で商品をご覧いただき、思わず涙がこぼれ落ちたのだそうです。
この出来事が示すのは「お客様が自ら店舗まで足を運んでくださるのは当たり前のことでなく、何とありがたいことなのか」ということ。行商時に商品が売れない苦しさに比べれば、お客様がわざわざ訪問してくださる店舗で販売することは、いかに恵まれているかが分かると思います。当社ではこの経験を基に「一人のお客さまに誠実を尽せ」という企業理念を設定。合わせてお客様への真摯な対応を明文化した、ヨークベニマル12章も掲げています。
さらに当社では、南東北と北関東に237店舗を展開していることから、それぞれの地域に尽くし、地域に愛されることを念頭にした運営を心掛けてきました。たとえば福島県南会津町の田島店では、2018年から宅配サービスに取り組んでいます。これは電話で注文を受け、たとえ牛乳1本、卵1個でもお客様の元までお届けするというサービスです。中には車で入れない山間地域もありますが、その際は背負子に商品を載せて徒歩で訪問するなどしています。
宅配は会社主導ではなく、田島店が自ら考えて始めたサービス。このように当社の店舗では、それぞれの地域に合わせて独自に考えながら運営に取り組んでいるのです。この宅配サービスについては他店舗でも取り組みが始まり、2021年現在6店舗で実施されています。

パートナー企業と製販一体ビジネスを展開。2022年の合併による態勢強化にも期待。

当社にはビジネスモデルにも大きな特徴があります。それは商品を仕入れて販売するだけでなく、自ら製造した商品も合わせて販売していること。この製販一体スタイルには、当社の重要なパートナー企業であるライフフーズが大きく関わっています。
ライフフーズはヨークベニマルで販売するお惣菜などを手掛けてきた会社。店頭の商品は福島県郡山市などに設けた工場で製造され、さらにヨークベニマル各店舗でも二次加工が行われて売場に並びます。これによって新鮮な素材を使ったお惣菜が、手作りの美味しさをともなって提供されるのです。
各店舗には当社従業員だけでなく、ライフフーズの従業員も勤務。文字通り店内で製販一体態勢が実現されていることになります。
ライフフーズは調理などの製造工程だけでなく、素材選びや野菜などの生産、そのための土作りなどにも取り組む会社。2022年3月からは当社と合併し、新たな態勢で事業に取り組むことになりました。これまで以上に連携が強化されるなど、製販一体ビジネスのさらなる向上が期待されているのです。
また当社は、セブン&アイグループのプライベートブランド (PB)「セブンプレミアム」開発にも深く関わってきました。これはPB開発が当社の大高善興会長によって進められたことに由来します。価格競争に打ち勝つPBが求められながらも品質にこだわって開発したいと主張したところ、開発リーダーに任命されたのです。2007年の開発開始以来、大高会長はセブンプレミアムの開発リーダーを担当されています。
お陰様でセブンプレミアムは、現在4,000点以上のアイテムを展開するまでになりました。ゴールドシリーズも展開され、肉や魚などの商品も加わるなど、単なる低価格PBにはくくり切れない状況。最近では私たちの誇れるブランドという意味を込め、プライドブランド(PB)という位置付けにシフトしつつあります。
このほか個店経営という考え方も当社の特徴と言えるでしょう。当社は南東北と北関東の5県に237店舗を展開していますが、雪深い山形県新庄市と都内まで十数kmの茨城県取手市では気候も土地柄も大きく異なります。そこで当社では店舗ごとに立地エリアに合わせ、取り扱う商品も価格も独自に設定できる「個店経営」を展開。地域で必要とされる商品があれば独自に仕入れ、郷土料理なども商品化して販売できる態勢としているのです。

さまざまな特色に彩られた地域ごとの店舗。さまざまな職種が支える細やかなサービス。

そんなヨークベニマルで働くのは、各売場の担当スタッフ、部門マネジャー、副店長、店長といった方々です。鮮魚、精肉、青果、デイリーなど商品カテゴリーごとにさまざまな部門に分かれ、店舗の運営を支えています。
入社時にはまず全ての部門をひと通り回った後に、各部門の状況や本人の適性に合わせて配属先が決まります。配属後にはOJTや研修などで指導を受けながら業務を覚え、必要なスキルなども習得。必要な知識や技術をマスターした後はさらに高度なスキルを身に付け、上位職種昇格を目指しながら業務に取り組んでいきます。基本は配属された部門で働くことになりますが、手荒れなどやむを得ない事情の場合は変更することもあります。
その後はキャリアステップを歩みながら、店長として店舗運営を担うことに。ただし全員が店舗でキャリアを積んでいく訳ではなく、本部スタッフなど別のキャリアを歩むことも可能となっています。店舗以外の職種としては、エリア全体を束ねるゾーンマネジャー、地区ごとの店舗の管理・指導をするスーパーバイザー、商品仕入・開発を行うマーチャンダイザー、部門ごとのスタッフ指導に当たるトレーナーのほか、総務、経理、人事、システム運営などの管理部門で働くことも可能です。キャリアステップについて自分の意志を伝える場も設けられています。
また店舗で働く際には、パート・アルバイトの方とともに売場を切り盛りしていきます。パート・アルバイトの方は店舗周辺に暮らす地域住民でもあることから、お客様に最も近い従業員と言うこともできるでしょう。日々の暮らしや地域の土地柄などについてさまざまな情報を持っているため、パート・アルバイトの方から情報を吸い上げて売場作りに生かすことも店舗運営の大きなポイントです。もちろん日々の業務を通じ、地域のお客様と触れ合うことも重要なサービスとなっています。
このようにヨークベニマルは部門や職種によって運営されていますが、逆に言えばそれだけ幅広い人々がそれぞれの担当業務に力を尽くしているからこそ、お客様や出店地域に安全安心な商品やさまざまなサービスを提供することができているのです。ヨークベニマルの従業員は、多かれ少なかれ店舗業務を経験した人間が大半。業務内容や立場の違いがあっても、それぞれの仕事を通じてお客様や出店地域のために力を尽くしているのです。
(西條芳史/人事室マネージャー・2012年入社)

学生の方へメッセージ

企業研究では最初から業界を絞り込まず、幅広い企業に触れてほしいと思います。企業担当者と話したり、実際の職場や働き方を見たりすれば、自分で考えてもいなかった可能性に気付くかもしれません。
当社では店舗での仕事が中心なだけに、接客も含めてさまざまな方とのコミュニケーションが重視されます。ただしコミュニケーションが得意でなければ働けないという訳でもありません。嫌いでなければ十分働けるはずなので、あまり敷居を上げずにとらえていただければと思います。
当社は今年ライフフーズと合併をしました。お互いの特徴をより強化し、お惣菜や生鮮食品などのレベルをさらに向上させていく事が求められています。合わせてさまざまな面でのデジタル化も急務。現在実施している宅配サービスも、情報システムの整備や仕組みづくりで、ネットスーパー、置き配達、ロッカー受取などまだまだ効率的に行えるはずです。
このほかカゴに入れた商品を自動計算してくれるスキャンカートも導入し始めました。これはお客様のレジ待ち時間を減らし、従業員の人員を減らす効果が期待されています。今後はこのようにお客様にも当社にも便利で効率的な仕組みを構築することが、必要になっていくでしょう。
企業研究では現在の状況だけでなく、今後の動きも踏まえることが重要。そのうえで当社にも興味を持っていただければありがたいですね。
(西條芳史/人事室マネージャー・2012年入社)

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新社屋に設けられた「ヨークベニマル史料館」。さまざまな写真や資料から、創業時の出来事、受け継がれてきた創業者精神、企業理念の由来などが学べる施設となっています。

マイナビ編集部から

今回さまざまな話を聞けたことで、ヨークベニマルがただのスーパーではないことが分かった。
PBブームの仕掛け役でもある、代表的なPB「セブンプレミアム」。セブンイレブンやイトーヨーカドーなどセブン&アイグループで広く展開されているこのPBは、ヨークベニマルが開発を進めてきた物だ。
それだけでなく、立地エリアそれぞれに合わせて237店舗が独自に商品展開や価格を決められることも大きな特徴のひとつ。この仕組みがあるからこそ、各地域で住民の支持を得られてきたのだろう。この個店経営姿勢こそが、店舗網拡大の基盤になっているのではないかとも感じられた。
現にマイナビと日経新聞が4月に発表した地域別企業人気ランキングでは、ヨークベニマルが東北8位にランクインしている。これはスーパー業態で見ると東北1位となる結果。東北にとってもその重要度が高まっている企業と言えるだろう。
さらに東北6県企業売上ランキングでは大手電力会社、大手自動車メーカーに次ぐ位置となっており、顧客志向の堅実経営によって安定成長を遂げていることも分かった。
今後は合併による製販一体態勢強化、デジタル化の推進や労働環境の改善などによってさらなる進化も期待できる。コロナ禍で暮らしを支える業種の重要度が増したこともあり、ヨークベニマルのようなスーパーは今後も世の中にとって欠かせない企業として成長していくのではないかと強く感じた。

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立地エリアに合わせて売場作りに取り組んでいるヨークベニマル。店舗独自の考えや取り組みが尊重されるため、そこで働く従業員の工夫が発揮されやすい環境となっています。

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