最終更新日:2025/3/1

三菱ガス化学ネクスト(株)

  • 正社員
  • 既卒可

業種

  • 化学
  • 薬品
  • 半導体・電子・電気機器
  • 精密機器

基本情報

本社
東京都

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

世の中にないものを生み出す喜びと、社会的使命のある仕事

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研究開発者の視点から、将来のビジネスを生み出したい

Y.Oさん
湘南研究所 主査
理学部研究科修士課程修了
2005年入社

休日は2人の子どもと遊んだり、紙飛行機キットを組み立てて飛ばしたり、植物を育てることでリフレッシュを図るというOさん。特に植物栽培は種類によって、排水性を考慮しながら土の配合を考えていて、不飽和ポリエステルの実験と相通じるものがあるとも。プライベートも持ち前の好奇心を発揮しながら充実した時間を過ごしている。

Oさんの一日

基本的に一人でテーマに沿った開発を行うが、他の社員とお互いの開発の進捗状況も共有する。時には意見交換をし、それが突破口になることも珍しくないという。
新しい樹脂の開発は、気が遠くなるような実験を繰り返さなければならない。日々の実験結果の記録はもちろん、気がついたことをメモして次の実験に役立てる。
中堅社員となったOさんは、面倒見のいい先輩として後輩にも慕われている。後輩の質問には適切なアドバイスを心がける。そんな社員間の親密さも同社の魅力のひとつ。

生活に不可欠な幅広い分野の樹脂開発に携われる仕事

大学院では有機合成の研究をしていましたが、就職する際に考えたのは素材メーカーで小回りが利いて自由に研究ができる職場で働きたいということ。その条件にぴったりだったのが当社でした。当社は少数精鋭で湘南研究所に勤務している社員は20数名。研究開発職は「与えられた権限も広く、開発プロセスの全てを担える」と聞いていたので迷わず入社を決意しました。更に当社は研究開発型樹脂メーカーとして幅広い分野に製品を提供しており、社会貢献度の高さにも魅力を感じました。

入社後はまず工場で樹脂の合成や調合を経験し、その後、湘南研究所に配属。それからは一貫して不飽和ポリエステル樹脂の開発に携わってきました。不飽和ポリエステルは、身の回りにあるプラスチックの原料として使用され、成形作業性、強度、電気絶縁性、耐熱性、耐薬品性に富み、バランスに優れた樹脂で、幅広い分野で使用されています。

私の最初の研究開発テーマは、自動車に常備する発煙筒に使用される樹脂の開発でした。その後は、自動車ランプのリフレクターに使用される樹脂開発に挑戦しました。リフレクターは光を反射させる装置で、常に熱にさらされる部分になるため、高い耐熱性を求められました。

これらは私が関わった研究開発の一例ですが、当社では住宅設備、自動車部品、化学プラント機器、建築資材など幅広い分野で使用される不飽和ポリエステル樹脂を提供しており、私たちが生活しているさまざまなところで当社の樹脂が使用されています。

親会社への出向を経て、研究開発者として新たな視点が身についた

研究開発職の仕事は世の中にないものを作り出すわけですから、すんなりと開発できるものではありません。基本的には不飽和ポリエステルに反応性モノマーと呼ばれるものを希釈溶解して製造するのですが、求められる機能をクリアして思うような結果が得られるまで組み合わせや分量などを変えながら試行錯誤するため、数カ月から数年かかることも珍しくなく、まさにトライアンドエラーの繰り返しです。

そういう意味では研究開発職の仕事は、粘り強くコツコツと仕事に臨む姿勢と共に、多角的な視点から物事を捉える発想力やアイデアも必要とされます。私のキャリアで大きな転機となったのが、親会社の三菱ガス化学への出向でした。同社では耐熱性の高いペットボトル素材の研究開発に関わり、どのくらいの温度の熱を加えたら溶けるのかを実験しながら開発を進めました。この実験プロセスや考え方は、それまで自社で行っていたものとはまったく異なっていたので非常に勉強になりました。

同時に用途開発的なアプローチも経験することができました。通常、耐熱性の高いペットボトルは透明度が低くなるのですが、耐熱性が高く透明度も高いペットボトルの素材開発を行うことで、新しい用途を見つけ出して提案していこうという試みです。食品や果汁飲料の中には、高温で殺菌処理をしてペットボトルに注入する工程が必要なものもあり、そうしたニーズを見込んだ素材の開発を行いました。それまではお客様にヒアリングして、ニーズを満たす機能を持つ樹脂の開発を行ってきましたので、こちらから市場ニーズを把握してお客様に提案していくという経験は初めてのことで、その後の自分自身の考え方や研究開発姿勢に大きな影響を与えてくれました。

5年後、10年後のビジネスの種を探しながら新分野の研究開発に挑む

約5年間、三菱ガス化学に出向し、自社に戻ってきたのは2014年のことです。湘南研究所に戻ってからは、LEDのリフレクターに使用する成形材料の開発に取り組みました。これは、光の反射率を上げて明るくするのと同時に流動性も向上させるというものです。実はこの2つは相反する性質なのですが、それを両立させ、成果を得ることができました。

今後、世界中で電気自動車が普及することを見越して、現在は、電子電気部品の熱を外部に逃がす役割をする成形材料の開発に当たっています。用途としては、もちろん電気自動車に使用されることを想定していますし、従来の燃料自動車よりも部品の使用頻度が高くなることから、“放熱”という機能を果たす樹脂の開発が非常に重要となることでしょう。

このように5年後、10年後の当社のビジネスの柱になる可能性を秘めた分野について、今から研究開発を進めています。研究開発職という仕事は、決まったテーマについて日々の地道な作業と実験が不可欠なのですが、新しい技術や素材・製品開発を通して新しいビジネスを誕生させることができる醍醐味あふれる職種です。

しかも当社の研究開発職は、研究だけでなくさまざまな業務に取り組み、キャリアを積むことにより、業界の技術動向や今後の市場ニーズを把握できるようになります。広い視野を持つことで将来性のある事業の種を探しだし、挑戦しやすい環境の中で、未来の三菱ガス化学ネクストを自分が支えていくという気概を持って、今後も仕事に打ち込みたいと考えています。

学生の方へメッセージ

当社の研究開発職の役割は、初期段階であるフラスコ内での実験から製造までを担当し、製品化にこぎつけて初めてゴールを迎えます。そのため化学だけでなく機械的な知識を求められる場面もあり、幅広い知識を習得することができます。もちろん、工場での製造工程などは生産管理部門と連携して仕事を進めます。ゼロの状態から工場で製品になるまでの全てのプロセスを担当できるので、ものづくりに携わっているという実感や達成感を味わうことができます。
当社の研究開発職は、地道にコツコツと実験をする勤勉さはもちろん、さまざまな視点から物事を考えられる柔軟な発想力が必要です。研究開発の過程で、思うような結果が出ない時も度々あります。そんな時に視点を変えて違ったアプローチをする。そんな柔軟な発想力のある方が当社の仕事に向いていると思います。

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神奈川県平塚市にある湘南研究所。少数精鋭の研究員たちによって、世の中にない樹脂が誕生している。入社後は万全のサポート体制のもとスキルアップを図ることができる。

マイナビ編集部から

新しい素材や材料を開発し、各種メーカーに供給する化学メーカーの事業や仕事は、学生からは分かりづらいかもしれない。しかし、化学メーカー、中でも幅広い分野に製品等を提供する素材メーカーの社会に果たす役割は広い。三菱ガス化学ネクストも同様で、バスタブなどの住宅設備、自動車の部品関係、化学プラント、建築資材、船舶など幅広い分野に樹脂製品を供給している。人々の快適な生活はもちろん、ものづくりや物流の現場などにも貢献しているのだ。いうならば「縁の下の力持ち」として社会を支える事業を展開しているといっても過言ではないだろう。
そんな三菱ガス化学ネクストの強みは高い技術力にある。例えば、再生可能な植物由来の原料を使用した樹脂「BIOMUP」がある。同製品は熱硬化性樹脂では日本で初めて「バイオマスプラマーク」の認証を受けており、国内外のメーカーからの信頼も厚い。こうした高い技術力を支えているのが湘南研究所の社員たちである。市場のニーズをいち早く察知し、まだ世の中にない製品を開発して貢献している。そんなやりがいにあふれた職場で若いうちから経験を積んできた社員の皆さんの表情は一様に明るく自信にあふれている。そんな「人材力」が同社の最大の財産ではないかと感じた取材だった。

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湘南研究所の社員の皆さん。社員間の距離が近く仲がいいのも同社の特徴。そんな環境だから、お互いが情報交換や切磋琢磨しながら技術者として成長することができる。
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