最終更新日:2024/10/18

一般社団法人 日本血液製剤機構

業種

  • 薬品

基本情報

本社
東京都

取材情報

先輩達の”キャリアアップ”

血液を原料とする医薬品の製造を通じ、「善意と医療のかけ橋」となることを目指す。

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難病の治療に欠かすことのできない医薬品を提供しつづける。

血液を原料とする医薬品の製造を通じ、難病に苦しむ患者さんの命を支えている日本血液製剤機構。高い倫理観と使命感を持って、この仕事に取り組む職員の皆さんから、それぞれのキャリアについて伺いました。

■人事部 部長 足立 毅さん
1987年入職/工学部化学工学科卒

■研究開発本部 技術開発部 野崎 佑斗さん
2019年入職/理学部生物科学科卒

■人事部 人財育成課 星野 雄哉さん
2015年入職/文学部史学科卒

日本血液製剤機構はこんな職場です

「当機構では職員のジョブローテーション制度を導入しており、幅広い仕事を経験するなかで、組織運営の未来を担う人財に成長することができます」(足立さん)
「私が所属する千歳工場は北海道千歳市の臨空工業団地にあります。工場と聞いて多くの方が想像するほど人里離れた場所ではなく、生活にも便利な環境です」(野崎さん)
「人の命に直結する仕事ができるのが、日本血液製剤機構で働くことのやりがいであり、大変さ。強い使命感を感じながら、社会に貢献できる職場です」(星野さん)

医薬品製造の現場で培ってきた経験をもとに、理念と使命を受け継いでいく人財を育成していきたい/足立さん

日本血液製剤機構は2012年に設立された製薬会社です。私たちが手掛けているのは、ドラッグストアなどで販売される一般用医薬品ではなく、医療機関で使用および処方される医療用医薬品。またその中でも、善意の献血を原料とする医薬品のみを製造しています。

血液と聞くと輸血をイメージされる方が多いと思いますが、私たちが製造しているのは、血液中の血漿を分画(有用な成分だけを分離する)し、医療効果を高めた血漿分画製剤と呼ばれるもの。重症筋無力症、慢性炎症性脱髄性多発神経炎、ギラン・バレー症候群など、症例数は少ないものの、患者さんの命に関わるような難病の治療に欠かすことのできない存在です。

「善意と医療のかけ橋」という理念は、献血という善意によって得られた原料を大切に加工し、医療の現場で役立ててもらうという私たちの役割を、そのまま言葉にしたものなのです。一般社団法人という事業形態をとっているのも、たった一人の患者さんのためにでも、医薬品を製造しなければならないという私たちの使命を果たすためです。

一方で、人財や設備に投資し、研究開発を続けるための予算は、自分たちで獲得しなければなりません。きちんと収益を上げ、組織を存続させ続けることも、私たちが絶対に果たしていかなければならない責務なのです。

こうした事業を手掛けていくため、当法人では職員のジョブローテーション制度を導入。3~5年を目処にさまざまな部署を経験していただきながら、職級をステップアップしていき、患者さんに大切な医薬品をお届けしつづけるという責務を全うしています。またそのキャリアステップの中で、自分に適した部署、心からやりたいと思える仕事に出会うチャンスも生まれてくるでしょう。

私自身は工学部を卒業後、当社の前身である製薬会社に工場の製造設備を維持・管理する技術職として入社。その後、管理部門や業務部の部長職を経て、日本血液製剤機構の設立にともない、現在の人事部長職に就きました。「善意と医療のかけ橋 」という理念は、私たちの組織全体に広く深く浸透しているもの。長く製造の現場に身を置いてきた経験を生かし、人事部長として、この理念に賛同してくださる人財を育てていくことが、私の使命であると考え、日々の仕事に取り組んでいます。

血液製剤の製造を経て、技術開発部門に異動。収率向上のための研究開発に取り組んでいます/野崎さん

私は学生時代、生物科学科で植物のDNAを研究していました。目標としていたのは、自社で工場を持ち、モノづくりを行っている企業で働くこと。企業研究を進めるなか、プロフィールを登録しておくと企業のほうからお声がけいただける「逆求人サイト」を通じ、連絡をもらったことが日本血液製剤機構と出会ったきっかけでした。

製薬会社で働くことができるとは考えていませんでしたが、一般社団法人として、ヒトの血液から作った医薬品で難病の患者さんを救っているという大きな使命にも強い興味を持ちました。そこで現在の勤務先でもある千歳工場を見学したところ、「善意と医療のかけ橋」という理念に真摯に向き合い、日々の仕事に取り組む職員の皆さんとの出会いがありました。自分もこんな法人の一員として働きたいと考えて、入職を決意したのです。

入職後、最初に配属されたのは、エタノールという薬剤を使用して血漿分画製剤を製造している千歳工場の製造二課という部署。高品質な医薬品を製造できるよう、製品の品質管理や、製造設備を管理するという仕事を約2年間担当しました。製造の現場で働くという仕事の性格上、早番・残り番などの変則勤務もあり、苦労があったのも事実。しかし、「善意と医療のかけ橋」という理念に共感していたからこそ、大きなやりがいを感じながら働くことができました。その後、同じ工場内にある技術開発部に異動。現在は製法を改良・検討することで、医薬品の収率を向上させるための研究開発に取り組んでいます。

収率を向上するというのは、同じ量の血漿から、少しでも多くの医薬品を作れるようにすること。原料となる血漿は、善意の献血によってもたらされるものであり、量には限りがあります。一人でも多くの患者さんのもとに私たちの医薬品をお届けするためには、実験室の中だけではなく、工場のような大きな規模でも収率向上を実現することがとても重要になってくるのです。

日本血液製剤機構という製薬会社では、私のように薬学部の出身ではなくても、製造や研究開発に携わることができます。化学合成で製造する一般の医療用医薬品とは性格が異なるため、必ずしも初めから専門的な知識が必要ではないのです。薬学部の出身ではないけれど、医薬品に携わってみたいという人も活躍できる職場です。

日本血液製剤機構のMRに求められる高い倫理観を、人事として新人職員に伝えていきたい/星野さん

大学卒業後、私が最初に就職したのはある出版社の広告部。雑誌広告だけでなく、テレビやWebなどの媒体もクライアントに提案する営業職として、大きな手応えを感じていました。そんな環境を一変させたのが2011年に起きた東日本大震災です。震災後、テレビCMなどの広告に対する受け取られ方が変化し、私は自分が手掛けてきた仕事が世間から必要とされないものなのか、とショックを受けて転職を決意しました。社会の役に立つ仕事がしたいと考えて、製薬会社にMRの人財派遣を行っている企業に入社しました。

そこで出会ったのが日本血液製剤機構の前身の一つである製薬会社。私が派遣された後に、事業統合で日本血液製剤機構が誕生し、MRとして医療機関に向けた情報発信を担当することになりました。その後、2015年に転籍となり、現在は正職員として働いています。

MRは製薬会社にとって営業職のような存在。自社の医薬品の特性や適切な使用方法、効能効果などを医療機関に情報として伝え、使用を促進します。しかし、日本血液製剤機構のMRは「もっと使ってもらうこと」だけを目指すのではありません。限りある原料から作られた医薬品だけに、本当に必要ではないとき、使う必要がなときには、ドクターに使用を控えていただくよう、お話することも少なくありません。

私は日本血液製剤機構で働くようになって以来、4施設ほどの大学病院を担当してきましたが、これはMR業界では異例のこと。大学病院を担当するMRは製薬会社のエース的な存在だけに、私のようにキャリアの浅い人間がこのような経験をすることができたのは非常に貴重な経験でした。

そうした恵まれたポジションから、あえて人事に異動することを希望したのは、MRとして学んできた知識や経験を人財育成に生かしたいと考えたから。そんな私の希望を聞き入れてもらい、2022年に人事部に異動。日本血液製剤機構の職員には高い倫理観や使命感が求められます。そうしたマインドの部分を含め、これから入職してくる人たちに、私たちの仕事の意義ややりがいについて伝えていくのが私の目標です。

企業研究のポイント

企業研究を進める上で大切なのは、順序良くステップを踏むことで、自分が理想とする仕事や企業に近づいていくことだと思います。

最初にやるべきなのは、自分の資質(好きなこと・嫌いなこと、得意なこと・苦手なこと)を分析すること。次には、その資質に合うであろう職種や業種をリストアップし、その中に自分が興味を持てるものがあるかどうかを考えます。

そして、自分の資質と興味が合致する職種・業種があれば、具体的にどのような企業があるかをインターネットなどで検索してみるとよいでしょう。そうした企業のインターンシップなどに参加していけば、いずれは自分にとって最適な企業を発見することができるはずです。

また、仕事内容や環境はもちろんのこと、福利厚生や休日休暇などの制度を知ることも重要です。制度があるということだけでなく、どのように運用されているかを人事担当者などに質問してみるのも良いと思います。

こうしたステップを踏むことで、「自分が働いている姿」がリアリティーを持って想像することができるようになるはず。「仕事を通じ、自分がどんな人生を送りたいか」を考えることができれば、ミスマッチも起こりにくいはずです。

(人事部 人財育成課/星野 雄哉)

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「血液製剤の研究開発と製造という重い責務に、真摯に向かい合うことのできる人財が活躍しています。そして、誰もが意欲的に取り組んでいます」(人財育成課一同)

マイナビ編集部から

日本血液製剤機構は、献血活動によって採取した血液を譲り受け、血漿分画製剤と呼ばれる医療用医薬品を製造している製薬会社だ。公益性の高い事業を行うため、一般社団法人という事業形態をとりながら、難病に苦しむ多くの患者さんのために、医薬品の供給を続けている。現在、国内献血を原料に同様の事業を展開する企業はほかに2社。その中でも同法人は高い市場シェアを誇っている。

血漿分画製剤をどのような症例に使用するべきかという研究は現在も積極的に続けられており、使用量は増加の傾向にある。一方で、献血は一般の人の善意によって支えられているため、供給できる量にはおのずと限界がある。また患者さんの命にも直結する医薬品のため、たとえ不採算であっても、製造をやめてしまうことは許されない。

こうした重い責務を果たしつづけていくため、同法人では職員育成のためにジョブローテーション制度を導入。さまざまな部署を経験することで幅広い知識と経験を身に付けながらキャリアアップしていくことのできる体制を整えている。

医療や医薬に興味のある人はもちろん、仕事を通じて社会に役に立ちたいと考えている人にとっては、大きなやりがいと出会うことのできる法人だと感じた。

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「難病に苦しむ患者さんを救いたい」という同じ志を持つ仲間が集まっているだけに、社内の人間関係はとても良好。働きやすく温かな風土が生まれている。

会社概要に記載されている内容はマイナビ2025に掲載されている内容を一部抜粋しているものであり、2026年卒向けの採用情報ではありません。企業研究や業界研究にお役立てください。

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