最終更新日:2025/4/16

日本埠頭倉庫(株)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 物流・倉庫
  • 海運
  • 陸運(貨物・バス・タクシー)

基本情報

本社
神奈川県

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

倉庫業のプロを目指して。自分を高めつづける若手社員の肖像

PHOTO

世界のワインを日本中に届けるために

平 瑠加
横浜事業所 物流課
工学部情報工学科卒
2020年入社

日本埠頭倉庫の主要拠点の一つ、横浜事業所で勤務する平さんは、ワイン類の入庫業務に一貫して携わってきた。物流に関する知識や技術は、ゼロからのスタート。しかし今では、大量に入庫されるワインを適切に管理し、滞りなく世の中に届けるための業務をしっかりと担えるまでになった。平さんのキャリアを通して、同社の倉庫業務の仕事内容を浮き彫りにしていく。

平さんの一日

港などから運ばれてきた貨物をチェック。コンテナ1本に2万本以上のワインが入っていることもあるという。扱う貨物はまさに膨大だ。
作業を依頼している荷役会社の仕事をサポートするため、フォークリフトを操って貨物を動かすこともある。もちろん運転免許は取得済みだ。
ハンディターミナルを使って各ワインの状況などを入力。倉庫業は、ITの力もフル活用しながら営まれている。

輸入ワインを最初に保管する「保税倉庫」の運営を担当

大学でプログラミングを学んできた私ですが、お金を貯めて海外を旅しようと、就職活動には臨まずアルバイトに励んでいました。しかしながら、卒業する時期に新型コロナウイルスが流行。海外に行く機会が失われたことから、第二新卒として就職活動を開始することにしました。コロナ禍でも活気にあふれていた物流業界に視野を広げていくうちに出会ったのが、日本埠頭倉庫。システム部門を有しており将来的に大学での学びを生かせる可能性があることに加え、ワーク・ライフ・バランスが整った勤務体系でメリハリをつけて働ける点にも共感したことが、入社の決め手となりました。

以来、大黒ふ頭に隣接する横浜事業所に所属しています。約4万平方メートルの広大な敷地内には複数の倉庫のほか、化成品を扱うケミカルタンクヤード、穀物を貯蔵する鉄製穀物サイロなどが林立しています。その中で私は物流課の一員として、倉庫での現場業務に取り組んでいます。担当しているのは、当社が得意とするワイン類。輸入されたワインは通常、港に荷揚げされた後、関税がかかるまでは「保税倉庫」で保管することになります。当社はまさにその保税倉庫を運営しており、私は主に入庫業務を担当しています。

業務はまず、海外から運ばれてくるコンテナの中身のワインが、予定通りの数や品質で届けられているか、ハンディターミナルにデータを打ち込みながら確認するところからスタート。続いて協力会社や荷役会社の方たちに指示を出し、フォークリフトで倉庫内に格納してもらったり、不具合がないか検品してもらったりといった作業を行います。並行して他部署が通関の作業を進め、お客さまから指示が出たら同じ部署の別チームが出庫作業に入ります。以上が大まかな業務の流れです。

私自身も免許を取得してフォークリフトを運転できるようになりました。といっても、実務に関しては協力会社・荷役会社の皆さんが動いてくれるので、私はあくまでもサポート程度。社員の仕事は、基本的に作業の段取りや確認が中心です。その意味では、建築現場の現場監督のような立ち位置をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。

2年目から高度な業務にチャレンジ。失敗を教訓にして次につなげていく文化も根付く

入社してからはまず、荷崩れ防止用のラップをパレット積みした貨物に巻く作業を任されました。最初は思ったように巻けずに苦戦しましたが、それでも3日も経験すれば形を付けられるようになりました。そこからはデータ打ち込みなどの作業をしつつ、先輩の動き方を横で見ながら学んでいく日々。知識が十分でないうちは能動的にできることは少なかったものの、どういう流れで倉庫の仕事が進んでいくのかを理解する貴重な時間となりました。

当時一緒に仕事をしていた先輩は、効率的に仕事をまわすことがとても上手だったので、非常に勉強になりました。無駄なごみを先回りして取る。協力会社がさばききれない作業をさっと手伝う。そんなちょっとした心遣いをしておけば、全員が残業をせずに定時に帰ることができるというのもわかってきました。先輩の仕事の仕方を目で盗み、自分の中に取り込んできたおかげで、今もオンオフを切り替えながら効率よく働けているのだと思います。

2年目になると、先輩が一人異動したこともあって私の業務量が増え、協力会社や荷役会社への指示出しを本格的に担当するようになりました。さらにはパズルを解くかのように場所を考えながらコンテナの位置を決めたり、パレットを準備して現場の人たちが作業しやすいように支援したりと、管理の部分にも深く関わるようになりました。

現場の人たちはこの道のベテランぞろい。年齢が若く、経験も浅い私では太刀打ちできないところもありました。けれども、普段から率先してコミュニケーションを図り、雑談なども交わしながらお互いの距離を縮めていくことを意識するうちに、私が決めた段取りを踏まえて作業をしてくれるようになり、仕事もスムーズに回りはじめました。

とはいえ、うまくいくことばかりではありません。ある時、似たような木箱が納入されたために種類を間違えてしまい、検品でケースの数が合わないという事態が発生。次からは木箱を取り違えないようにと、広い場所でケースを広げ、箱に書いてある名前が見えるように置くというルールに変更しました。たとえ失敗しても、それを教訓に対策をして、次につなげていく。そんな前向きな空気があるので、仕事がしやすいと感じています。

1日で扱うワインは10万本単位。大変だからこそ、やりがいも大きい

1日に納品されるコンテナは3~4本ほど。コンテナ1本につき最大1,800カートン、ワインの本数でいえば2万本をゆうに超えることになります。繁忙期にはコンテナ10本が入ってくることもありますから、10~20万本のワインを扱うことになるのでしょうか。大量のワインを前に苦戦することも多いですが、関係者と入念にコミュニケーションを取り、適切な形で段取りを決めて物事を進めていけば、課題を乗り越えることができます。自分の判断に沿って作業を進めた結果、時間内に効率よく終わったときの達成感は格別ですね。扱ったワインがコンビニの店頭に置かれているのを見かけることも多いのですが、そんな時には、自分も少しは社会に貢献できているのだと実感します。

今の仕事は、ワーク・ライフ・バランスという意味でも満足できています。さすがに繁忙期は残業することもありますが、それ以外のシーズンでは残業は最小限に留まっています。入庫作業は17時が定時なのですが、現場は16時半終了を心掛け、残り30分で書類等をまとめて帰宅するという流れを意識しています。先輩を見ていても定時になったらサッと帰る人がほとんどなので、帰りづらいということは全くありません。また、コンテナが入らない日などは有給休暇なども取りやすく、自分の時間もしっかりと確保できています。

このまま現場業務をしっかりとこなせるようにスキルアップに励んでいくのが当面の目標です。入庫業務はある程度分かるようになりましたが、出庫業務はほぼ経験がないですし、フォークリフトの操作も得意とはいえませんので、積極的に経験を積み重ねていきたいです。

また物流課には事務所業務もあり、トラックの手配やお客さまとのやり取り、検品のオーダーなどを行っています。将来的には事務業務にも携われるようになりたいと考えています。いつかは大学で学んだITの知識が生かせるシステム課にも挑戦したいですね。さまざまな仕事を通して、自分を磨いていくつもりです。

学生の方へメッセージ

私の場合は特殊な形で就職していますので、学生時代はほとんど企業研究を行っていません。ただ、「社会を知る」という意味で学生時代に経験してよかったことといえば、アルバイトでした。私はスーパー銭湯に付随する飲食店で長くアルバイトをしており、同僚のまとめ役や難しいお客さまの対応といったことも経験してきました。おかげで、さまざまな立場の人と共に働く今の仕事に携わってからも、違和感なく溶け込めています。学生のうちに多くの人と接する仕事をしておけば、少なくとも倉庫業の現場では、かなり生かされます。このことは覚えておいてほしいですね。

もちろんアルバイト以外の場面でも、人との関わりを意識した学生生活を送ってください。友人、家族、先生などと接するとき、些細な関わりであっても、丁寧にコミュニケーションを取るようにすれば、社会に出てからも生かせる力が身に付けられるはずです。

「もっと勉強をしておけばよかった!」という切り口でいえば、語学に真剣に向き合っておけばよかったとの思いがあります。世の中のさまざまな仕事でグローバル化が進んでいますが、倉庫業も例外ではなく、荷役会社の作業員には外国籍の方もいらっしゃいますし、そもそも輸入に関わるので書類も英語で記載されています。言葉ができていれば仕事が楽になるのは確かですから、時間のある今のうちに勉強をしておきましょう。

PHOTO
若手からベテランまで、社員が一体となって倉庫を支える。上下関係の垣根も低く、気軽にコミュニケーションが取れる空気も醸成されている。

マイナビ編集部から

1948年に創業した日本埠頭倉庫は現在、横浜・東京・千葉エリアで倉庫業を中心とした物流事業を営んでいる。平さんも手掛けているワイン類、食品類の取り扱いを最も得意とする同社は、穀物サイロや化成品タンクなどの設備も有し、機密文書の保管サービスにも対応するなど、さまざまな形で物流を支えてきた。

従業員数140名程度とコンパクトな組織だけに、社員一人ひとりの顔が見えやすく、右も左もわからない新人に対しても、先輩たちがそれぞれの特性に合わせたキメ細かな指導を施してくれる。基本的にどの社員も入庫などの倉庫業務からスタートし、物流の最前線を経験する。周囲の温かなサポートのもと、新人も安心して作業に集中できている様子がうかがわれた。

平さんの話にもあったが、ワーク・ライフ・バランスの整った職場でもあり、上司が率先して休みを取るので、若手も気兼ねなく休暇を申請できるそうだ。時期によって仕事の忙しさに波はあるものの、そのぶんメリハリを利かせて働くこともできる。働く環境の良さも同社の自慢である。

PHOTO
約4万平方メートルもの広大な敷地を誇る横浜事業所。近隣の港に荷揚げされる貨物を中心に預かっており、国際物流を支える重要な拠点に位置付けられている。

トップへ

  1. トップ
  2. 日本埠頭倉庫(株)の取材情報