最終更新日:2025/4/3

(株)大紀アルミニウム工業所【東証プライム上場】

  • 正社員
  • 既卒可
  • 上場企業

業種

  • 非鉄金属
  • 化学
  • 環境・リサイクル
  • その他メーカー

基本情報

本社
大阪府

取材情報

仕事・キャリアパスについて伝えたい

アルミニウム二次合金のスペシャリスト!循環型社会に貢献する企業で働く醍醐味とは

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各部署で大きなやりがいを感じながらモノづくりに携わる

アルミニウム二次合金の研究開発や海外事業に携わる先輩たちに、仕事内容やそのやりがいなどをインタビュー。どんな過程を経て成長を果たしたのか。それぞれの軌跡を辿り、目指す将来についても語っていただいた。

■原田 瑛介さん(右)
2023年入社
海外事業室
工学部 生物機能工学科卒業

■岡 由幸さん
2019年入社
技術部
大学院理工学研究科 物質生命工学専攻 機械材料工学コース修了

■友田 凛さん
2023年入社
技術部
理工学部 応用化学科卒業

私の仕事術

経験が浅くても恐れずにやってみる。これが私のスタンスです。わからないことに取り組むほうが勉強になりますし、教えてくれる人が部署にいるので心強いです。(原田さん)
自分の振る舞いや考え方が後輩の目にどう映るかを意識して仕事に取り組んでいます。また先輩から多くを学び、後輩にフィードバックできるようにしています。(岡さん)
分析では正確にデータを出すことを大事にしています。データが開発業務の動きを左右しますから、ミスがないよう先輩とのダブルチェックを欠かしません。(友田さん)

生産現場を知っているからこそ、できることがある。目指すは技術と経営をつなぐ会社の要!

学生時代の専攻は生物で、就職活動では子どもの頃から興味のあった「モノづくり」を中心に企業を検索。そのなかでも当社ならいろいろな部署を経験し、知識を広げていけると思い入社しました。

1年目は生産技術職に配属され、省人化プロジェクトの担当に。工場に足を運んでは現場の状況を確認し、図面と照らし合わせて自動化のための改善点を探りました。ここでの仕事は8カ月。決して長い期間ではありませんでしたが、実際の設備を知るという意味で非常に意義深いものになったと思います。良かったといえばもう一つ、工場で半年間、機械を動かし、アルミニウム二次合金を製造するという仕事を経験できたことです。「見るのとやるのとではまったく違う」ことを身をもって知りました。製造側の目線を持てるようになったのは、これらの経験があってこそです。

その後、現在の海外事業室へ。この部署では、マレーシアやフィリピンなどの海外拠点を技術、経営の両面でサポートしています。まだ数カ月のため先輩にアドバイスをいただきながら動いていますが、主に海外工場と本社との会議のセッティング、議事録の作成などに携わっています。会議は経営に関わるものもあれば、工場長が出席されて技術的な議論をされることも。海外工場の状況を詳しく聞けるのは興味深く、少しはわかることもあって面白さを感じます。「原料をいくらで購入し、いくらで販売する」という、生産に関わるだけでは見えていなかった経営的な部分にも触れ、一気に視野が広がりました。

海外事業室には、設備設計をされている技術職の先輩もいますし、導入時には上席の方が現場に赴いてサポートをします。いつか私も生産技術や工場での経験を活かし、こうした技術支援に携わってみたいと思っています。また、直属の上司のほかに常務や専務、大ベテランの元工場長、若手の元技術部の先輩からアドバイスをいただけるという恵まれた環境で、幅広い知識と視点も身につけていきたいです。そして、技術のことも経営のこともわかる人材になって、生産部門と売上・経費を管理する本社が今まで以上に連携できる体制をつくるのが今後の目標。アルミ合金自体にも興味があるので、その知識も深めていけたらと思っています。
(原田さん)

実験・評価を繰り返し、求める特性を実現する。アルミニウム合金開発の醍醐味と研究者としての成長。

大学院で研究していたのはセラミックスでしたが、スクラップをリサイクルするアルミニウム二次合金に興味を持ち、二次合金メーカーとして世界的な環境問題に貢献できると考え、当社を選びました。

入社後まず担当したのは、アルミニウムの副生成物「アルミニウムドロス」についての研究です。新たな用途への有効利用に向け、成分分析、焼成や水処理などの実験と評価をおこなっていました。2年ほど研究を続け、実用化の可能性に目星が付いたころ、合金開発の担当に。試験片の鋳造・加工、分析・評価という工程を経験し、アルミニウム二次合金の特性や研究開発の流れを学びました。例えば、“硬質でありながら延性が高い”など、求める特性を実現する、また、既存のアルミニウム合金の材料を新塊からスクラップに替える、といった目的の実現に向け、試作と分析・評価を繰り返すのが合金開発です。

私は現在、自動車のある部品に使われる合金の開発に携わっています。従来、アルミニウムの新塊を材料にしていましたが、スクラップでもつくれるようにするのが目的。基本的な特性評価がおおむね完了し、部品メーカーからのヒアリングも参考にして、成分の検討・調整をおこなっているところです。実験や評価に取り組むなかで狙い通りの結果が出たときは、もちろんうれしいのですが、私はその結果をしっかりと考察することを重視しています。例え求めていた結果が出たとしても、仮定が必ずしも正しいとは限りません。結果を鵜呑みにせず、真実を追究することが大切だと思います。そういう意味でも学びが多いのは、想定した結果が出なかったときです。自分の認識や組み立てた理論の誤りに気づき、改善に向けて試行錯誤することが成長につながっていると感じています。

また、研究者としての成長の機会は、職場の外にもあります。先日、学会に初めて参加し、多くの専門家を前に合金開発に関するプレゼンテーションをおこないました。学会発表に向けたデータ取り、資料づくりなどは大変でしたが、プレゼン後の質疑応答や懇親会を通して研究者やメーカーの方と交流することもでき、そこで得た知見や人脈を今後の仕事にも活かせると感じました。今後も知識や知見を積み重ね、幅広い年代、業界の方から頼りにされる研究者を目指します。
(岡さん)

お客さまの製造現場に出向いたり、試験片の鋳造を手掛けたり。活躍のフィールドが多様な開発業務。

大学では材料化学を専攻し、蛍光体を研究していました。アルミニウムは馴染みのない材料でしたが、企業研究を通してさまざまな業界・企業を掘り下げるなかで出会ったのが当社。詳しい情報を集めたり実際に話を聞くうちに、少数精鋭でスケールの大きな事業展開をしていることに魅力を感じました。また、若いうちからいろいろな仕事に携われそうだと感じたことが入社を決めた理由です。

入社後、最初に携わったのは技術サービス。ダイカストメーカーなどのお客さまから依頼を受け、アルミダイカスト製品の解析・評価をおこなう部門です。お客さまが製造した製品に異物が見受けられるケースのご相談が多く、マイクロスコープによる細部の観察、専門装置による元素マッピングなどを通してその成分を突き止め、報告書にまとめるのが私の役割でした。その後、合金開発のグループへ。工程をひと通り経験しながら、開発について学んでいるところです。

入社して1年が過ぎ、想像以上に幅広い知識が必要だという気づきがありました。メーカーの研究開発職というと研究室で分析作業だけしているものだと思っていましたが、実際には違いました。最初に経験した技術サービスでは、お客さまの製品や製造工程についての理解も不可欠だったため、お客さま企業にうかがって製造現場を見せていただくこともありました。また、合金開発では、試験片の鋳造も自分の手でおこないます。その過程では、溶湯の温度によってアルミニウムの組織の状態が変わったり、途中でガスが入ったりして、特性に影響が出ることがあります。そのため細部の調整が重要で大変だということも、体感できました。

現在は、上記に登壇している先輩の岡さんのグループで新たな合金開発にも携わっています。日々、どんな仕事も新鮮に感じますが、やはり新しい合金開発に関する実験で良い結果が出たときは非常にうれしく、前のめりな気持ちで上司に報告しています。「良い結果」への期待が、仕事の大きなモチベーションかもしれません。

直近の目標は、現在取り組んでいる合金開発プロジェクトを成功させ、製品化を見届けること。そして今後は、ベテラン研究者の先輩方から多くを学んで分析手法や装置の使い方を完璧に身につけ、後輩にしっかり教えられるようになりたいと思っています。
(友田さん)

学生の方へメッセージ

就職活動で大事なことは、学生時代の学びを活かした上で、入社後にどんな経験や成長ができるのかを見極めることだと思います。私が当社に決めたのも、一人ひとりの希望と適性に合わせてキャリアパスが描けることを選考過程で示してくれたから。「自分次第でいろいろなことができますよ」と面接官に言われましたが、本当にその通りだと実感しています。

入社後は2カ月間の研修で技術部や国内の生産現場の業務を知り、生産技術職に配属。国内工場での製造を経て海外事業室に異動となりました。2年間でたくさんの部署を経験することになったのは、会社都合だけでなく私自身の適性と志望を考慮した上でのことです。

レールは1本だけでなく、やる気があれば自分の意思で選び、挑戦することができる。若手に任せてくれるそんな社風も当社の魅力ですね。その意味で、「●●だけがしたい」方より、いろいろなことに挑戦したい方に向いています。材料や機械だけでなく、私のように生物系などさまざまなバックボーンを持つ人材が集まっている会社なので、どんな方でも活躍できる可能性があると思います。

学生時代は勉強も遊びも思う存分、経験しておくことをお勧めします。私は大学のプログラムで半年間ベトナムに滞在しました。多様な価値観に触れるという経験は、就職活動や社会人になってからもさまざまな部分で生きてきますよ。
(原田さん)

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「『海外事業室の仕事をやってみない?』と声を掛けられたときは驚きましたが、またとないチャンスだ!と思い挑戦しました」と原田さん。キャリアパスは人の数だけある。

マイナビ編集部から

1922年に二次アルミニウム製錬業として創業した(株)大紀アルミニウム工業所は、天然資源ではなく一度利用されたスクラップを原料に、多種多様なアルミニウム製品を生み出している。SDGsという言葉が流通する遥か以前から、循環型社会に貢献し続けている企業だ。

先輩のなかにも、アルミニウム二次合金が持つ可能性を感じて入社した人は多い。軽く強いアルミニウムは、自動車の車体の軽量化や燃費向上に役立つほか、延性や熱伝導などの特性を持たせることもできる。高度な技術力と柔軟な発想力を発揮する同社へのニーズはますます高まるだろう。実際、電気自動車やハイブリッド車、燃料電池車用のリサイクル材料などでの利用が広がっている。

今回の取材で技術部と海外事業室の先輩にお話を伺ったところ、日常業務は異なるが、試行錯誤の繰り返しのなかで新しい視点に気づき、自分のものにしている姿は共通していた。研究職の岡さんと友田さんはモノづくりへの真摯な思いが、海外事業室の原田さんからは、もともと持っていたという海外への興味から、活き活きと仕事に取り組んでいる様子が伝わってきた。

東証プライム市場上場の大手メーカーとして安定基盤を誇る同社は、これからも意欲ある若手社員にチャンスを与え、グローバル市場の拡大とさらなる成長戦略を進めていく。

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本社の休憩スペースは、カフェのようなインテリアで落ち着ける場だ。仕事の合間にここで気分転換やランチをするなど、社員が思い思いに過ごす癒し空間になっている。
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